「淋病」に気づくキッカケはご存じですか? 初期症状・感染経路・防ぐ方法を医師が解説!

現在、増加傾向にある「淋病」の感染者数。感染に気づかないままパートナーに感染させることも多く、一人ひとりの予防意識が重要になってきます。そのためには、淋病の感染経路や予防法をしっかり理解しておくことが大切です。「mimiレディースクリニック三越前」の干場先生に、淋病の症状や感染経路、予防法について解説していただきました。
目次 -INDEX-

監修医師:
干場 みなみ(mimiレディースクリニック三越前)
淋病とは

編集部
まず、淋病について教えてください。
干場先生
淋病は、淋菌という細菌によって引き起こされる性感染症(STI)の一種です。主に性行為を介して感染し、男女ともに発症します。早期に適切な治療をおこなえば治りますが、放置すると不妊や重症感染症の原因になることがあるので注意が必要です。
編集部
淋病は誰でもかかる可能性があるのでしょうか?
干場先生
はい、性的活動のある人なら誰でも感染する可能性があります。特にコンドームを使用せずに複数のパートナーと関係を持つ場合、感染リスクが高まります。また、若年層の感染者が多いという特徴もあります。
編集部
淋病は珍しい病気なのでしょうか?
干場先生
いいえ、じつは非常に一般的な性感染症です。日本でも年間数万人単位で報告されており、近年、患者数が増加傾向にあります。自覚症状がない場合も多く、知らない間に感染を広げてしまうリスクもあります。
編集部
淋病はどのように診断されるのですか?
干場先生
尿検査や分泌物の検査で、淋菌の有無を確認します。感染を拡大させないためにも、早期発見が重要です。コンドームを使用しない性行為など、感染の可能性がある行為をした場合は、症状がなくても検査を受けることをおすすめします。
淋病の症状・放置リスク

編集部
淋病に感染すると、どのような症状が出るのですか?
干場先生
男女によって症状が異なります。まず男性では排尿時の痛みや尿道からの膿、尿道のかゆみなどの症状がみられる一方で、女性ではおりものの増加や下腹部痛が典型的です。ただし、女性は症状が軽いため見逃されやすく、気づかないうちに病気が進行することもあります。
編集部
症状が出ないこともあるのでしょうか?
干場先生
特に女性では無症状のことが多く、感染に気づかないケースが少なくありません。また、男性でも軽い症状で済むことがあり、自覚がないまま他人に感染させてしまうこともあります。
編集部
のどに感染することもあると聞きました。
干場先生
性行為によって、のど(咽頭)に感染することがあります。のどの淋病は自覚症状が少ないため気づきにくく、検査でしか発見できない場合が多いため注意が必要です。
編集部
淋病を放置するとどうなるのでしょうか?
干場先生
放置すると重症化し、深刻な問題を招くことがあるので注意が必要です。男性では精巣上体炎、女性では骨盤内炎症性疾患(PID)などを引き起こし、不妊の原因になることがあります。そのため、早期治療が重要です。
淋病の感染経路・予防法

編集部
淋病の感染経路について教えてください。
干場先生
主に、性行為によって感染します。感染者の分泌液や粘膜に触れることでうつるため、自分では意識しないまま感染していることも少なくありません。そのほか、妊娠中の母親が淋病に感染している場合には、分娩時に赤ちゃんが産道を通るときに感染することもあります。
編集部
淋病の感染を防ぐためには、どうすればいいのでしょうか?
干場先生
最も有効なのは、コンドームの使用です。性行為の際には必ず使用し、特に複数のパートナーと関係を持つ場合は徹底が必要です。また、定期的な性感染症の検査も大切です。
編集部
淋病に感染したときの対処法についても教えてください。
干場先生
淋病の感染が判明したら、速やかに治療を受けることが大切です。また、パートナーにも検査・治療をすすめることが必要です。治癒するまでは性行為を控えましょう。
編集部
淋病に一度かかったら、もうかからないのですか?
干場先生
いいえ、淋病は完治しても免疫がつきません。何度でも再感染する可能性があります。治った後も感染予防の意識を持ち続け、リスクのある行動を避けることが重要です。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
干場先生
私自身、以前勤めていた病院で、淋菌の重症患者を多く診察しました。重症度が高くなると、高熱と強い腹痛が起こり、数週間の入院を余儀なくされることもあります。自分の体を守るためにも、ぜひ感染予防を意識した行動をとりましょう。
編集部まとめ
性感染症の怖いところは、知らない間に自分が感染源となって誰かに病気をうつしてしまうこと。場合によっては、大切なパートナーを傷つけることもあります。「もしかしたら淋病に感染したのでは?」と疑われる場合には、早めに医師の診察を受け、早期に治療をおこなうことが大切です。
医院情報

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| 診療科目 | 婦人科 |



