【女性必見】デリケートゾーンのかゆみ・痛みの原因はご存じですか? 対処法やセルフケアも医師が解説!

「デリケートゾーンの悩みは相談しにくい……」と感じていませんか? かゆみや痛み、おりものの異常などの症状があっても、「病院に行くほどではない」と放置してしまう女性は少なくないようです。しかし、膣の健康は全身の健康にも影響を与え、適切なケアをしないと症状が悪化することもあります。今回は、膣の悩みの原因や対処法について、「アロリエクリニック」の市川先生に解説していただきました。

監修医師:
市川 りえ(アロリエクリニック)
膣のかゆみや痛みが起こる原因

編集部
膣に違和感があっても、病院に行くのは躊躇してしまいます。
市川先生
多くの女性がデリケートゾーンの悩みを「些細なこと」「恥ずかしいこと」として放置しがちですが、じつは膣の健康は女性の体全体の健康にも関わる重要な要素です。違和感が続く場合は、放置せずに医師に相談することが大切です。
編集部
具体的に、どのような症状があったら病院を受診すべきですか?
市川先生
かゆみ、ヒリヒリした痛み、おりものの色やにおい・量の変化、性交時の痛み、出血、乾燥、違和感などの症状が続く場合は、なんらかのトラブルのサインかもしれません。早めに婦人科を受診しましょう。
編集部
かゆみや痛みが起こるのはなぜでしょうか?
市川先生
細菌やカンジダによる感染症、ホルモンバランスの変化、アレルギー反応、膣周囲の筋肉の緊張など、様々な要因が考えられます。また、ピルの服用や栄養バランスの乱れ、腸内環境の悪化も要因となり得ます。特に感染症があった場合、放置すると症状がひどくなるだけでなく、パートナーにうつしてしまう可能性もあるので、早めに受診して適切な診断を受けることが重要です。
編集部
では、おりものの変化はなぜ起こるのですか?
市川先生
ホルモンバランスなどの影響で変化しますが、強い悪臭がしたり、黄緑色や灰色に変色したりしている場合は、細菌性膣炎や性感染症の可能性があります。また、ピルを使っている場合や妊娠している場合は「膣カンジダ」になりやすくなり、放置していると感染を広げてしまうことになるため、異常を感じたら早めに受診して適切な治療を受けましょう。
膣のトラブルの対処法・セルフケア

編集部
膣の乾燥でも病院に行くべきなのですか?
市川先生
膣の乾燥は、閉経期や授乳期などのホルモンバランスの変化やストレスの影響を受けることがあります。また、ピルの内服中も乾燥しやすくなります。デリケートゾーン専用の保湿剤が市販されており、きちんとしたものを選べば効果も期待できます。ただし、あまりに乾燥が続くようであれば、原因を特定するためにも受診することをおすすめします。
編集部
膣の変化は放置しない方がいいのですね。
市川先生
そのとおりです。最近は「フェムケア」「膣ケア」といった言葉も少しずつ一般的になってきています。肌や髪の毛をケアするように、ご自身のデリケートゾーンのケアも意識していただけたらと思います。
編集部
普段の生活の中では、どのようなケアができますか?
市川先生
保湿剤で適度に保湿するほか、デリケートゾーン用の洗浄剤などで清潔を保つのもいいと思います。ほかには、締めつけの少ない下着を選ぶ、食生活に気をつけるなど、日常生活でできることから始めてみましょう。
編集部
ほかにもあれば教えてください。
市川先生
一般的なナプキンには吸収剤として高分子ポリマーを使用していることが多く、蒸れやすくなったり体を冷やしたりするデメリットがあります。そのため、ナプキンやおりものシートを選ぶ際はオーガニックコットンの商品をできるだけ選んでみましょう。もう少し余裕があれば、布ナプキンを使うのもおすすめです。その場合は、布ナプキンを洗う洗剤などにも注意が必要です。できれば香りの残る柔軟剤は使わないことをおすすめします。また、お風呂でデリケートゾーンを洗う際は、膣のpHに近いフェミニン用のソープで優しく洗いましょう。
膣の痛み・かゆみ・緩みなどの治療法

編集部
膣の悩みで受診した場合、医療機関ではどのような治療法が受けられますか?
市川先生
膣のかゆみ・痛みや感染に対しては、保険適用の膣錠や塗り薬などが一般的です。また、性交痛や膣の違和感などには保険適用外ですが、気になる部分に高濃度酸素と混合ヒアルロン酸を噴霧するという治療法や、ラジオ波を用いた温熱治療もあります。緩みや尿漏れなどには、膣内に専用ハンドピースを挿入し、腟壁にエネルギーを照射するHIFU(ハイフ)治療もあります。
編集部
デリケートゾーンの悩みの治療について、知っておいた方がいいことはありますか?
市川先生
かゆみや痛みに対する治療法でも、保険適用になるものとならないものがあるので注意が必要です。感染症などに対する治療は保険適用が多いですが、先ほどの膣ケアの治療などは自費診療となるため、費用については事前にしっかりと確認しましょう。カンジダ感染症などは、甘いものの食べ過ぎや免疫力低下でなりやすくなるため、食生活や生活習慣の見直しも大切です。医師や管理栄養士から指導が受けられる医療機関もあるので、興味があれば調べてみてください。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
市川先生
少し前までは、デリケートゾーンのケアや悩みを相談することに抵抗を感じる人は多かったと思います。しかし、最近は時代の変化に伴い、膣のケアに注目が集まってきて、一般的になりつつあります。デリケートゾーンの不快感がないと生活の質も大きく変わるため、ぜひ若いうちからケアの習慣をつけることをおすすめします。
編集部まとめ
デリケートゾーンの悩みは決して特別なことではありません。最近では膣のケアも一般的になり、気軽に相談できる環境が整いつつあります。少しでも違和感があれば、恥ずかしがらずに医療機関へ相談してみてください。早めのケアが、快適な毎日につながることを頭に入れておきましょう。
医院情報
所在地 | 〒141-0022 東京都品川区東五反田5丁目27−5 5セントラルビル 6階 |
アクセス | JR「五反田駅」 徒歩1分 |
診療科目 | 婦人科、美容皮膚科 |