目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 医科TOP
  3. 闘病体験
  4. その他の闘病体験
  5. 【闘病】「突然死んでいたかもしれない」 先天性アンチトロンビンIII欠損症とは

【闘病】「突然死んでいたかもしれない」 先天性アンチトロンビンIII欠損症とは(2/2ページ)

 更新日:2025/07/10
【闘病】「突然死んでいたかもしれない」 先天性アンチトロンビンIII欠損症と出産

患者にとって薬は命綱です

患者にとって薬は命綱です

編集部編集部

病気の前後で変化したことを教えてください。

なおさんなおさん

生活上、大きな変化はありません。強いて言うなら、ワーファリンを飲んでいると、大好きだった納豆や青汁がNGとされてしまうので地味に辛いですね。

編集部編集部

今までを振り返ってみて、後悔していることなどはありますか?

なおさんなおさん

後悔していることはありません。次男を出産後、医師に「今後の妊娠・出産は心配ですね」と言われている中で3人目を妊娠しましたが、この妊娠がなければ現在の病気はわからないままで、治療も始まっていなかったと思います。長期の入院で周囲の人たちに多くの心配や迷惑をかけたとは思いますが、あの時妊娠して本当に良かったと思っています。

編集部編集部

現在の体調や生活はどうですか?

なおさんなおさん

朝決まった時間に薬の内服が必須ということ以外は、普通に生活しています。あと、長時間同じ体勢でいると血栓ができやすくなるので、本を読み始めたときや、何か作業を始めて集中してしまうときなど、何時間も動かないことがないように気をつけています。特に、血管が圧迫されるので正座はしないようにと妊娠中から言われていましたが、自覚なく正座していることがあるようで、主人によく注意されています。

編集部編集部

医療機関や医療従事者に望むことはありますか?

なおさんなおさん

あえて言うなら、妊娠期におこなっていた補充療法薬を可能な限り入れ切ってほしかったです。1本の薬価がとても高く、その薬剤が身体に入ることでこの先3日間は血栓の恐怖から逃れられるので、患者としては最大限の薬効を得たいという気持ちがあります。かかりつけ病院の看護師さんをはじめ、ほとんどの場合は「この薬は高いから入るだけ入れてしまうね」と最後まで薬剤を入れてくれましたが、一度だけ「そろそろ終わりそうやね。抜こうか」と言われた時に、「入れきって欲しいです」と伝えたら、「でも、もうほとんど終わりですよ」と強制抜針されたことがありました。看護師は「早く終わらせたい」と思っていても、患者にとって薬は命綱です。妊娠期のイライラも相まって本当に嫌な気持ちになりました。

編集部編集部

最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。

なおさんなおさん

SNSで病気や使用している薬のことを載せるようになってから、同様の疾患や同じ薬を使用している方から、妊娠出産に関連したことでメッセージをいただくことが増えました。やはり、皆さん自分の身体のこと、妊娠への不安、妊娠期間中のこと、使用している薬のことなど色んな不安があって、少しでも同じ病気で妊娠出産を経験した人の話を知りたいんだと思います。私は医者ではないので、自分の経験を話すことしかできません。なので、まずはご家族や信頼できる医師と納得できるまで話してみてください。

編集部まとめ

妊娠・出産はそれだけでも大変なことですが、血栓の不安を抱えながらの出産は様々な苦労があったことでしょう。今は「薬を内服しながらですが、普通に生活しています」というなおさん、4人のお子さんとご主人との「普通の生活」は、かけがえのないものだと思います。貴重な体験談をありがとうございました。

この記事の監修医師