「顔の脂肪吸引」を医師が解説 施術の流れや効果、ダウンタイムについて教えて
「美容外科」というと、目や鼻の施術というイメージが大きいかもしれませんが、「フェイスライン」の施術を希望する患者さんも多いそうです。そこで「顔の脂肪吸引」について、美容外科医の深堀純也先生(WOM CLINIC GINZA統括医師)にMedical DOC編集部が話を聞きました。
※本記事で扱われている治療は保険適用外の治療になります。リスクや副作用など担当医師から説明を受け、ご自身が納得した形で治療を受けるようにしましょう。
監修医師:
深堀 純也(WOM CLINIC GINZA)
目次 -INDEX-
顔の脂肪吸引は何をするの? 脂肪吸引で頬のたるみや二重あごは解消できる? 施術の痛みや傷跡も気になる
編集部
「顔の脂肪吸引」とは、何をするのですか?
深堀先生
脂肪吸引は、直径2~3mm程度のカニューレと呼ばれる細い管を使って、余分な皮下脂肪を取り除く施術のことです。フェイスラインがスッキリすることで、若々しい印象を与えることができます。
編集部
傷跡は残りますか?
深堀先生
皮膚の切開は3~5mm程度で、耳たぶの後ろや顎の下などに小さな穴をつくるため、目立つような傷ができることはありません。また、時間の経過とともにさらに目立たなくなっていきますので、傷跡はほとんど分からないくらいに薄くなる方がほとんどです。
編集部
施術の痛みが少し心配です。
深堀先生
施術は静脈麻酔(無痛麻酔)によって眠っている間に終わるので、点滴を入れる際の痛みさえ我慢して頂ければ、その後に痛みを感じることはありません。術後の痛みは筋肉痛の痛みに近く、 ほとんどの場合生活に支障が出るほどの痛みを感じることもありません。当院でも、術後に「痛み止め」を出していますが、「飲まなかった」という方が大半です。
編集部
どんな悩みが解消できるのですか?
深堀先生
二重あごや丸顔、頬のたるみが気になる方、全体的に小顔になりたい方などは、お顔の脂肪吸引でお悩みを解消することが期待できます。また、脂肪吸引はもちろんですが、さらに「糸リフト」や「バッカルファット除去」「ボトックス」など、ほかの施術を組み合わせることで、フェイスラインや表情ジワなど、さまざまな悩みの解消が期待できます。
顔の脂肪吸引前日・当日の流れは? 施術後のダウンタイムはいつまで痛みや腫れ(むくみ)があるの?
編集部
顔の脂肪吸引を実際に受ける際の流れを教えてください。
深堀先生
当院ではまずカウンセリングを行い、それぞれの悩みを聞いたうえでお勧めの施術を提案させていただき、方針が決定したら見積もりを出させていただきます。遠方の方で事前の来院が難しい場合は、写真を送ってもらってオンラインで医師による画像診断を行うこともあります。その際お写真は、正面や横顔、斜めなど、いくつかのパターンをお願いしてより細かく診断ができるようにしています。施術はカウンセリング当日(来院できる場合)に受けることもできますし、もちろん一度ご検討いただき、後日施術を受けていただくことも可能です。
編集部
当日はどのような流れになるのですか?
深堀先生
例えば午前の施術であれば、当日の朝食は抜いていただき、どこをどのように施術するかの確認をしながら顔に印をつけていきます。その後、点滴麻酔を行って施術という流れになります。術後、麻酔が切れるまでは安静にしていただいてから帰宅となりますが、全て合わせても2〜3時間ぐらいで全工程が終了します。縫合については医療機関ごとに異なるかと思いますが、当院では、あご下の1箇所のみ縫合します。遠方からいらしている方の場合は溶ける糸で縫合しますので、その後の通院がなくてもいいように対応しています。
編集部
ダウンタイムはいつまででしょうか?
深堀先生
これも、吸引方法や吸引量などによって差がありますが、目安としては術後3〜5日が痛みや腫れのピークで、その後1ヶ月程度で落ち着いてくるのが一般的です。完全に状態が落ち着くまでには、3〜6ヶ月くらいかかりますが、マスクや化粧で隠せるレベルなので、お仕事などを休むのは2〜3日という方が大半です。
顔の脂肪吸引 施術翌日以降のダウンタイムの注意点を医師が解説 フェイスバンドの装着はいつまで付ける?
編集部
施術後に注意することなどありましたら教えてください。
深堀先生
血流が良くなると腫れやむくみが悪化してしまうので、飲酒や激しい運動、入浴など、血流がよくなるようなことは控えていただいています。それから、顔の脂肪吸引後のための「フェイスバンド」をつけていただきます。これはフェイスバンドで外からしっかり圧迫することで、血液や浸出液が溜まるのを防ぐためです。
編集部
フェイスバンドはいつまでつけるのですか?
深堀先生
基本的に、手術翌日まではなるべくつけていただいています。その後、術後3日〜1週間くらいは、自宅にいる時間など、つけられる範囲でつけておくことをお勧めしています。着用してもしなくても仕上がりは変わらず、長時間すればするほど良いというわけではないので、締め付けがきつかったり、痒みが生じたりした場合などは、我慢せずに医療機関に相談してください。
編集部
施術後もいろいろあるのですね。
深堀先生
そうですね。一般的な顔の脂肪吸引では、やはりそのくらいみていただきたいですね。ちなみに、医療機関にもよりますが、脂肪除去術にはさまざまなバリエーションがあります。例えば、頬の内側の深い層にある脂肪の塊(バッカルファット)を取り除く「バッカルファット除去」は、頬の内側に小さな穴を作りますし、チーク部分にある皮下脂肪(メーラーファット)を除去する「メーラーファット除去」では鼻孔内に小さな穴を作ります。この場合は、フェイスバンドは必要ですが、当日からメイクや入浴も可能です。
編集部
最後に、Medical DOC読者へのメッセージがあればお願いします。
深堀先生
ボディと顔の脂肪吸引では、考え方も、要求される技術も大きく異なります。やはり、顔の方が繊細さを要求されますし、「脂肪が除去できるか」だけではなく、術後の傷跡や色素沈着などに対してもボディ以上に気を配る必要があり、高い技術と心配りが求められます。手術後に後悔しないためにも、「しっかりしたカウンセリングやアフターフォローのある医療機関を探す」「技術はもちろんのこと、丁寧に心を込めてやっている医師を選ぶ」というところが大事になります。値段の安さなどだけで決めず、医療機関や医師の実績、口コミなどを事前によく調べ、安心して任せられるところで施術を受けてください。
編集部まとめ
お腹や太もものように、たくさんの脂肪を吸引するわけではないけれど、その分繊細な技術が要求されるとのことでした。確かに、顔の場合は、数ccの脂肪であっても印象が大きく変わるでしょうし、術後の色素沈着や皮膚の凸凹も、ボディ以上に気になります。「技術はもちろんのこと、丁寧に心を込めてやっている医師を選ぶ」というのが本当に大事だと感じました。
医院情報
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アクセス | 東京メトロ「銀座一丁目駅」 徒歩1分 東京メトロ「有楽町駅」 徒歩2分 東京メトロ「銀座駅」 徒歩3分 |
診療科目 | 美容外科 |