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【闘病】20代で14回移植「こんなに不妊治療が長引くとは…」しかし得たものも多かった4年間(1/2ページ)

 更新日:2025/08/12
20代で14回の移植。「これほど不妊治療が長引くとは思わなかった」得るものも多かった4年間の不妊治療(仮)

自分自身も体外受精で生まれたということもあり、昔から「遺伝的に不妊症ではないか」と疑っていた今井さん(仮称)。23歳で結婚したもののタイミング法で半年妊娠できず、不妊検査をしても原因不明。しかしその後、努力の末あって女児を出産、現在は双子を妊娠中です。20代で不妊治療に苦労した今井さんに今振り返って思うことを語っていただきました。

※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2023年5月取材。

今井さん

体験者プロフィール
今井さん(仮称)

プロフィールをもっと見る

中部地方の田舎在住、1993年生まれ保育士。夫と8回目の移植で出産できた娘との3人暮らし。1人目の時同様、原因不明不妊で合計14回の移植を繰り返し、現在DDツインを妊娠中。

浅野 智子

記事監修医師
浅野 智子(医師)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。

「遺伝的にできにくい体質かも……」との思いから20代で体外受精を開始

「遺伝的にできにくい体質かも……」との思いから20代で体外受精を開始

編集部編集部

まず、不妊症が発覚したときの経緯について教えてください。

今井さん今井さん

じつは私自身も体外受精で生まれたということがあって、「遺伝的に、私も子どもができにくい体質なのではないか」と、以前からなんとなく考えていました。23歳で結婚して、半年くらいはタイミング法で妊活をしたのですが、結局ダメ。その後、近くの婦人科で「不妊治療をしたい」と申し出ました。

編集部編集部

そして、すぐに治療を開始したのですか?

今井さん今井さん

いいえ。そこはいわゆる町医者でしたし、私がまだ23歳と若かったこともあって、治療を勧められることはなく、血液検査をしただけでした。でも旦那が15歳年上で、私自身、早く子どもがほしかったこともあって、きちんと治療をしてくれる不妊治療専門のクリニックへの転院を決意しました。

編集部編集部

転院先のクリニックの印象はいかがでしたか?

今井さん今井さん

そのクリニックは「人工授精では意味がない、すぐに体外受精の準備を始めるべき」という方針でした。私も同じ考えだったので、すぐに体外受精に向けて治療を開始しました。

編集部編集部

ご主人は不妊治療に対して、どのようなことを思っていたのでしょうか?

今井さん今井さん

私が色々な情報を見つけてきて夫に説明をして、理解を得る形で治療を進めました。旦那の年齢のこともあり、「治療をするなら早い方がいい」という考えは一致していたので、協力して進めることができました。

8回の移植を経てようやく第一子妊娠。やっとスタートラインに立てた

8回の移植を経てようやく第一子妊娠。やっとスタートラインに立てた

編集部編集部

不妊治療専門のクリニックでは、どのような治療を受けたのですか?

今井さん今井さん

結論から言うと、そこで6回移植をおこないましたが、結果は実らず。加えて、そのクリニックには「体外受精を1回おこなうごとに1カ月休まなければならない」というルールがあり、結局1年近くかけても妊娠することができませんでした。

編集部編集部

その後はどうしたのですか?

今井さん今井さん

「このままここで治療を続けても意味がない」と思って、凍結卵がなくなったタイミングで再度転院することを決めました。転院先に選んだのは、着床の検査や不育検査をしっかりやってくれて、二段階移植もやってくれるクリニック。ただ、自宅の近辺にはそうしたクリニックがなく、やっと見つけたのは自宅から通院に3時間半かかるところでした。「果たして、本当に通えるのだろうか……」と悩みましたが、思い切って転院しました。

編集部編集部

3時間半ですか! かなり遠いですね。

今井さん今井さん

そうですね。朝から採卵をするとなると早朝にクリニックに入らなければなりません。結局、通院のたびにクリニックの近くに宿泊しなければなりませんでした。でも、今振り返ってみれば、通院は私にとっての息抜きだったと思います。通院のたびに、その土地の美味しいご飯を食べたり、散策したりと、まるで旅行をしているようで、いい気分転換になりました。

編集部編集部

そこでの治療はいかがでしたか?

今井さん今井さん

2回移植をして、無事に妊娠しました。そのとき「これでやっとスタートラインに立てた」とホッとしました。妊娠することはできたけれど、産むまでは何があるかわかりません。実際、妊娠がわかってすぐにつわりと切迫流産で入院することになりました。旦那に妊娠したことを伝えたときはとても喜んでくれましたが、「まだ油断はできない」と親族にも妊娠をすぐに打ち明けませんでした。

編集部編集部

不妊治療中、お仕事はしていたのですか?

今井さん今井さん

はい。子どもが好きだったので、当時は保育士の仕事をしていました。病院での治療と仕事を両立できるか不安もありましたが、当時はコロナ禍だったこともあり、保育士や子どもの数を制限していたんです。治療のために有給や半休を取ることは、思ったより難しくありませんでした。

編集部編集部

治療中に支えになったことはなんですか?

今井さん今井さん

コロナ禍だったのでどこにも行けず、ひたすら家にいるしかなかったのですが、その期間はインターネットをする時間が長かったですね。SNSなどで同じ境遇の人を見つけて親しくなったり、一緒に悩みを共有したり情報をもらえたりしたので、とても心強かったです。

編集部編集部

その後、無事に出産ということですね。現在は双子を妊娠中とのことですが?

今井さん今井さん

はい。分娩の瞬間はあまりに辛くて「もう、絶対産みたくない!」と思いましたが、旦那の年齢を考え、「妊活できる期間はもう残りわずかしかない」とも考えました。将来、子どもに「弟や妹がほしかった」って言われて後悔するようなことはしたくない、「できるところまで妊活しよう!」と旦那と話し合って決めました。

編集部編集部

第二子も同じ医療機関で不妊治療をおこなったのですか?

今井さん今井さん

いいえ。また別の医療機関へ転院しました。じつは第二子を望んだ頃、ちょうど不妊治療が保険適用になりました。第一子を妊娠したときはまだ保険適用になる前だったので、自費で色々な検査や治療を試しました。しかし、保険が適用されたら、逆に治療の幅が狭くなってしまい、やり方が限られてしまったのです。

編集部編集部

それで、もっと自由度の高い医療機関へ転院したのですね。

今井さん今井さん

はい。同じ保険適用の範囲内でも、医療機関によって治薬の種類や投与量など、治療の仕方は大きく違います。そこで、もっと自分たちの希望に近い治療を保険適用の範囲でおこなってくれるクリニックに転院しました。

編集部編集部

不妊治療については、かなり勉強されたのですね。

今井さん今井さん

当時は1日中、不妊治療について考えていました。不妊の原因がわからなかったので対策を立てることができず、とにかく可能性が高い治療法を試すしかないと思ったのです。そのため、生殖の専門家が書いたブログを読み漁ったり、専門の論文を探して読んだりして勉強しました。

不妊治療を開始したら、1日でも早くまずは採卵を

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