「内視鏡検査」は“AI”でどう変わる? あの『カメラを入れる苦痛』は軽減される?【医師解説】

近年、医療分野にもAI技術の導入が進んでおり、内視鏡検査にもその波が押し寄せています。 従来の内視鏡検査と比べて、AI技術を活用した検査にはどのような違いがあるのでしょうか? そこで「おなかとおしりのクリニック 東京大塚」の端山軍先生に、 AI内視鏡検査の特徴やメリットについて詳しく話を聞きました。
※25年5月取材。

監修医師:
端山 軍(おなかとおしりのクリニック 東京大塚)
内視鏡検査って? 医師が解説

編集部
内視鏡検査とはどのような検査なのか教えてください。
端山先生
内視鏡検査は、先端にカメラがついた細い管を口や肛門から挿入して、食道・胃・大腸などの粘膜の状態を直接観察する検査です。粘膜の炎症や消化器の病変を早期に発見することができます。
編集部
どのような病気を見つけることができるのですか?
端山先生
胃カメラでは胃がんや胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、胃炎(萎縮性胃炎)、胃アニサキス症など、主に食道・胃・十二指腸の異常を調べることができます。一方、大腸カメラでは、大腸がんや大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎などの病気を見つけることができます。とくに自覚症状の乏しい初期のがんを見つけることができる点が大きなメリットです。
編集部
検査中に病変が見つかった場合、その場で治療もできるのでしょうか?
端山先生
はい。たとえば大腸ポリープが見つかった場合、その場で切除することも可能です。検査と同時に治療まで完了するケースも多くあり、患者さんの時間的負担や身体的負担を軽減することができます。
編集部
内視鏡検査と聞くと、「痛そう」「つらそう」と感じる人も多いと思います。
端山先生
たしかに「苦しい検査」というイメージを持つ人も多いかと思いますが、現在はさまざまな工夫がされています。たとえば胃カメラでは鼻から入れる方法があり、嘔吐反射が出やすい人の苦痛が大幅に軽減されています。また、胃カメラ・大腸カメラともに鎮静剤を使った検査が主流となってきており、うとうとしている間に終わることがほとんどです。
AI内視鏡検査、医師が解説

編集部
最近は、AIを活用した内視鏡検査があると聞きました。
端山先生
その通りです。AIを搭載した内視鏡システムを使うことで、診断の精度や効率を高めた検査方法です。内視鏡で撮影した画像や映像を解析し、ポリープやがん、炎症などのある箇所を自動的に検出することができるため、診断の精度がさらに向上することが期待できます。
編集部
AIが診断してくれるのでしょうか?
端山先生
最終的な診断は医師がおこないます。AIはあくまでも「この部分が怪しいですよ」と指摘するための補助ツールです。これにより人間の目では見落としがちな微細な病変を知らせてくれるので、より安全性と信頼性の高い検査が可能になります。
編集部
AI内視鏡検査の場合、検査中の苦痛は変わりますか?
端山先生
AIの導入により診断の精度は上がりますが、検査自体の身体的な感覚に関しての変化はありません。先述のとおり、苦痛の軽減には、鎮静剤の使用や経鼻挿入といった方法がありますので、検査に不安がある人は事前に相談することをおすすめします。
内視鏡検査は、いつ受けたらよいの?

編集部
AI内視鏡検査はどんな人におすすめですか?
端山先生
とくに初めての内視鏡検査で不安がある人、ご家族に胃がんや大腸がんの人がいるケースや過去に萎縮性胃炎や大腸ポリープの指摘を受けたことがある人にはおすすめです。より精度の高いチェックができることで、安心感にもつながると思います。
編集部
内視鏡検査のタイミングや頻度について、目安があれば教えてください。
端山先生
症状がなくても、40歳を過ぎたら一度は胃カメラと大腸カメラの検査を受けてもらいたいと思います。自治体の検診項目に内視鏡検査が含まれるのは50歳前後が多いようですが、それより前に一度は受けてもらいたいですね。大腸ポリープなどは、数年ごとに検査していくことで、大腸がんの予防に役立ちます。
編集部
内視鏡検査を受ける医療機関選びのポイントなどはありますか?
端山先生
内視鏡検査の精度と安心感を重視するなら、日本消化器内視鏡学会の専門医・指導医が在籍する医療機関がおすすめです。ほかには、鎮静剤を使った検査が可能か、AI診断を導入しているか、女性なら女性医師による検査の可否なども確認ポイントだと思います。また、腸を押さずに自然な形で挿入する「軸保持短縮法」を採用している施設では、腸へのストレスも抑えられるため、より快適に検査を受けられます。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
端山先生
内視鏡検査は「苦しい」「怖い」といったイメージを持たれがちですが、医療技術は日々進化しています。AIの導入や鎮静剤の使用によって、より正確で、より快適な検査が可能になってきました。ご自身やご家族の健康を守るためにも、少しでも不安がある人は、一度専門医に相談してみてください。早期発見・早期治療が、将来の安心につながります。私たちも、患者さんが安心して検査を受けられるよう、これからもますます丁寧な説明とサポートを心がけていきます。
編集部まとめ
AI技術を活用した内視鏡検査は、従来の検査に比べて診断の精度を高める強力なサポートツールです。検査に伴う感覚はそのままで、精度を高めることができます。また、最近は苦痛を緩和する方法もいろいろあるとのことでしたので、内視鏡検査に不安を感じている人も、まずは相談から始めてみてはいかがでしょうか?
医院情報
| 所在地 | 東京都豊島区南大塚3-34-7 大塚carna 2階 |
| 診療科目 | 内科、消化器科、肛門科 |
| 診療時間 | 月火木金 8:30~12:00/14:00~17:30 土 8:30~12:00 |
| 休診日 | 水・土曜午後・日・祝 |




