【闘病】血小板が正常値の5%以下…「特発性血小板減少性紫斑病」で気づいた健康な体の尊さ(2/2ページ)

「子どもに弱い姿を見せたくない」脾臓摘出を決意

編集部
治療を始めてから現在までの状況を教えてください。
グッチさん
私の場合、3カ月の入院とステロイド治療によって筋力が低下してしまったので、リハビリテーション科での運動をしましたが、血小板が正常値を維持することはありませんでした。退院して5カ月間も自宅療養とステロイド治療は続いていました。「特発性血小板減少性紫斑病」は、脾臓による古い血液成分を処理する機能がより高まって起こるものです。脾臓を取るとこで改善に繋がる可能性があると主治医から聞いた時、「脾臓摘出」を迷わず決断しました。子どもに薬を飲み続ける姿を見せるぐらいなら、という思いが強かったのです。
編集部
そうなのですね。手術後はいかがでしたか?
グッチさん
骨髄穿刺をも上回る人生一の術後の痛みを耐えた5日後には、リハビリで自転車をこぐほど回復していました。血小板も正常値を常に維持するようになり、ステロイドの服用がなくなり、不眠症やムーンフェイスからも解放されました。脾臓摘出から5年が経ちましたが、今は異常なく過ごしています。お世話になったソーシャルワーカーさんには今でもたまに連絡をし、当時の気持ちを伝えることができています。
編集部
特発性血小板減少性紫斑病を意識していない人に一言お願いします。
グッチさん
この病気は小さな子どもも罹患する病気です。自分もこの長くて最初は覚えられなかった病名も今では息を吐くように言えます。子どもに突然アザができても、どこかで走り回った時に転んだのだろうなどと軽く考えず、少しでも注意してもらうと早期発見に繋がるかもしれません。
編集部
医療従事者に望むことはありますか?
グッチさん
今回「血液内科」という血液に特化した科があることを初めて知りました。入院や通院を経て、それぞれの病気に寄り添い、どんな病気になっても安心できる科があることに驚きました。これからもそれぞれの病気に向き合う患者の癒しになっていただきたいと思います。医療従事者の方には大変お世話になりましたが、その中でも一番患者に寄り添って、親身になってくれるのがソーシャルワーカーさんでした。担当の先生や看護師さんは忙しそうで何かと遠慮してしまいますが、ソーシャルワーカーさんは相談や支援を専門とされているので本当に助かりました。
編集部
最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。
グッチさん
まず自分がなった病気はみなさんもインターネットで調べると思います。今の時代は本当に便利です。どの病気にもコミュニティが存在し、同じ症状や悩みを抱えた人とすぐに繋がり、体験を聞くことができます。以前こちらのサイトで同じ病気の記事を書かれたAkiさん(仮称)とも、コミュニティを通して縁があり、今回このような記事で病気について語る機会を得ました。情報の取捨選択は重要ですが、病気になったからとあきらめず、いろんな情報やつながりを大切にしてもらえると嬉しいです。
編集部まとめ
31歳で「特発性血小板減少性紫斑病」になるまで、病気とは無縁だったグッチさん。闘病を通して、「人それぞれどんな病気やけがを負うかわかりません。そんな時は一人で抱えこまず、周りの人に甘えてください。病気を治す1番の処方は人の支えだと思いました」と話されていました。「特発性血小板減少性紫斑病」は小さな子どもでもなる病気です。グッチさんの話を聞いて、保護者はもちろん、子どもに関わる人たちも「特発性血小板減少性紫斑病」についての知識を深めることが大切だと感じました。
なお、Medical DOCでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。







