【体験談】“長引く筋肉痛”の正体は「骨のがん」だった《骨肉腫》(2/2ページ)

早期発見の大切さ、障害への関心を持ってもらうために活動を続ける

編集部
現在の体調はどうですか?
ましゅーてぃーさん
病気の発覚と治療から10年以上経ちますが、再発・転移もなく過ごせています。現在も痛み止めは使用していますが、体調は安定しているので助かります。退院して間もない頃は、1人で外出もできませんでした。現在は車の運転もできるので、好きなところに行けるありがたさを感じています。
編集部
ましゅーてぃーさんは「Herz(ヘルツ)」というグループで情報発信などの活動をされています。どのようなきっかけで仲間と出会い、活動するようになったのですか?
ましゅーてぃーさん
出会いのきっかけは、車椅子女子のユニット「ビヨンドガールズ」のオーディションでした。ほかにも、それぞれで活動を開始しました。メンバーは医師・看護師・歌手という構成で、車椅子ユーザーへの障害やヘルプマークの認知度を上げるための情報発信をおこなうために「Herz」を結成しました。
編集部
Herzでは、どのような活動をしているのですか?
ましゅーてぃーさん
現在はYouTubeで、私達が愛用する電動車椅子メーカーのWHILL社に関する情報や、バリアフリー情報を動画で投稿しています。ほかにも病気に関連のあるゲストを招いて生配信したり、イベントに出演したりして、自分たちの認知度向上にも力を入れているところです。
編集部
ましゅーてぃーさんがもし昔の自分にアドバイスをするなら何を伝えたいですか?
ましゅーてぃーさん
私は現在在宅ワークですが、それまでは介護施設の看護師として勤務してきました。後悔があるとすれば、看護師として臨床を経験できなかったことです。ですから、過去の自分に伝えられるなら「早く看護師になる決断をしなさい」ということです。
編集部
骨肉腫という病気を意識していない人に伝えたいメッセージをお願いします。
ましゅーてぃーさん
がんは今や2人に1人がなる病気と言われていますから、私の記事を読んで日々の暮らしを見つめ直し、健康診断を受けるきっかけになれば嬉しい限りです。特に若いお子様を持つ親御さんには、自分のお子様が「筋肉痛がずっと治らない」ような症状がありましたら、病院で詳しい検査を受けるという意識を持ってもえればと思います。
編集部
最後に読者の方にメッセージをお願いします。
ましゅーてぃーさん
骨肉腫は希少がんに分類されていて、その珍しさから診療できる医師も少ないのが現実です。私のエピソードと似た症状があるときは、様子を見ずに早いうちに検査のできる病院を受診してください。そして、私のように「立てる車椅子ユーザー」もいるということを知ってください。はっきりと見えない障害で車椅子に乗っている人もいます。少しでも障害や病気に興味を持ってくださいましたら、YouTube上で活動している「車椅子三銃士Herz」もご覧いただけますと幸いです。
編集部まとめ
看護学生として夢を叶えようとしたまさにそのタイミングで骨肉腫と診断され、絶望を体験したましゅーてぃーさん。一時は外出も難しい状態でしたが、現在は1人で運転もできるほど安定した体調を維持しています。
骨肉腫は10~20代の若い世代が半数以上を占め、初期症状もわかりにくい疾患です。ましゅーてぃーさんの体験を通して、若い世代の方や子どもを持つ親の方々が病気と障害について関心を持つ機会になることを願います。







