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【闘病】”いつもの頭痛”から手術へ 脳動脈瘤見つかり「高次脳機能障害」と「失語症」に(2/2ページ)

 更新日:2025/11/25
【闘病】"いつもの頭痛"が手術へ 脳動脈瘤見つかり「高次脳機能障害」と「失語症」に

様々な事への挑戦の日々

様々な事への挑戦の日々

編集部編集部

現在の様子について教えて下さい。

早野さん早野さん

失語症は、日常生活のコミュニケーションには支障がないほどには回復しました。注意障害、記憶障害もありますが、これらもリハビリで日常生活においては、大きな支障が出ないくらいには回復しました。必要な時にはメモを取ったり、確認したり、様々な工夫をしながら過ごしています。テレビは字幕がないと理解しにくいです。脳疲労のキャパシティーもわかってきたので調節しながら予定を立てています。未破裂脳動脈瘤があった場所は、MRIを撮ると、そこだけぽっかり黒く何も映りません。ただ、再発はなく、繋げた血管も問題なく、経過観察中です。

編集部編集部

過去の自分に会えるなら、なんと声をかけますか?

早野さん早野さん

入院中の私に声をかけるなら、「大丈夫、未来はきっと明るいよ」と伝えたいです。

編集部編集部

健康な方への助言はありますか?

早野さん早野さん

一度は脳ドックに行ってください。女性で妊娠希望がある方は特に、妊活の前に脳ドックを受けることをお勧めします。未破裂脳動脈瘤はいつの間にかできていて、知らないうちに大きくなります。脳ドックの費用は高いですが、安心には変えられません。

編集部編集部

医療従事者に伝えたいことを教えて下さい。

早野さん早野さん

医師を始めリハビリの先生には大変感謝しています。先生達が諦めないでいてくれた事が私の励みとなりました。

編集部編集部

経済的な心配はありますか?

早野さん早野さん

手術をして退職後に、傷病手当をいただき、一年半は経済的な心配もなく過ごすことが出来ました。しかし、その時に申請できる国の制度(障害年金、障害者手帳等)を退院時でもいいので教えてほしかったと今でも思います。昨年まで高次脳機能障害の仲間から聞くまで、障害者年金があることも知りませんでした。3年間もの闘病期間中は経済的な心配をしながら過ごしました。精神的にも落ち込み、心を病んだこともありました。何度もリハビリに通っていたので、病院でそこまでのアドバイスをもらえなかったことが残念です。

編集部編集部

最後に読者の方へのメッセージをお願いします。

早野さん早野さん

私は今、高次脳機能障害の認知度を広げるため、InstagramやTwitterを通して発信活動をしています。私は特に身体の麻痺はないので、見た目ではわかってもらえず、苦しい思いもしました。この記事を読んだ方が高次脳機能障害という言葉だけでも知ってくれれば嬉しいです。

編集部まとめ

早野さんにも、落ち込んだ時期もありましたが診察室での記事に衝撃を受け、前向きに生きるきっかけとなりました。偶然目にした誰かの頑張りが、他者に勇気を与えるということがあるのであれば、本体験談にも価値を見出してもらえる人がいるかもしれないと感じることができました。

この記事の監修医師