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お肉の代替品・大豆ミートの栄養素や健康効果は? 種類や調理方法について【管理栄養士が解説】

 公開日:2023/11/14
大豆ミートの栄養素や健康効果とは メリット・デメリットを管理栄養士が解説

「大豆ミート」は大豆由来のヘルシーな代替肉として注目されており、レストランやコンビニ商品などで食べたことがある人も多いのではないでしょうか。ただ、健康に良さそうだけど何が良いのか分からないとの声も聞かれます。そこで大豆ミートの栄養素や健康効果、種類、調理法について管理栄養士の田辺さんにお聞きします。

田辺さゆり

監修管理栄養士
田辺さゆり(管理栄養士)

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医療機関にて9年間栄養管理や栄養食事指導を担う。その後特定保健指導にも従事し生活習慣病予防にたずさわる。栄養情報に関する執筆を行う。

大豆ミートとは? 豊富に含まれる栄養素・特徴を解説

大豆ミートとは? 豊富に含まれる栄養素・特徴を解説

編集部編集部

そもそも大豆ミートとはなんですか?

田辺 さゆり先生田辺さん

大豆を主原料に、ミンチやスライス、ブロックなど肉のように加工したものを大豆ミートといいます。大豆ミート食品については日本農林規格で規定があり、必須アミノ酸のバランスをあらわすアミノ酸スコアが100であること、動物性の原料を使用しないこと、大豆たんぱく質含有量が10%以上であることなどが示されています。

編集部編集部

大豆ミートの良いところはなんですか?

田辺 さゆり先生田辺さん

大豆ミートはアレルギーなどを理由にお肉が食べられない方や、お肉料理は食べたいけどカロリーを抑えたい方も安心して食べていただける食材です。さまざまな制限が必要な方も大豆ミートを取り入れれば、日々の食事のバリエーションを増やすことができて食事の楽しみが広がります。また「畑のお肉」ともいわれる大豆は、今後予測される世界の人口増加や食糧不足への対応として、有効なたんぱく質源であると期待されています。

編集部編集部

大豆ミートに多く含まれる栄養素にはどのようなものがありますか?

田辺 さゆり先生田辺さん

大豆ミートの栄養的な特徴は、高たんぱく質、低脂質で食物繊維が豊富なことです。また、大豆が原料であるため女性に嬉しい大豆イソフラボンも豊富に含まれます。ほかには、大豆由来のミネラルやビタミン、オリゴ糖なども含んでいて、栄養満点な食材です。

大豆ミートが健康に与えるメリット・デメリット どのような健康効果が考えられる?

大豆ミートが健康に与えるメリット・デメリット どのような健康効果が考えられる?

編集部編集部

大豆ミートの健康効果はどんなものがありますか?

田辺 さゆり先生田辺さん

お肉料理を大豆ミートに置き替えることで、大豆の健康効果を得ることができます。例えば、お肉は脂質(飽和脂肪酸)や摂取カロリーが多くなり、血中脂質を増加させるなどのデメリットがあります。そこで低脂質な大豆ミートに置き替えることで、脂質やカロリーの摂りすぎによる疾患を予防できます。

編集部編集部

ほかの大豆製品と比べて大豆ミートのメリットは何でしょうか?

田辺 さゆり先生田辺さん

一番のメリットはたんぱく質を効率よく摂れることです。たんぱく質は筋肉や皮膚など身体の組織の材料として必須な栄養素ですので、毎日積極的に摂りたい栄養素です。大豆ミートは加工によってたんぱく質含有率が高まっているため、同じ大豆製品である豆腐などより効率良くたんぱく質を摂ることができます。また、大豆たんぱく質にはLDLコレステロール減少効果もあり、血中脂質の数値が気になる方にも適しています。ほかには、大豆イソフラボンによる美容効果や、食物繊維による食事の満足度アップ・お通じ改善も期待できます。

編集部編集部

大豆ミートのデメリットはありますか?

田辺 さゆり先生田辺さん

食事のたんぱく質源を大豆ミートばかりにするといった、極端な摂り方をするとデメリットが生じてしまいます。例えば、大豆ミートの原料である大豆はビタミンA、ビタミンC、ビタミンKなど一部の栄養素をほぼ含んでいません。大豆ミートばかり食べることでこれらのビタミンは不足してしまい、免疫や代謝の低下にもつながります。必ず、大豆ミート以外にもいろんな食材を食べるようにしましょう。また、大豆イソフラボンの過剰摂取のリスクも考慮する必要があります。大豆イソフラボンは女性ホルモン(エストロゲン)に似た構造を持ち、「エストロゲン作用」を有します。過剰に大豆イソフラボンを摂取することで乳がん発症や再発のリスクも報告されており、まだまだ不明瞭な部分もありますので、極端に食べすぎないよう注意しましょう。

管理栄養士おすすめの大豆ミートの使い方を紹介 使用時の注意点も併せて解説

管理栄養士おすすめの大豆ミートの使い方を紹介 使用時の注意点も併せて解説

編集部編集部

大豆ミートにはどんな種類がありますか?

田辺 さゆり先生田辺さん

保存状態によって乾燥、冷凍、レトルトなどのタイプあります。乾燥タイプの大豆ミートは湯戻しなど下処理して使います。ちなみに乾燥タイプの場合、豆臭さが気になるという人もいますが、下処理をしっかり行えば美味しく食べられて、保存期間も長く価格を抑えられます。また、冷凍やレトルトタイプのものは、下処理が不要ですので手軽に使えて便利というメリットがあります。形状別では、ミンチ、フィレ、ブロックなどがあり、料理によって使い分けが可能です。また調味済みレトルト食品には、ハムやハンバーグ、ウィンナーなど各社からさまざまな商品が販売されています。

編集部編集部

乾燥タイプの下処理について教えてください。

田辺 さゆり先生田辺さん

まず、大豆ミートをたっぷりのお湯で戻したら水に浸けて冷まし、しばらく経ったらよく絞ります。豆臭さが気になる場合は「お湯を入れて、しばらくしたらよく絞る」を2~3回繰り返してみてください。

編集部編集部

おすすめの調理法はありますか?

田辺 さゆり先生田辺さん

大豆ミートは大豆特有の匂いがあるため、カレー粉やスパイス、にんにく、ショウガなど薬味の風味を活かした調理がおすすめです。食感が気になる場合は、表面に片栗粉などをまぶして油で揚げたり、少量の油でカリっと焼いたりすることで食感良く仕上げることができます。あえてほどよく焦がせば香ばしい風味も増して、食べやすくなるでしょう。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

田辺 さゆり先生田辺さん

大豆ミートはたんぱく質豊富で、脂質の多いお肉に比べて低脂質・低カロリーな食材です。また、大豆由来の健康・美容成分が摂れる点も嬉しいポイントですので、ぜひ日々の食生活に取り入れてみてください。

編集部まとめ

大豆ミートは高たんぱく質・低脂質な食品でカロリー摂取量が抑えられるほか、大豆由来の健康・美容効果も期待できることがわかりました。健康面で食事内容を改善したい方や、脂質・エネルギー摂取量を抑えたい方は、お肉を大豆ミートに置き換えて、日々の食生活に取り入れてみましょう。

この記事の監修管理栄養士