「ブライダルチェック」は何をするかご存じですか? 検査内容や費用の目安も医師が解説!

保田先生

ブライダルチェックは、直訳すると「結婚前の健康診断」という意味で、特に性感染症の有無や生殖能力についての検査をおこないます。ただし、必ずしも結婚前に受けなければいけないわけではなく、「具体的な予定はないけれど婚活を始めようと思った人」や「すでに結婚しているけれど子どもがなかなかできない人」など、基本的には誰でも受けることができます。

保田先生

「ブライダルチェックは女性が受けるもの」というイメージがあるかもしれませんが、じつは男性も受けることができ、むしろ妊娠を希望する場合は男女ともに受けておくことが推奨されます。特に近年では、不妊の原因の約半数が男性側にあることが判明しています。そのため、早めに検査をするのが大切です。

保田先生

検査内容は、男女で異なります。男性の場合、主に「精子の検査」と「性感染症検査」をおこないます。精子の検査では精子の数や運動率、形態などを調べ、妊娠に影響がないかを確認します。一方、性感染症検査では、クラミジア・淋菌・梅毒・B型肝炎・C型肝炎・HIVなどの有無を調べます。

保田先生

性感染症検査については男性と同様ですが、ほかにも「血液検査」「女性ホルモン検査」「内診・経腟超音波検査」をおこなうケースが多いと思います。また、子宮頸がん検診や乳がん検診がセットになっている医療機関もあります。検査内容は医療機関によっても異なるので、詳しくは調べてみてください。

保田先生

婦人科や泌尿器科などで受けることができます。特に男性向けの「メンズブライダルチェック」は、泌尿器科や不妊治療専門の医療機関でおこなっていることが多いですね。事前に電話やホームページで、どのような検査が受けられるのかを確認するといいでしょう。

保田先生

保田先生

医療機関にもよりますが、一般的には1週間〜10日で結果が出ます。結果は直接医師から説明を受けることが多く、異常があれば追加の検査や治療についての相談や説明も可能です。

保田先生

異常の内容や程度にもよりますが、例えば感染症が見つかった場合は、適切な治療をして改善を図ります。また、女性ホルモン値の異常なども薬による改善が期待できます。精子の状態に問題があれば、まずはその原因を検査して、原因によって生活改善や内服薬、サプリメントなどで改善を図る場合や、手術の適応になる場合があります。そのほか、例えば子宮頸がんなどが見つかった場合も手術適応となる場合が多いと思います。

保田先生

ブライダルチェックは保険適用外のため自費診療となります。医療機関や検査内容によって費用は異なるため、事前にホームページなどで確認することをおすすめします。例えば、当院でおこなっているメンズブライダルチェックは、精子の検査と感染症検査（クラミジア・淋菌・梅毒・B型肝炎・C型肝炎・HIV）で税込み1万9800円です。さらに、「マイコプラズマ・ウレアプラズマ検査」などのオプションを追加することも可能です。

保田先生

マイコプラズマ・ウレアプラズマは、性行為を通じて感染する感染症です。感染しても自覚症状がないことも多く、放置すると男性では尿道炎や前立腺炎、女性では子宮頸管炎や骨盤内炎症を引き起こし、不妊の原因になることもあります。通常の性感染症検査には含まれていないことが多いため、必要に応じて追加検査を受けることが推奨されます。

保田先生

数はまだ少ないかもしれませんが、男女両方のブライダルチェックを実施している医療機関もあります。カップルで受けることで、お互いの健康について理解を深めることができ、妊娠に向けた準備もしやすくなるかもしれませんね。

保田先生

ブライダルチェックと聞くと、女性が受けるイメージが強いかもしれませんが、じつは男性にとっても非常に有用な検査です。この記事を読んでいる女性の皆さんには、ぜひパートナーにも勧めていただきたいと思います。例えば、クラミジアやウレアプラズマといった性感染症は、知らないうちに感染している可能性があり、自覚症状がほとんどないまま感染が広がることがあります。性感染症を放置すると不妊の原因になることもあるので、自分自身の健康だけでなく、大切な人との未来を守るためにも、一度ブライダルチェックを受けてみてはいかがでしょうか。