「医療痩身」の基礎知識と施術を受ける前に知っておきたい注意点を医師が解説!
安全かつ高い効果が期待できるとして人気のある「医療痩身」。その一方、興味はあっても、実際にどのような施術がおこなわれるのかを知らない人も多いのではないでしょうか。今回は、医療痩身の基礎知識と後悔しないためにあらかじめ知っておきたい注意点について、「吉祥寺アイビークリニック」の升本先生に教えていただきました。
監修医師:
升本 浩紀(吉祥寺アイビークリニック)
医療痩身とは? エステとの違いは?
編集部
医療痩身とはなんですか?
升本先生
簡単に言えば、医療痩身とは医学的な根拠に基づいて痩身を目指す治療のことを指します。「自己流のダイエットではなかなか効果が出ない人」や「部分痩せをしたい人」などに適しているとされています。
編集部
エステなどでおこなう痩身とどう違うのですか?
升本先生
一番大きく違うのは、「医学的根拠に基づいているかどうか」という点です。医学的根拠に基づいているということは、より高い効果が期待できると言い換えられます。そのため、エステでおこなう痩身と比べて、医療痩身の方が期待した効果を得やすいという特徴があります。また、エステではエステティシャンが施術しますが、医療痩身では医師の指示の下、施術がおこなわれるといった違いもあります。
編集部
具体的なメニューも、エステと医療痩身では異なるのですか?
升本先生
はい。エステの場合にはマッサージやエステマシンなどを使った施術をおこないますが、医療痩身では注射、内服治療、手術、医療機器など、医療をベースにした幅広い施術がおこなわれます。これらの施術の中から医師や看護師などの医療従事者が適切な方針をアドバイス・判断させていただきます。
医療痩身の種類は主に「注射」「薬・サプリメント」「機器」「手術」
編集部
医療痩身では、具体的にどのようなメニューがあるのですか?
升本先生
医療機関によって詳細は異なりますが、一般的には「注射」「薬・サプリメント」「機器」「手術」の4種類があります。注射による医療痩身では、脂肪を溶解したり、セルライトを破壊したりする注射を使用します。注射を打つだけなので体の負担が比較的少なく、溶解した脂肪や老廃物の排出を促す効果も期待できます。
編集部
薬やサプリメントはどのようなものを使うのですか?
升本先生
食欲を抑えたり、糖の吸収を抑制したり、血液に含まれる糖を尿とともに排出したりする薬やサプリメントを処方します。これらの薬やサプリメントは、適切に使えば医学的に効果が認められています。同じ成分でも、ライフスタイルなどに応じて飲み薬と注射のどちらかを選択できます。
編集部
機器による医療痩身についても教えてください。
升本先生
EMSを使って筋肉を強化したり、脂肪を冷却して破壊したりする医療機器を使用します。これらの機器を使うことにより、下腹部や二の腕、腰回りなどの気になる部分の脂肪を集中的に減らす効果が期待できます。
編集部
最後に手術とは、どのようなものですか?
升本先生
医療痩身で一般的な手術と言えば、脂肪を物理的に除去する「脂肪吸引」です。脂肪細胞そのものを除去することができるので、従来のダイエットでは難しいと言われていた部分痩せを目指すことができます。
編集部
メニューによって、それぞれメリットとデメリットがあるのですか?
升本先生
そうですね。例えば、飲み薬や注射は効果が表れるまでに一定の時間が必要ですし、手術にはダウンタイムがあります。また、機器を使った医療痩身はほかの方法と比べて高額になりがちです。こうしたデメリットもきちんと把握したうえで、どのメニューをおこなうか検討する必要があります。
医療痩身を受ける前に知っておきたい注意点をご紹介
編集部
医療痩身を受けるうえで、気をつけるべき点はなんですか?
升本先生
まず大事なのが、患者さんの期待と現実的に得られる効果をすり合わせることです。医療痩身は高い効果が期待できるとはいえ、患者さんの希望によっては実現が難しい場合もあります。医療痩身をおこなう前には必ずカウンセリングがありますから、その場でご自分の希望と現実的に得られる効果をしっかりすり合わせて、納得してから治療を始めましょう。
編集部
ほかに気をつけるべき点は?
升本先生
カウンセリング時に、金額やコース内容を確認しましょう。1回で効果が得られる治療と複数回おこなうことで目に見えて効果が表れる治療があるので、気をつけていただきたいです。また、効果には個人差もありますから、ご自分に適したメニューを選ぶことが大切です。加えて、トラブルを避けるためにも、何がコースに含まれているか、オプションで追加料金が発生しないかなども確認しておきましょう。
編集部
どのメニューを選ぶかによって効果や金額なども変わるので、非常に重要ですね。
升本先生
はい。メニューを選ぶ際には、あらかじめ自分のスタンスを決めておくことも大切です。例えば「ダウンタイムがあってもいいから、1回で効果を得たいのか」、あるいは「複数回治療を受けてもいいから、ダウンタイムを避けたいのか」など、ご自身の希望を明確にしておきましょう。
編集部
事前カウンセリングでしっかり説明を受けることが大切ですね。
升本先生
カウンセリングはとても大切です。とくに、脂肪吸引のような治療は施術者の技量が求められます。そのような治療を希望する場合には、複数の医療機関を訪ねて比較するのもいいでしょう。反対に、薬やサプリメントを使用した医療痩身であれば、どの医療機関でも処方するものにそれほど差異はないので、価格や利便性で医療機関を選ぶのがおすすめです。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
升本先生
ダイエットに失敗すると、どうしても気分が落ち込んでしまいますし、日常的にネガティブなマインドが染みついてしまうこともあるでしょう。医療痩身は自分の力ではどうしても痩せられないという人や、部分的に痩せたいという人にこそ、おすすめの方法です。本気でダイエットを目指す人や、自己流のダイエットで失敗を繰り返している人は、ぜひ医療痩身を検討してみてください。
編集部まとめ
医学的な根拠をベースに、安全に痩せられる医療痩身。しかし最近では、金額などのトラブルが多発しているというマイナスな側面もあります。これから医療痩身を受けようと考えている場合は、しっかりとメニューのメリット・デメリットなどを理解して、ご自身で納得してから始めるようにしましょう。
医院情報
所在地 | 〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-2-2 ルルビル 3F |
アクセス | JR「吉祥寺駅」 徒歩3分 |
診療科目 | 美容外科、美容皮膚科 |