「肌トラブル」で悩む人は必見! シミ・肝斑・ほくろ・ニキビ跡ができたときの対処法を医師が解説!

「シミ・肝斑・ニキビ跡などの肌の悩みを全て解決して、綺麗になりたい」と考えている人は、多いのではないでしょうか。美容皮膚科での治療は、シミなど肌トラブルごとに最適な治療をおこなうのが一般的ですが、全てを綺麗にするにはどのようにするのが最短ルートなのか気になるところです。今回は、肌の悩みの対処法について、「はなふさ皮膚科静岡院」の青山先生に解説していただきました。

監修医師:
青山 昌平(はなふさ皮膚科静岡院)
シミ・肝斑・ほくろ・ニキビ跡、肌トラブルが起こる原因

編集部
肌のトラブルとして、シミ・肝斑・ほくろ・ニキビ跡に悩んでいる人は多いと思います。これらは一体なぜできるのですか?
青山先生
それぞれ原因が異なります。例えば、シミの場合、代表的なものに老人性色素斑がありますが、「紫外線による皮膚障害」と「加齢」が原因と言われています。紫外線によるダメージが蓄積され、それがシミとなって現れるのです。
編集部
肝斑やほくろはなぜできるのですか?
青山先生
肝斑ができる厳密な発症理由はまだ明らかになっていませんが、「女性ホルモンによる影響」「皮膚の過度な摩擦」「ストレス」「肌に合わない化粧品」などが原因と言われています。一方、ほくろには生まれつきのものと、成長するにつれて出現するものがありますが、遺伝や体質、加齢、ホルモンバランスの変化などによってほくろができると考えられています。
編集部
ニキビ跡はなぜできるのですか?
青山先生
ニキビ跡は、ニキビによる炎症が長引いたり、ニキビ治療が適切でなかったりした場合に起こります。
編集部
それぞれ原因が異なるのですね。
青山先生
どれか1つが皮膚に現れるというよりも、シミや肝斑、ほくろなどが複合的に発症する人が多い印象です。そのため、皮膚を綺麗にしようと思ったら、原因に応じたケアを組み合わせておこなう必要があります。
肌トラブルそれぞれの原因に応じて治療法を選択する

編集部
例えば、シミに対して効果が期待できる治療法はなんですか?
青山先生
老人性色素斑の治療においては多くの場合、「レーザー治療」や「光治療(IPL)」が効果的です。さらに、それらの治療後には外用薬や内服薬を用いて、色素沈着の予防が必要です。
編集部
肝斑の治療ついてはいかがでしょうか?
青山先生
肝斑治療はシミ治療の中では最も難しい治療の1つであり、確立した治療法がないため治療を組み合わせます。内服薬や外用薬の治療を最低でも数カ月以上おこなうのが基本ですが、早く結果を出したい場合には、レーザートーニングやピコトーニングなど、微弱な出力のレーザーを均一に当てて色ムラのない美肌を目指す治療をおこないます。また、特殊な電気を皮膚に与えて一時的に穴を開け、美容成分を皮膚深層まで浸透させる「エレクトロポレーション」という治療法をおこなうこともあります。
編集部
ほくろはどうですか?
青山先生
ほくろのサイズや部位から、「炭酸ガスレーザー」と「手術治療」のどちらか適切な方法を選択して切除します。どちらもほくろを切除する治療ですが、炭酸ガスレーザーはレーザーを照射してほくろを切除する治療、一方の手術治療は手術的に摘出して縫合する治療です。
編集部
ニキビ跡はどのようにして治療するのでしょうか?
青山先生
日本では「ダーマペン」「ポテンツァ」「フラクショナルレーザー」などが一般的です。ダーマペンとは、超極細の針で肌表面に微小な穴を開け、肌の自然治癒力を利用して肌を綺麗にする治療法です。ポテンツァもダーマペンと同じく、肌の自然治癒力を利用する治療法ですが、こちらは極細の針だけでなく高周波を組み合わせて使用します。フラクショナルレーザーは、肌の表面にレーザーを点状に照射して、新しい細胞の再生を促す治療法です。しかし、ニキビ跡の種類によってはそれほど高い改善効果を期待できません。そのため当院では、炭酸ガスレーザーとサブシジョンを組み合わせた方法を採用しています。
編集部
サブシジョンとは?
青山先生
皮膚の下にある、固く癒着した組織を水平方向に切り離し、凹みを改善する治療法です。皮膚組織の癒着を解除し、新たな組織の構築を促すことで、ニキビ跡による凹みをふっくらさせることを目指します。
シミ・肝斑・ほくろ・ニキビ跡、一度に全て綺麗にできる?

編集部
シミ・肝斑・ほくろ・ニキビ跡は、一度に綺麗にすることができるのでしょうか?
青山先生
これらの肌トラブルの中で、まず優先するのは肝斑です。なぜなら、肝斑は刺激に対して非常に敏感であり、レーザー治療によって増悪するリスクが高いからです。そこで、まずは肝斑を優先し、その後にほかの治療をおこないます。
編集部
肝斑がある程度、ひと段落して落ち着いたら、そのほかの治療をおこなうのですね。
青山先生
はい。シミ、ほくろ、ニキビ跡の優先順位は特に決まっていないので、肌の状態を見ながら決定します。
編集部
治療をおこなうにあたり、気を付けることはありますか?
青山先生
施術中だけでなく、施術前から肌の状態を整えておき、回復力を高めておくことが必要です。例えば、「紫外線対策をしっかりする」「入念に保湿をする」「摩擦を避ける」といったことに注意しましょう。
編集部
ほかに気をつけることはありますか?
青山先生
シミや肝斑の治療を始める時期は、紫外線が多くない季節がおすすめです。できれば冬に治療を開始するといいでしょう。また、治療によっては通院回数が多くなるものもあります。例えば、肝斑治療では、週に1回トーニング治療をおこなうことで、肌状態を速やかに改善できる場合もあります。ニキビ跡の治療については、長期にわたって通院が必要になるかもしれません。肌の状態によるので一概には言えませんが、肌トラブルを改善して美肌を目指すためには根気が大切です。医師の指示に従って、しっかり治療を継続しましょう。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
青山先生
肌のコンディションは個人差が大きく、お悩みも人それぞれなので、肌の状態に合わせて一人ひとりに適切な治療戦略を講じる必要があります。当院では形成外科と皮膚科の専門医が在籍しており、みなさんの肌の悩みに対応しています。もし肌の悩みがあれば、悪化させないためにも早めに医療機関へ相談してほしいと思います。
編集部まとめ
皮膚のトラブルは様々で、年齢や食生活、体質、遺伝などによっても皮膚の健康レベルや強さは異なります。そのため、万人に効く治療法はありません。治療を受ける場合には、一人ひとりに合わせてきめ細やかに治療を進めてくれる医療機関を選びましょう。
医院情報
所在地 | 〒422-8065 静岡県静岡市駿河区宮本町10番18号 THELABO1階 |
アクセス | JR「静岡駅」 徒歩15分 |
診療科目 | 皮膚科、形成外科 |
電話番号 | 054-204-8723 |