【闘病】ズル休み扱いされた不調の原因は「リウマチ」だった
リウマチの症状は多岐にわたっています。子どもの頃から原因不明の疼痛に悩まされる中、なかなか難病の専門医にたどり着くことができずに、病院を転々としたという鈴木さん。その過程では、整体やカイロプラクティックなども受診されたそうです。悪性関節リウマチと診断されるまでの日々や治療について語ってもらいました。
※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2022年5月取材。
体験者プロフィール:
鈴木 あろは
40代、女性。群馬県在住。3人家族で、現在は占い師として働いている。シンガー・ソングライターとしても活動。3~4歳の幼少時より口内炎に悩まされていた。8歳の時、足の骨が溶けるが第1ケーラー病と診断される。高校生の時にアフタ性潰瘍ができ、26歳のときにようやくベーチェット病と診断された。。しかし、翌年主治医が変わり、悪性関節リウマチだったことが判明した。
ブログ https://ameblo.jp/suzukialoha/
記事監修医師:
副島 裕太郎(横浜市立大学医学部血液・免疫・感染症内科)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。
目次 -INDEX-
幼少期からの闘病生活
編集部
いつ頃から身体に異変や症状が出始めましたか?
鈴木さん
3~4歳の小さい頃から、口内炎がよくできる子だったそうです。10代の頃には本格的にアフタ性潰瘍(痛みを伴う小さな口内炎[潰瘍]が口の中にできる病気)ができ始めていました。
編集部
足の骨にも異常があったようですね。
鈴木さん
はい。健康だった時期はほとんどなく、運動会で走ったり、お遊戯会で踊ったりすることは、当時の私には当たり前ではありませんでした。それなのに、運動会で走れなければ「ズル休みじゃないか」と同級生や教師に言われ、傷つくこともありました。
編集部
悪性関節リウマチと診断されるのはいつになるのですか?
鈴木さん
その前に、26歳の時にベーチェット病と診断されました。ですが最近になって、大学病院のリウマチ内科の先生に「この骨の変形はリウマチによるもの。小児リウマチだったのだろう」と言われました。治療については「生物学的製剤を1か月打ち、悪性関節リウマチの血管炎の炎症を抑えましょう。おそらくステロイドの服用はやめられませんが、プレドニンを飲み続けつつ、リウマトレックスはアフタ性潰瘍が酷いため減薬していきましょう」と説明がありました。
編集部
それらの薬で治療効果があったのですか?
鈴木さん
いいえ。なかなか合う薬が見つかりませんでした。現在はフォリアミンを服用中ですが、増やしても良くなりません。アフタ性潰瘍に対し、比較的新しいオテズラ錠も試しました。1週間頑張って服用しましたが、飲むと具合が悪くなってしまうので、服用し続けることができず中止しました。また何か新薬ができたらその都度提案すると言うことで合意しています。
人生の転換期
編集部
病気が判明した時の心境について教えて下さい。
鈴木さん
幼少期から病院通いをしていましたが、「ようやく病名がついたか」と思いました。現在は生物学的製剤を始めとし、リウマトレックスなどで治療しています。副作用はありますが、シンポニー皮下注50mgオートインジェクターも使用し、できる限りの治療をしています。次から次に症状が出てくるため、これ以上良くなることはないのだろうと思っています。
編集部
症状に伴う生活の変化を教えて下さい。
鈴木さん
小さい頃、体育はいつも見学をしていました。20代になると、車の運転はおろか、歩くこともできなくなり、立ち仕事にも限界を感じました。都内で生活をしていた頃は、コールセンターで働き、生計を立てていましたが、原因不明で声が全く出なくなってからはコールセンターでは働けなくなり、20代後半で無職も経験しました。
編集部
職探しに病気の影響や苦労はありましたか?
鈴木さん
無職になってしまった時、ワークサポートで障がい者雇用の面接を何度か受けましたが、どこの会社からも受け入れてもらえませんでしたね。治療をするのにはどうしてもお金がかかるので、思い悩みました。
編集部
その後、お仕事はどうしたのですか?
鈴木さん
その当時は雑誌の星占いを読むのが好きだったなと思い、都内の占い師さんに相談すると、通信教育でも占いを学ぶことはできると言われ、占い師になることを決めました。「生業」に出会えた瞬間でした。私は、生きていくために占いを学びました。
編集部
占いのお仕事に病気の影響はないのでしょうか?
鈴木さん
占い師になってから今年で15年(取材時)が経ちました。占い業は基本的に座りながらできるので、自分に合ったペースで仕事を入れることもできます。病気は年々進行していますが、心は健康です。病院へ通いながらの生活なので、あまり裕福ではなく、贅沢はできませんが、治療費を払うことができるようになったので、良かったと思っています。
病気を打ち明けて楽になった
編集部
闘病中の支えは何でしたか?
鈴木さん
心の支えがあるとすれば、飼い猫のシロでした。7年ほど前に他界したのですが、19年間一緒に暮らしました。この子を看取るまでは何とか生きなければ、という思いが強くありました。シロが他界し落ち込みましたが、占いを教える仕事をしていると「先生からまだ教わることは沢山あるのですから、ちゃんと長生きして下さいよ」と生徒さん達から声を掛けられます。今は、この子達が一人前になるまでは頑張ろうと、私の心の支えになっています。
編集部
リウマチを知らない人に一言お願いします。
鈴木さん
質問の趣旨と少し違うのですが、私は占い師になるまで、自分の病気を人に打ち明けると言うことがありませんでした。病気だということを悟られたくないと思い、親しい友人にさえ隠していた時期がありました。そんな考え方の人もいることを知ってもらえると嬉しいです。占い師になろうと決めてからは、ブログなどでも病名や病気のことは包み隠さず公表していますが、病気を隠していた頃よりも気持ちが楽になりましたね。
編集部まとめ
鈴木さんは、長年苦しい闘病生活を送られていますが、その過程で自分の夢であったシンガーソングライターとなり、映画に出演された経験もあるそうです。現在はプロの占い師として生徒の指導に励んでおり「病気は進行していても心は健康だ」と言います。病気と向き合い、人生を前向きに歩む鈴木さんに、今後新たな良い治療薬が見つかることを願います。
なお、Medical DOCでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。