【闘病】風邪と思っていた不調が「視神経脊髄炎」だったとは 排尿・排便障害も現れ…(2/2ページ)

伝えたい気持ち

編集部
もし当時の自分に声をかけるとすれば、何を伝えたいですか?
mariさん
「ネットで病気のことばかり検索していないで、楽しいことを考えよう」と伝えたいです。
編集部
現在の体調や生活はいかがですか?
mariさん
治験終了後から少しずつステロイドの量を減らしながら、副作用対策の薬を併用して飲み続けています。軽い後遺症はあるものの、普通の健康な人と変わらない生活を送ることができています。
編集部
後遺症にはどのようなものがあるのでしょうか?
mariさん
握力低下があります。また、疲れた時や熱が上がった時には足の痺れや一定間隔の痙攣が起こります。この6年間で小さな再発が一度だけありましたが、幸いにも気づかない間に回復していました。
編集部
病気を意識していない方に伝えたい想いはありますか?
mariさん
この病気は、患っても回復できる場合も多く、私のような人は一見して健常者と全く変わりません。しかし、疲れやすいなどの後遺症や完治せず常に痺れが出ている人もいます。電車の中で座りこんでしまうこともあります。一見元気そうだからと言って舌打ちをするなど強く当たらないでほしいです。誰がどんな病気を持っているかなど、聞かなければわからないので、見た目だけで判断をしないでください。
編集部
医療従事者に望むことはありますか?
mariさん
現在は特にありません。入院中は、ステロイドパルス療法の影響で眠れず、数日不安な夜を過ごしました。あのとき、少しでも寄り添ってくれたら安心できたと思います。
編集部
最後にメッセージをお願いします。
mariさん
周囲の方が、病気だからと気を遣ってくださることはとても嬉しいです。しかし、やりたいことや楽しむことを、否定しないでほしいです。そうすることで、私たち病気の人間が前向きな気持ちになれるからです。気持ちの持ちようは大事だと思っています。私自身、治験で生理食塩水を試薬と信じて1年間投与していました。「試薬を打ってもらえているから大丈夫、再発はもうしない」と自信満々で過ごしていたんです。結果、2年以内に再発が起きると言われていた再発は起こりませんでした(プラセボ効果)。病気と無関係ではないと思います。
編集部まとめ
視神経脊髄炎は治療をしていても再発が起こり得る難病で、患者さんはしばしば再発への不安を抱えます。しかし、mariさんは、毎日を楽しく過ごすことで、病気に負けない身体になっていけると信じて生活されています。暗く落ち込んでいては、却って悪影響なのかもしれません。気持ちの持ちようで病気が治る、とは言えませんが、身体の抵抗力や回復力の向上は考えられます。無理矢理元気を出すことは難しい場合も多いでしょうが、楽しみを見つけ、病気を忘れるぐらいの気持ちが大事なのかもしれません。







