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【闘病】「重症筋無力症」という病気が「疲れ」「強い眠気」の正体だった(2/2ページ)

 更新日:2025/05/21
【闘病】「重症筋無力症」という病気 「疲れ」「強い眠気」の正体だったとは

今日洗濯をしたら明日は予定をいれない

今日洗濯をしたら明日は予定をいれない

編集部編集部

病気の前後で変化したことを教えてください。

ワイワイさんワイワイさん

大きく変化したことは、まず病院の近くへ引っ越しをしたことです。そして車椅子ユーザーになりました。立ち上がる動作が苦しいので初めてのベッド生活をしています。仕事の面でも大きく変化しました。また、感染予防を徹底するようになりました。免疫抑制をしているので手洗いうがいの徹底、マスク着用、食べ物をシェアしないなど、気をつけることがたくさんあります。服装も着やすいものを着るようになりました。以前はコンサバ系をよく着ていたのですが、今は車椅子なのもあって、ゆったりとした服を着ています。ネイルもしなくなりました。ネイルをしていると指先で酸素が測りにくくなるため、急に病院へ運ばれた時を想定して、今は自爪です。

編集部編集部

精神面で変化はありますか?

ワイワイさんワイワイさん

出来ることは、とにかく出来る時にやると心がけるようになりました。以前は「明日できることは今日やらない」がモットーでしたが、今は、先延ばしにすると次いつ出来るかわからないので出来る時にやるようにしています。よく計画して動くようにもなりましたね。自分の体力や体調の変化を予測して動かないと、無理をすれば倒れますので。たとえば今日洗濯をしたら、明日は予定を入れないとか、昼に自炊したら夜は出来合いのものにするなど、小さなことでも先を計算して動いています。

編集部編集部

今までを振り返ってみて、後悔していることなどありますか?

ワイワイさんワイワイさん

病気自体は発症の原因が解明されておらず、こうしておけば防げたかも、というような後悔はありません。一方で、もっと動ける時にいろいろやっておけばよかったという後悔はあります。コンサートや海外旅行、あとゲームももっとやっておけばよかったと思っています。金銭面では、保険に入っておけばよかったなと思いました。ありがたいことに親が入っていてくれたのでよかったのですが、自分でも入っておけばよかったと思っています。それと、病気になってからの受診や入院の記録をきちんとしておけばよかったです。日付や症状、治療などをまとめておくと、例えば助成金の申請時などに書類をひっくり返して調べ直すことがないので楽だったと思います。

編集部編集部

現在の体調や生活はどうですか?

ワイワイさんワイワイさん

あまり変化はありません。ただ発症から時間が経ち、動くことが少なくなっているので、体力・筋力が落ちてきています。前までは、移動に数時間かかるような遠出も問題なかったのですが、今は1時間くらいが限度で、それ以上は疲れて何も出来なくなります。歩ける距離もだんだんと短くなっています。また以前は症状が強い時にしか出なかった複視が、今は常にあるようになり、プリズム眼鏡をかけるようになりました。でも、あまり悲観はしていません。コロナになると大変なことになりかねないため、外食や外出しないようにしています。3年くらい外食していないので、そろそろラーメンやもんじゃ焼きが食べたいです。

編集部編集部

医療機関や医療従事者に望むことはありますか?

ワイワイさんワイワイさん

寄り添ってもらいながら密に治療をしていただいているので、本当に感謝しかないです。幸せだなと思います。いつもありがとうございます。あとは、研究が進んでくれると嬉しいなと思います。最近新薬が認可されたそうなのでとても期待しています。また、神経内科の医師がもっと増え、症状に苦しむ患者さんが、1日でも早く診断がつき、治療に進めますようにと願っています。

編集部編集部

最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。

ワイワイさんワイワイさん

私は周囲からの病気の理解が得られやすい方でしたが、なかなか周囲の理解が得られない中で症状がありながらもなんとか社会生活を送っている重症筋無力症患者の方が圧倒的に多いと聞きます。一見信じられないようなや理由で「つらい、しんどい」と訴える人がいても、「そんなわけない」ではなく「そういうこともあるのかも」と、一旦信じて許容してもらえると嬉しいなと思います。

編集部まとめ

受診から診断まで2ヶ月近くかかっても「早い方だった」「自分は本当に幸運だったと思う」、そして「症状に苦しむ患者さんが、1日でも早く診断がつき治療に進めますように」とおっしゃるワイワイさん。難病を抱えながらも、周りに優しく前向きな生き方が印象的でした。

この記事の監修医師