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逆流性食道炎を予防するポイント 「やってはいけないこと」とは?【がん化リスクも】

 公開日:2024/12/15
逆流性食道炎を予防するポイント 「やってはいけないこと」とは?【がん化リスクも】

逆流性食道炎の患者さんが増えてきているのだそうです。この疾患は、予防や早期発見が重要で、進行してしまうとがんに繋がるリスクもあるのです。そこで、逆流性食道炎のリスクを下げるために知っておきたいポイントや日常で気をつけることを、鈴木謙一先生(横浜ベイクォーター内科・消化器内視鏡クリニック 横浜駅院)に聞きました。

鈴木 謙一

監修医師
鈴木 謙一(横浜ベイクォーター内科・消化器内視鏡クリニック 横浜駅院)

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埼玉医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学病院や昭和大学横浜市北部病院消化器センターなどで経験を積み、2024年に横浜ベイクォーター内科・消化器内視鏡クリニック横浜駅院を開院、院長となる。日本消化器病学会認定消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医、日本消化管学会認定胃腸科専門医、日本内科学会認定認定内科医、日本消化器内視鏡学会認定上部消化管内視鏡スクリーニング認定医・大腸内視鏡スクリーニング認定医、日本ヘリコバクター学会認定H.pylori(ピロリ菌)感染症認定医。

逆流性食道炎とはどんな病気? 医師が解説

逆流性食道炎とはどんな病気? 医師が解説

編集部編集部

逆流性食道炎について教えてください。

鈴木 謙一先生鈴木先生

逆流性食道炎とは、胃の中の胃液や胆汁が逆流することで食道に炎症が生じる病気です。「胃酸」という言葉があるとおり、胃液は強い酸性であるため、逆流してくると食道の粘膜がダメージを受けてしまうのです。その結果、胸焼けや喉のつかえ、不快感などの症状が表れます。

編集部編集部

逆流性食道炎になる人は多いのですか?

鈴木 謙一先生鈴木先生

そうですね。日本でも、食の欧米化による高脂質で高カロリーな食事や社会の高齢化に伴い、逆流性食道炎は増加傾向にあり、日本人の15~20%が逆流性食道炎であるといわれています。さらに近年は、ストレス社会の影響もあるのか、高齢者だけでなく中学生や高校生、20代などの若年層でも多く認められるようになっています。

編集部編集部

逆流性食道炎の原因はなんですか?

鈴木 謙一先生鈴木先生

食生活、そしてストレスです。暴飲・暴食や脂肪分の多い食事、スパイスなどの刺激物を多く含む食事は逆流性食道炎の要因となります。過労や寝不足などの身体的ストレス・仕事や人間関係などでの精神的ストレスでも、胃酸の分泌が増えます。

編集部編集部

生活習慣が大事なのですね。

鈴木 謙一先生鈴木先生

ほかに胃酸の分泌が増える原因としては、ピロリ菌の除菌があります。ピロリ菌が胃がんのリスクを上げるということで、ピロリ菌の除菌を行う方が増えてきていますが、ピロリ菌は胃の中で生存するために胃酸を中和しているので、除菌を行うとそれまで中和されていた胃酸が中和されなくなり、結果的に胃酸が増えるという現象が起こってしまうのです。

がんが発生する可能性も 逆流性食道炎の合併症

がんが発生する可能性も 逆流性食道炎の合併症

編集部編集部

逆流性食道炎を放置しておくとどうなりますか?

鈴木 謙一先生鈴木先生

逆流性食道炎が自然に治ることはなく、放置しておくと胸焼けや飲み込みにくさなどで食事が取りにくくなってきます。その結果、胃痛や吐き気、体重減少などが起こります。逆流した胃酸でむせてしまい、不眠になったり、時には喘息になったりするケースも見られます。また、口臭が出てくることもあります。

編集部編集部

さまざまな症状が起こるのですね。

鈴木 謙一先生鈴木先生

それだけではありません。食道に胃酸が逆流し続けることで、食道の粘膜が胃の粘膜に置き換わるという現象が起こります。このようになった部分は「バレット食道」と呼ばれ、ここから食道がん(バレット腺がん)が発生します。

編集部編集部

がんが発生してしまうのですか?

鈴木 謙一先生鈴木先生

そうです。バレット食道から食道がんになる確率は、1年間で約0.5%といわれており、決して高い数値ではありません。しかし、経過が長くなるとそれだけ発生率は上がりますし、またバレット食道の面積が大きくなればなるほど、がんの発生リスクが高くなることもわかっています。

逆流性食道炎になるリスクを減らすには!?

逆流性食道炎になるリスクを減らすには!?

編集部編集部

逆流性食道炎にならないためにはどうしたら良いでしょうか?

鈴木 謙一先生鈴木先生

まずは先ほどお伝えしたように、食生活に気をつけていただきたいと思います。食事内容だけでなく、早食いをしない、食後すぐに横にならない、寝る3時間前までに飲⾷を済ませるといったことにも気をつけていきましょう。

編集部編集部

やってはいけないこと、お勧めしないことはありますか?

鈴木 謙一先生鈴木先生

コルセットやベルトなどでお腹を締め付けたり、腹圧を過度にかける筋力トレーニングなどを繰り返したりすることも、胃液の逆流を招きやすいとされています。また、胃の形状から、右側を下にして寝ると胃液が逆流しやすくなります。ほかには、肥満や喫煙も逆流性食道炎のリスクを高めます。

編集部編集部

色々あるのですね。

鈴木 謙一先生鈴木先生

そうですね。また、予防だけでなく早期発見・早期治療も重要なポイントですので、胸焼けなどが続いている場合は、なるべく早くに消化器内科を受診しましょう。 治療をすることで、症状が緩和し、食道がんなどの合併症を抑えることが期待できます。症状が長期化すればするほど、バレット食道が生じやすくなり、食道がんの発生リスクが上昇します。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

鈴木 謙一先生鈴木先生

逆流性食道炎は自覚症状が乏しいため、少しでも気になる症状があれば胃カメラで検査することが早期発見の近道です。そうすれば、現時点で逆流性食道炎になっているかどうかだけでなく、将来的にがんや逆流性食道炎などになるリスクもわかります。まずはお近くの内視鏡専門医に相談してみてはいかがでしょうか。

編集部まとめ

逆流性食道炎の症状や、がんとの関連について解説していただきました。逆流性食道炎や食道がんのリスクを減らすためには、日々の予防と早期発見が大切です。気をつけるべきところは気をつけて、気になる症状があった場合は先延ばしせずに検査を受けることが早期発見のポイントとのことでした。

医院情報

横浜ベイクォーター内科・消化器内視鏡クリニック 横浜駅院

横浜ベイクォーター内科・消化器内視鏡クリニック 横浜駅院
所在地 〒221-0056 神奈川県横浜市神奈川区金港町1-10 横浜ベイクォーター6F
アクセス 京急本線「横浜」駅より徒歩3分
JR「横浜」駅より徒歩3分
東急東横線「横浜」駅より徒歩3分
相鉄本線「横浜」駅より徒歩3分
診療科目 内科、消化器内科、内視鏡内科、肛門内科

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