生理痛が辛い…生理時の正しい薬の服用方法を薬剤師が解説
毎月訪れる生理痛。症状が重くて薬に頼っている方も多いのではないでしょうか? 痛みを抑えるために薬は必要ですが、より効果を引き出すため、副作用から身を守るためにも正しく使うことが重要です。今回は生理痛時の正しい薬の使い方について、薬剤師の古石さんに解説していただきました。
監修薬剤師:
古石 瑞希(薬剤師)
より効果的な服用のタイミングとは
編集部
薬を飲むタイミングはいつがいいのでしょうか?
古石さん
「痛いかな?」と思ったときに飲むようにしましょう。生理痛は、プロスタグランジンという物質によって引き起こされます。プロスタグランジンが増えてしまった状態で服用すると、薬も効きにくく痛みも治まりにくくなってしまいます。痛みがピークに達する前に薬を服用することで、痛みの原因物質の増加を抑えられるため、痛みが出始めた時点で服用するのがおすすめです。
編集部
食後に飲んだ方がいいというのは本当ですか?
古石さん
なるべく何かを食べた後に服用する方がいいでしょう。何も食べていない状態で飲むと、胃に負担がかかって胃痛が起こることもあります。薬を飲みたいけど食事ができそうにない場合は、多めの水で服用するようにしましょう。
編集部
ジュースやコーヒーなど、水以外の飲み物で飲んでもいいでしょうか?
古石さん
水かぬるま湯で飲むようにしましょう。ジュースに含まれる酸味やコーヒーに含まれるカフェインが薬の成分に影響を及ぼし、薬の効果を変えてしまう可能性があります。
自分にあった薬を選ぶコツ
編集部
痛み止めの種類はたくさんありますが、どうやって選べばいいのでしょうか?
古石さん
痛み止めに含まれる成分は「ロキソプロフェン」「イブプロフェン」「アセトアミノフェン」「アスピリン」など、たくさん種類がありますが、どれが合うかは人それぞれです。15歳未満のお子様には使えないものもありますし、成分にアレルギーがある方はその成分を避けて選ぶ必要があります。医師や薬剤師に相談した上で、自分が使ってはいけない成分を把握し、自分に合った成分を含む薬を選ぶことが重要です。
編集部
子どもが痛み止めを使う場合はどれを選べばいいですか?
古石さん
15歳未満の子どもが服用できる成分はアセトアミノフェンです。アセトアミノフェンはほかの成分と比べて比較的穏やかな作用で、子どもでも安心して服用できます。パッケージに年齢の制限が記載されているので、飲む前には必ず確認するようにしましょう。
編集部
授乳中は痛み止めを使っても大丈夫でしょうか?
古石さん
授乳婦さんが痛み止めを使う際は、医師や薬剤師に相談する必要があります。すぐに相談できないような場合は、アセトアミノフェン製剤を選ぶようにしましょう。アセトアミノフェンであれば相談の記載はなく、国立成育医療研究センターにおいても「安全に使用できると考えられる」とされています。痛みがあったときにすぐに対応できるよう、かかりつけの婦人科に、使っていい薬を確認しておくといいですね。
用法用量を守って服用しよう
編集部
飲みすぎると効きにくくなるというのは本当ですか?
古石さん
用法用量を守って短期間の使用にとどめれば、効きにくくなることはありません。しかし、1か月に10日以上飲んでいると、痛みに敏感になったり、頭痛が起きやすくなったりする可能性があります。10日以上飲み続けなればならないような痛みがある場合は、婦人科などで相談してみましょう。
編集部
用法用量を守らないとどうなりますか?
古石さん
用法用量を守らず使うと、胃へのダメージが蓄積して「消化性潰瘍」につながったり、「薬物乱用性頭痛」を引き起こしたりすることがあります。痛みが強いからといって、多めに使ったり、決められた時間を空けずに飲んだりするのはやめましょう。
編集部
薬が効かない場合は違う薬に変えた方がいいですか?
古石さん
薬が効かない原因として「飲むタイミングが遅い」こと、「薬が合っていない」ことが考えられます。すぐに服用しても痛みが治まらないようであれば、選んだ薬が自分に合っていない可能性があるのでほかの薬に変えてみるのもいいでしょう。しかし、薬を変えてみても痛みに変化がないようであればただの生理痛ではない可能性もありますので、早めに受診するようにしましょう。
編集部まとめ
痛み止めを服用する際は、飲むタイミングを意識すること、自分に合った薬を選ぶことが重要です。医師や薬剤師に相談し、使ってはいけない成分を避けて薬を選びましょう。痛みは我慢せず、早めに薬を使うことが大切です。無理せず上手く薬を活用して、生理痛と付き合っていきましょう。