医療痩身「EMS」の効果や仕組みを医師が徹底解説 エステ・家庭用との違いは?

小池先生

EMSはElectrical Muscle Stimulation（電気筋肉刺激）の略語で、筋肉を刺激して収縮させることや、そのための機器のことを指します。

小池先生

そうですね。通常、筋肉は大脳から送られる電気刺激によって収縮します。その一方で、医療EMSを使用すると、電気刺激が筋肉の神経を直接刺激し、筋肉が収縮するように促します。そうすることで運動時のように筋肉が強化されるのです。

小池先生

通常の運動の場合、疲労が蓄積すると運動意識が低下して、体を動かすことができなくなります。一方、EMSでは運動したい筋肉に電極を装着して電流を流し、筋肉に直接電気刺激を与えて筋肉強化やエネルギー消費をおこないます。本来の運動より疲労が少なく、連続して大きな運動をすることが可能です。

小池先生

そうですね。筋肉量が増えることによって基礎代謝が上がり脂肪燃焼効果も高まるため、痩せやすい体質を手に入れることができます。また、程よい筋肉がつくことでボディラインがスッキリするので、体型にも変化が現れるでしょう。さらに、EMSによって血行が促進されると、腰痛や肩こりの予防効果もあります。

小池先生

わかりました。まずは本来の「筋力アップ」の効果があります。EMSは体内に高周波の電気を通すことで、筋収縮を引き起こし筋力増強のサポートをするので、激しい運動をしなくてもトレーニングすることができます。また、EMSでは狙った部分を集中的に動かせるため、気になる部位を効果的に引き締めることができます。

小池先生

肥大化した脂肪細胞である「セルライトの除去」も期待できます。セルライトは血液やリンパの流れが悪くなり、脂肪細胞に老廃物が蓄積することで生じます。EMSの電気刺激にはマッサージ効果・代謝促進効果もあるため、血流やリンパの流れを良くして老廃物を排出し、セルライト除去を促します。

小池先生

EMSの効果で基礎代謝が上がると、施術後も痩せた状態を維持しやすくなります。基礎代謝が向上すると、普通の生活動作をしていても脂肪燃焼が促されるため、自然と痩せやすい体質になるのです。また、EMSで筋肉量が増えると体幹が安定するので、姿勢改善などボディメイク効果も期待できます。

小池先生

そうですね。顔には目や口、鼻などを動かして表情を作る「表情筋」と呼ばれる筋肉があります。表情筋にEMSをおこなうと、むくみ取り効果やリフトアップ効果、ほうれい線を薄くする効果などが期待できます。

小池先生

はい、主に周波数や出力が異なり「家庭用＜エステ用＜医療用」の順で数値が高くなります。医療EMSは周波数が高いほど体の奥深くまで通電できるため、医療用EMSの場合はインナーマッスルの筋肉増強が期待できます。さらに、医療機関でおこなうEMSは、指導を受けた医師やスタッフのみが取り扱えます。筋肉の場所や走行を理解した上で施術をおこなうので、より痩身効果を実感できるでしょう。

小池先生

例えば当院の場合、まずはカウンセリングをおこない、悩みや気になる部位を伺います。さらに、医療用の体組成計を使用して脂肪や筋肉量、基礎代謝などを医学的に測定・分析して現状を把握します。加えて、医療ダイエット専門チームが患者さんの体の状況を医学的に分析した上で、機器での施術をおこないます。

小池先生

ペースメーカーなどの体内埋込型医療機器や電子機器を使用している人、妊娠中の女性、ステロイド系ホルモン剤を長期使用している人などはできません。また、これらに該当しなくても、通院中や体調の良くない人は、施術前に必ず医師に相談してください。

小池先生

医療EMSは、本来の運動よりも疲労が少なく、連続して大きな運動効果が得られます。ただ、EMSと言っても家庭用やエステ用、医療用などの種類があります。特に医療EMSの中でも医療承認を取っている機器を使っている医療機関であれば信頼できると思います。皮下脂肪だけでなく、内臓脂肪にもアプローチできる機器なので、安全かつ高い効果が得られます。自己流のダイエットで結果が出ずに悩んでいる人は、医療ダイエット専門クリニックに相談することをおすすめします。