【闘病】「視神経脊髄炎」 眼が疲れると思っていたら歩けなくなり入院に…(2/2ページ)

発症後から生活の変化

編集部
振り返って、病気が判明したときの心境について教えてください。
松本さん
正直、まったく聞いたこともない病気だったので、「へー」としか思いませんでした。スマホで軽く調べてみると、「視神経脊髄炎 死亡 余命」などのサジェストワード(検索窓に言葉を入れたときに表示される、そこに続く検索候補)が出てきたので、落ち込みました。しかし、ステロイドパルス療法の効きが良すぎて「大丈夫だ」と思うまでは早かったです。
編集部
発症後、生活にどのような変化がありましたか?
松本さん
発症前からダイエットのために、糖質を控えていたので、ステロイドによる副作用を抑える食事制限は、特に変わりありませんでした。もともと行っていた筋トレは、軽い有酸素運動に変更し、仕事もかなりセーブするようになりました。自分では気づいていないストレスも原因のひとつかもしれないと思い、現在は好きな仕事を好きな分量やるようにしています。仕事は、3か月かけて時短勤務から徐々に体を慣らしていきました。
編集部
治療中の心の支えはなんでしたか?
松本さん
職場から「ゆっくり治しなさい。病気のことだけ考えなさい。お金は気にしなくていいから」と言ってもらえたことです。また、家族や恋人、友人の存在が大きかったです。「退院しておいしいものを食べたい」という気持ちもモチベーションになっていました。
編集部
もし昔の自分に声をかけられたら、どんな助言をしますか?
松本さん
「まだ若いし元気だから」と思って入っていなかった保険に加入することを勧めます。若さ、性別、体の丈夫さ、日々の生活に関係なく、病はやってくることを伝えます。
編集部
現在の体調や生活の様子について教えてください。
松本さん
体調は安定していますが、いつまた再発するかわからない病気です。適度な運動とバランスを考えた食事に気を使っています。長時間PCで仕事をした後、目に違和感(疲れ)を感じたときや、吐き気があるときには少しヒヤッとしますね。それでも、2022年3月からは断薬することができました。
編集部
最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。
松本さん
意識していても防ぐことができない病気もあります。もし思いもよらない病気になったとしても、自分を責めずに病気だけを責めてほしいです。「ばちが当たったんだ」とか「あれがいけなかったんだ」などと考えず、今に向き合ってほしいと思います。医療従事者の方には、本当に感謝しています。
編集部まとめ
松本さんは景色が追い付かないという体験から病気が発覚し、1年強の投薬治療、闘病生活を乗り越えられました。視界異常から吐き気を催し、緊急で入院したほどでした。幸い治療後の経過は良好で、仕事に復帰もされました。退院から1年経って、当たり前の生活をしていく中で病気のことを忘れてしまうほどに回復されたそうです。「病気で手厚くサポートしてくれた会社に貢献すべく仕事に励んでいる。今に感謝し、これからもこの病気と仲良く付き合い続けたいと思います」と前向きに話してくれました。







