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「クマ治療」で後悔しないために押さえるべきポイントとは? 治療の種類や注意点を医師が解説!

 公開日:2025/07/20

目の下のクマが気になる……」と悩む人は、意外と多いのではないでしょうか。しかし、クマ治療を受けた結果、後悔してしまったという声も少なくありません。そこで今回は、目の下のクマ治療の選び方や治療の特徴、注意点などについて「YOUR FACE」の日下邊先生に解説していただきました。

日下邊 直樹

監修医師
日下邊 直樹(YOUR FACE)

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杏林大学医学部医学科卒業。その後、杏林大学医学部付属病院形成外科を経て、東名厚木病院で形成外科診療科長を務める。2024年より、東京都港区に位置する「YOUR FACE TOKYO」に勤務。2025年に開院した大阪市福島区の「YOUR FACE OSAKA」にも勤務。日本形成外科学会形成外科専門医。

クマ治療の基本

クマ治療の基本

編集部編集部

目の下のクマには種類があるというのは本当ですか?

日下邊 直樹先生日下邊先生

クマは大きく「黒クマ(影クマ)」「青クマ(紫クマ)」「茶クマ」に分類されます。クマの原因として一番多いのが黒クマで、眼窩脂肪の突出やくぼみによって影ができることで表れます。青クマは、皮膚の下にある眼輪筋や静脈が透けて見えたり血行不良になったりすると出現します。茶クマは、色素沈着が原因です。クマのタイプにより治療方法が異なるため、まずは原因の見極めが大切です。

編集部編集部

クマはどのように治すのでしょうか?

日下邊 直樹先生日下邊先生

黒クマの場合、経結膜脱脂術やハムラ法などの外科的治療が第一選択です。また、青クマには脂肪注入やPRP療法、茶クマには美白系の外用薬やレーザーが用いられます。

編集部編集部

治療の種類は多岐にわたるのですね。

日下邊 直樹先生日下邊先生

クマ治療で迷わないためには、まず「本当にその治療が適しているのか」を確認することが重要です。価格や手軽さだけで決めるのではなく、自分のクマの原因を正しく診断してもらい、適切な治療を選択しましょう。

黒クマの治療法

黒クマの治療法

編集部編集部

黒クマの治療について、もう少し詳しく教えてください。

日下邊 直樹先生日下邊先生

一般的におこなわれている方法としては、「経結膜脱脂法」があります。また、最近では脂肪を取らずに移動させる「ハムラ法(脂肪再配置術)」が増えてきています。皮膚のたるみも強い場合には、同時に下眼瞼の余剰皮膚の切除もおこないます。それぞれの状態や希望に応じて適した治療は異なります。

編集部編集部

経結膜脱脂術とは?

日下邊 直樹先生日下邊先生

経結膜脱脂術は、下まぶたの裏側(結膜側)から脂肪を取り出す手術です。手術は局所麻酔でおこなわれることが多く、まぶたの裏に小さな切開を加えて、突出している眼窩脂肪を丁寧に取り除いていきます。手術時間は30分〜1時間程度で、基本的に日帰りでの対応が可能です。

編集部編集部

経結膜脱脂術には、どのようなメリットがあるのでしょうか?

日下邊 直樹先生日下邊先生

皮膚を切開せず、ダウンタイムも短いため、忙しい人でも比較的取り入れやすい方法かと思います。

編集部編集部

反対に、注意点やデメリットはありますか?

日下邊 直樹先生日下邊先生

基本的に、経結膜脱脂術は100%再発する点には要注意です。当院でも、5年ほど経って「元に戻ってしまった」と相談にくる人は少なくありません。また、脂肪を取りすぎると「目の下がこけてしまう」ことがあり、逆に老けて見える原因になります。さらに過度に脂肪が取られると、上瞼までくぼんだり、最悪の場合には眼球自体が奥に下がったりすることがあります。

編集部編集部

続いて、ハムラ法についても教えてください。

日下邊 直樹先生日下邊先生

下まぶたの皮膚や粘膜を切開し、眼窩脂肪を再配置することでクマを改善する施術です。脂肪を取り除くのではなく、移動させることで目元のふくらみとくぼみを同時に改善することが期待できます。皮膚表面を切開するのが「表ハムラ法」、内側の粘膜を切開するのが「裏ハムラ法」と呼ばれています。表ハムラ法は、脂肪だけでなく余った皮膚を除去することで、下まぶたのたるみも同時に改善できるのが特徴です。一方で、裏ハムラ法は、皮膚に傷跡が残らず、表ハムラ法に比べてダウンタイムが短いという特徴があります。

編集部編集部

ハムラ法には、どのようなメリットがありますか?

日下邊 直樹先生日下邊先生

一度おこなうと後戻りしにくいのがメリットです。また、ハムラ法と同時に中顔面リフトをおこなえることも利点と言えるでしょう。中顔面リフトでは、ハムラ法で眼窩脂肪を再配置すると同時に頬の脂肪を上に引き上げることができ、クマ治療の延長として、チークトップを高くする効果も期待できます。

編集部編集部

注意点やリスクについても教えてください。

日下邊 直樹先生日下邊先生

1〜2週間の内出血や腫れがあります。また、細部まで整える手術なので、ほかのシンプルな手術と比べて時間がかかったり、費用が高かったりします。加えて、術後は傷のひきつれがあると、一時的にまぶたが下に引っ張られるような感覚が出る可能性はあります。

クマ治療で後悔しないために

クマ治療で後悔しないために

編集部編集部

術後にトラブルが起こることはありますか?

日下邊 直樹先生日下邊先生

内反・外反などの合併症がおこるケースも稀にありますが、重要なのは術前の説明とアフターケアです。そのため、医師と納得できるまで話し合い、安心して手術を任せられるかを判断することが大切です。また、術後の結果を判断するには、一定期間の経過観察が必要なことも知っておいていただきたいです。

編集部編集部

ほかにも、知っておいた方がいいことがあれば教えてください。

日下邊 直樹先生日下邊先生

一度取ってしまった脂肪は元に戻らないため、過度な脱脂をした場合、修正が難しくなります。修正する場合は、ヒアルロン酸の注入や別の場所から採取した脂肪の注入をおこなう必要があります。

編集部編集部

クマ治療を受ける際、医師を選ぶポイントはありますか?

日下邊 直樹先生日下邊先生

しっかりと診察・カウンセリングの時間を取り、リスクや選択肢について丁寧に説明してくれる医師を選ぶといいでしょう。日本形成外科学会が認定している形成外科専門医であるかどうか、実際の症例写真なども確認することをおすすめします。一度に決めず、複数の医療機関でカウンセリングを受けるのも有効です。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

日下邊 直樹先生日下邊先生

近年、クマの手術は身近な治療として広まりつつあります。中でも脱脂術は比較的シンプルな手技とされ、若手の医師が低価格で対応するケースもみられますが、その分、術後のトラブルにつながるリスクも少なくありません。費用の安さやSNS上での過度な宣伝に惑わされず、メリットだけでなくリスクやデメリットについても丁寧に説明してくれる医師のもとで治療を受けることが大切です。形成外科専門医であれば、より安心して相談できるでしょう。

編集部まとめ

クマ治療は決して外見だけの問題ではなく、精神的な自信にもつながる選択です。安易に流行や値段だけで決めず、ご自身の状態や希望に合った治療を選ぶことが大切とのことでした。目の下のクマに悩んでいる人は、信頼できる医療機関でしっかり相談してみてください。

医院情報

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所在地 〒105-7090 東京都港区東新橋1丁目8-2カレッタ汐留47階
アクセス 都営大江戸線「汐留駅」 徒歩1分 ゆりかもめ「汐留駅」 徒歩2分 JR・東京メトロ「新橋駅」 徒歩3分
診療科目 美容外科

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