【闘病】「不妊治療を辛いだけの思い出にしないでほしい」夫婦ともに不妊の原因発覚~出産までの軌跡(2/2ページ)

不妊治療を経たからこそ、我が子への愛情が一層深くなった

編集部
不妊治療を経て、妊娠に至ったときの気持ちを教えてください。
ぷっぷさん
同じ職場で10年間不妊治療を頑張っていた先輩は、最初の5年間はタイミング法と人工授精、あとの5年間は体外受精だったそうです。それでも結局恵まれなかったので、「私は何年かかるんだろう」と思っていました。それが2回目の採卵、胚移植で妊娠できたので、意外と早かったという印象です。ただ、採卵できるまで人一倍時間がかかるなど苦労も多かったので、長かったような感じもします。
編集部
妊娠はクリニックで告げられたのですか?
ぷっぷさん
自宅で妊娠検査薬を試し、陽性の反応が出たのを確認してからクリニックに行きました。陽性反応を見たときは「ちゃんと胎嚢が確認できるかな」とか、1回目の妊娠が化学流産だったこともあって「HCGの値が低くないかな」とか心配でした。だから、クリニックで「妊娠していますよ」と言われたときは、本当に嬉しかったですね。
編集部
治療の前後で、夫婦関係に変化はありましたか?
ぷっぷさん
それまで夫は飲みにいくと遅く帰ってくることが多かったのですが、不妊治療中は私がメンタル面で不安定になり、「治療を始めて私はお酒をやめたのに、自分だけ飲んでいるのはおかしい」と思って、「せめて採卵の日が決まったら、それまではお酒をやめて」とお願いしました。お願いしたいことや言いたいことは素直に伝えるように意識していました。関係性が良くなるとか、悪くなるとか、変化はありませんでしたが、話をする時間は増えました。
編集部
旦那さんは「お酒をやめて」って言われたとき、どう答えたのですか?
ぷっぷ夫さん
治療に協力するのは当たり前だと思ったので、素直に「わかった」と答えていました。
編集部
不妊治療という経験を経て、今、思うことはなんですか?
ぷっぷさん
もし不妊治療をせず、自然と子どもを授かっていたら、「夜泣きがやまなくて辛い」など子育てで悩むことも多かったと思います。でも、今は苦労して出産に漕ぎ着けたこともあり、夜泣きがやまなくても、ウンチをもらして自分の洋服が汚れても、「いいよ、いいよ」という感じで、なんにも辛さを感じません。不妊治療を経て、子どもへの愛情が一層深まったように思います。
編集部
政府や医療機関に望むことはなんですか?
ぷっぷさん
私が不妊治療を始めたのは保険適用の前だったのですが、治療開始をもう少し待てば保険が使えるというタイミングでした。でも、少しでも早く妊娠したかったのもあり、保険適用を待たずに治療を開始しました。あとで保険の制度を調べたら、保険診療では胚移植回数に制限があることがわかりました。その際、「もし卵が10個取れて、制限の回数を超えたらどうするのだろう」「余った卵は捨ててしまうのだろうか」などの疑問は抱きました。また、移植6回は案外早く終わってしまうと思うので、制限は移植ではなく採卵の回数にした方がいいのではないかと個人的には思いました。
編集部
最後に、これから不妊治療を始める人、もしくは治療中の人へメッセージをお願いします。
ぷっぷさん
私たちは不妊治療中、たくさん話をしたことでお互いの理解度が増したように感じます。なかには旦那さんに遠慮してしまうのか、夫婦の関係が悪くなってしまう人もいるようです。たくさん2人で話をして不妊治療を辛いだけの思い出にしないでほしいと思います。
編集部
旦那さんも、一言お願いします。
ぷっぷ夫さん
不妊治療で一番大事なのは、奥さんへのメンタルケアだと思います。僕も最初は不妊治療についてあまり知識がありませんでしたが、一緒に調べたり、よく話を聞いたりすることで、夫婦の関係が深まるのを感じました。旦那側も大変だと思いますが、ストレスをためない方法を探して2人で乗り切ってほしいですね。
編集部まとめ
24歳という若さで体外受精に踏み切ったぷっぷさん夫妻。ぷっぷさんは医療関係の仕事をしていたからこそ、早めに妊娠出産したいという気持ちが強かったと振り返ります。夫婦ともに不妊の原因が見つかりましたが、「どちらを責めるわけではなく、辛いときは我慢せずにたくさん泣いて治療をしてほしいなと思います」と話していたのが印象的でした。




