【闘病】トリプルネガティブ乳がん 「4cmのシコリ」はマンモグラフィに写らず…(2/2ページ)

いわゆる「普通」の生活に戻り、アートの個展を開催

編集部
現在の体調や生活はどうですか?
breast_cancer_emi34さん
現在は無治療ですが、3ヵ月毎に経過観察で病院に行っています。抗がん剤の副作用で生理が止まっていましたが、今は戻りましたし、手指のしびれは続いていますが生活に支障はありません。髪も伸びたため、普段は自分から言わなければ乳がんサバイバーであることは誰も分からない状態です。告知前のいわゆる「普通」の生活を送っています。先日、京都でアートを通して乳がんの啓発と罹患者の集いの場を提供する個展を開催しました。クラウドファンディングに多くの方がご支援くださり、今後は横浜、福岡でも開催予定です。検診の大切さやセルフチェックのやり方、治療中に必要なウィッグやブラジャーなどの情報交換、交流の場として約150名の方にお越し頂き、皆さまと様々な話ができました。お陰様で生活は大変充実しています。
編集部
医療機関や医療従事者に望むことはありますか?
breast_cancer_emi34さん
治療に関わって下さった皆様には本当に感謝しています。ただ、「何かあったら病院に電話してください」と言われていましたが、特に大学病院は実際に電話してもなかなか繋がらず、とても不便だったのでチャットなど気軽に連絡が取れる手段があるといいなと思います。例えば、指に黒いシミのようなものが出てきたり、お腹辺りに赤いぶつぶつができたり、術後の体液の状態など副作用なのか、知らせた方がいいのか、わざわざ診察に行くほどでもないけど、気になる症状が発症することがあります。治療は全て初めてのことばかりで慣れるまでは敏感なので、そういうちょっとしたことを手軽に連絡できる手段があれば安心できるのにな、と思います。
編集部
最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。
breast_cancer_emi34さん
「足るを知る者は富む」。治療中に目に留まり心に刻まれた言葉です。健康であることがどれほど有り難いことなのか。当たり前のことが当たり前じゃなくなった時に改めて「有り難さ」に気づきました。あれもこれもと求めるばかりでは一生満足できません。ちょっと立ち止まって今の状況の有り難さに感謝し、自分が本当に好きなこと、愛と命の時間を注ぐ相手を考えることも大切だと身を持って学びました。だからこそ、仕事で忙しいからと検診を後回しにするのではなく、自分の身体を第一優先に行動してほしいと思います。深呼吸して空を見上げる時間も忘れないでほしいですね。それから、保険はがん診断給付金(一時金)のある保険をオススメします。私はこの一時金のおかげで心の余裕ができ、闘病中もお金の心配をせずに旅行や趣味を楽しみながら治療を前向きに受けることができました。最後に、この記事を読みながら「私は大丈夫」と思ったあなたにこそ、今月中に検診を受けてほしいと思います。
編集部まとめ
検査方法によって、腫瘍が見えたり見えなかったりしたという体験をされたbreast_cancer_emi34さんが「必ず両方セットで受けて」と主張する心情はよく理解できるところです。一方で、記事監修の寺田先生によれば、それによるデメリットもあるそうで、『必ず両方セット』が良いとは言えないそうです。メリット・デメリットを考慮した上での判断が必要になるのだと思います。また、「毎年検査をしていたら…」という言葉もありましたが、お仕事などで検診を後回しにしてしまっている人や「自分は大丈夫」と思っている人はまず、近くのクリニックを調べることから初めてみてはいかがでしょうか。
なお、Medical DOCでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。






