“糖尿病にならない体”を半年間トレーニングで目指す~糖尿病予備軍の70代男性が決意した未来~
Medical DOCでは、長い人生を健康に楽しむため、都内のパーソナルジム「T-Fitness」とコラボ企画を始めました!今回は「糖尿病予備軍の可能性あり」と医師から指摘されたことのある岡田さん(74歳)を取材しました。約半年間にわたり、岡田さんの変化をレポートします!(年齢は取材当時)
※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2023年7月取材。
体験者プロフィール:
岡田さん
都内在住の74歳。妻と二人暮らし。趣味スキーやゴルフ、ピアノなど。
手指の痛みがあり「リウマチ」と診断されているのと「糖尿病予備軍かも」と言われたことがある。
記事監修医師:
中川 悠樹
※先生は記事を監修した医師であり、体験者の担当医ではありません。
エムスリー株式会社 Patient Support 事業本部アドバイザー。
2009年、京都大学部医学部医学科卒業後、京都大学医学部附属病院、田附興風会北野病院、三井記念病院、横浜労災病院にて、外科医師・救急科医師として勤務した後、現職。
ほかにも株式会社VITAARS CEO補佐、細谷透析クリニック 非常勤医師、ふじの町クリニック・健診センター 非常勤医師を兼任。
2022年1月にAYA(任意団体)を設立、2023年6月に法人化(特定非営利活動法人AYA設立)し、病気や障がいのある子ども達の世界を広げることをミッションに活動を行っている。救急科専門医・外科専門医・JSPO公認スポーツドクター・医師会認定産業医・旅行医学会認定医。
トレーナー:
笹森 大生(T-Fitnessトレーナー)
T-Fitnessジム事業責任者・トップパーソナルトレーナー・NSCA-CPT(全米ストレングス&コンディショニング協会認定パーソナルトレーナー)・Animal Flow®︎ Lv.1インストラクター
大手フィットネスジムにて実績を積み2023年よりT-Fitnessジム事業責任者へ就任。
事前インタビュー
編集部
このプロジェクトに参加しようと思ったきっかけを教えてください。
岡田さん
以前、医師から「このままだと糖尿病になるよ」と言われたことがあり、運動の必要性を感じていたので参加しました。
編集部
現在は週にどのくらい運動していますか?
岡田さん
定期的な運動習慣はありません。夏はゴルフ、冬はスキーに行くくらいですね。
編集部
現在の食事習慣について教えてください。
岡田さん
朝はバナナとヨーグルト、トマトジュースに黒酢といったメニューです。
昼は仕事をしていることもあり、コンビニで買ったものが多くなってしまいます。今日はパスタと、ささみを揚げたものを買いました。
夕食は基本的に妻が作ってくれています。妻の母が塩分制限などを受けていることもあり、とても薄味です。妻がいない時は、市販の焼きそばにカット野菜を加えて炒めるくらいの簡単なもので済ませてしまいます。お酒も毎日飲みますね。
編集部
現在ご自身の健康で、不調に感じるときがありましたら教えてください。
岡田さん
体力が落ちてきていると感じます。疲れている時は、喋るのも食べるのも面倒に感じます。
あとは、トイレが近くなったと思います。ここ2~3年は眠っていても尿意で起きてしまいます。
編集部
健康診断はどのくらいの頻度で受けていますか?
岡田さん
リウマチで通院しているので、血液検査は2ヵ月に1回受けています。
あとは、区の健康診断を定期的に受けていますね。
編集部
半年後の自分に期待していることを教えてください。
岡田さん
体力をつけたいのと「このままだと糖尿病になるかも…。」という不安をなくしたいです。
毎年、息子や孫たちとスキー旅行に行っているのですが、転んで起き上がれなかった時に息子から「もう連れて行ってあげないよ」と言われてしまったので、どうにか体力をつけて、またみんなでスキーに行きたいです!
M3PSPについて
こちらのサービスについて、笹森トレーナーにお話を伺いました。
編集部
M3PSPとはどんなサービスですか?
笹森さん
「AskDoctors」は、スマートフォンやパソコンから24時間365日、医師に相談ができ、最短5分で回答が得られる医療相談サービスです。
「看護師相談」は、ペイシェントサポーターと呼ばれる専門的知識をもった看護師・保健師・助産師が、相談者の健康上の不安や悩みを丁寧に伺い、解決をサポートします。
「マルチオピニオン」は、がん治療や大きな手術などの前に、専任のペイシェントサポーターと専門医が治療方針や手術内容を確認し、複数の意見を短期間で収集することで患者さんの適切な医療選択を支援します。
そして「ベストドクターセレクション」は、患者さんが居住する地域で、専門医が勧める医師・医療機関を紹介するサービスです。
自分の体に何かあった時に、インターネットなどの情報のみでベストな医療を選択することはかなり困難だと思います。
私自身も緑内障にかかった時に、最適で正しい治療を受けられたのはM3PSPのおかげでした。
編集部
M3PSPは、パーソナルジム「T-Fitness」と提携しているそうですね。
笹森さん
はい。M3PSPは、これまでは企業が契約しないと利用できないという条件だったため、一般の方でも使いたいという要望が寄せられてきました。
そのような流れを受け、企業限定サービスだったM3PSPが一般の方にも利用できるようになり、注目を集めています。
編集部
M3PSPがT-Fitnessで利用できると 、どんなメリットがありますか?
笹森さん
フィットネスジムやパーソナルジムなどの事業者は、運動やトレーニングを通じて「健康」を提供するためにサービスを展開しています。
しかし、どうしても医療に頼らなければいけなくなった時に、正しい医療機関や医師と連携できているか、その方にあった医療機関への紹介ができているのか、我々も確信が持てませんでした。
現在は「T-Fitness」に入会すると、自動的にM3PSPサービスも受けられるようになったので非常に良いと思います。ぜひご活用していただきたいですね。
編集部
以前、指の症状で悩んだことがあると伺いました。
岡田さん
はい。趣味でゴルフやピアノをやっているのですが「指が痛い」と感じることがありました。インターネットで病院を探して受診したのですが、漫然とステロイドを処方されるだけで効果も感じられず、ちょっと医療不信になってしまいました。
編集部
そこでM3PSPを活用されたのですか?
岡田さん
はい。息子からM3PSPを教えてもらい利用しました。数ある病院の中から私の症状にあったところをすぐに紹介してくれて、そちらに改めて相談したところ、とても信頼できる先生で指の症状も徐々に良くなってきました。
編集部
それはすごいですね。症状が改善してきて良かったです!
EBHSについて
「EBHS Life(エビスライフ;以下、「EBHS」と呼びます)」とは、「科学的エビデンスに基づいたヘルススコア(Evidence Based Health Score Life :EBHS Life)」のことです。
医師の中川悠樹先生に簡単に解説していただきます。
編集部
EBHSとは何ですか?
中川先生
EBHSとは、日本人の健康状態と平均余命の関係に注目し、個人の健康状態を包括的にスコア化した新たな標準健康指標です。
複数の検査数値を持つ健康診断データや、ゆらぎの多い生活習慣のデータを、AIを用いて誰でも理解できる単一の数値にしました。
編集部
どのように測定するのですか?
中川先生
健康診断の結果および生活習慣等のアンケートのデータを元に、EBHSアルゴリズムを搭載したAIが、受験者の将来的な疾病リスクや余命を予測します。
EBHSアルゴリズムの構築に使われたのは、約5万人分の健康診断/生活習慣データや、3千件以上の寿命予測に関する論文レビューなど、エビデンスの高いデータです。
日本人平均のEBHSを100とし、平均よりも健康状態が良いとEBHSも高く算出され、健康状態が悪いとEBHSも低く算出されます。
編集部
岡田さんの結果はどうだったのでしょうか?
中川先生
平均値100のところ岡田さんのEBHSは114.9と、平均よりかなり高い(EBHS +14.9)結果でした。
編集部
EBHSの結果はどうでしたか?
岡田さん
「あなたの寿命」が約89才と出ました。私の実父が89才、母方祖父が92才で他界したので、この結果はかなり近いのではないかと思います。
編集部
半年後に再測定する予定ですが、どのくらいの数値を目標にしますか?
岡田さん
数値はこのままを維持して、足腰回りの筋肉を柔軟にしたいですね。
編集部
岡田さんのEBHSスコアはどうですか?
中川先生
純粋な健康診断結果だけを見ると、岡田さんはいわゆる「ひっかかる」数値が多いのですが、同年代の他の方と比較した際に良い数値となっているため、EBHSが高く表示されました。
編集部
では、具体的な改善プランを教えてください。
中川先生
飲酒習慣については、1回の量は適正ですが毎日飲むのは考えものですね。休肝日を設けましょう。
また、HbA1c(※)がやや高いため、糖質の取りすぎに気を付けることをお勧めします。それでも高いようでしたらかかりつけの病院で一度相談してみると良いかもしれません。
※HbA1c:赤血球中のヘモグロビンのうち、どれくらいの割合が糖と結合しているかを示す値。直近1〜2ヶ月の血糖値の平均が反映され、この間の血糖値が高い人はHbA1c値も高くなる
編集部
今回の岡田さんのEBHSはいかがですか?
笹森さん
素晴らしいの一言ですね!
奥様が毎食、野菜やおかずなどをバランスよく作られているということでしたので、その貢献も大きいはずです。
「運動して体力をつけたい」「糖尿病予備軍をなんとかしたい」というのが、企画参加の理由でしたが、今の食事内容を継続しつつ、運動習慣を身につけていけば、EBHSスコアだけでは測れない「健康寿命」もどんどん伸びていくのではないでしょうか。
編集後記
今回は、パーソナルジム「T-Fitness」でトレーニングを開始する前の状態をお伝えしました。
次回は、実際のトレーニングメニューや、具体的な食事指導などをレポートします!
この冬、岡田さんはスキー旅行に行けるのでしょうか?どうぞご期待ください!