【闘病】「摂食障害で痩せて死んでいくのは嫌だった」(2/2ページ)

摂食障害の方を優しく見守ってあげてほしい

編集部
もし昔の自分に声をかけられたら、どんな助言をしますか?
小針さん
「今が辛くても必ず変われる。そのタイミングは来るよ。『もう治らないかも』なんて思うかもしれないけど、大丈夫。焦らずに少しずつ、一緒に進んでいこう」と言いたいです。
編集部
摂食障害を意識していない人にひとことお願いします。
小針さん
摂食障害は、傍から見れば理解できない部分も多いと思います。でも、どうか摂食障害の存在を否定せず、やさしく見守っていただきたいです。本人も必死で病気と闘っていますので。
編集部
ほかの摂食障害と闘っている方にアドバイスがあるとしたら、どんなことを伝えたいですか?
小針さん
私は摂食障害に絶対的な治療方法はないと思っています。栄養療法から改善できる方もいれば、カウンセリングなど心のケアから改善される方もいるでしょう。患者ごとに適した治療の仕方が変わってくるのです。だからこそ1つの治療法にこだわらず、さまざまなアプローチをすることが大事かなと思っています。心からなのか、身体からなのか、もしくは同時にケアするのか。それを考え、試していくことが大切だと思いますね。
編集部
最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。
小針さん
読者の中に摂食障害の方がいましたら、どうか自分に優しくしてあげてほしいです。一番大切なのは自分を責めることでなく「自分がどうしたら生きやすいか」を考えることだと思います。身近に摂食障害の方がいるという方は、どうか温かく見守ってあげてください。本人は頭でわかっていても、気持ちと行動が一致しないときがあるのです。私もそうでした。しかし、優しく見守られている、そう思えるだけで不思議と心が落ち着けるという人はいると思います。
編集部まとめ
摂食障害になると、自分の体型を客観的に見ることが困難になります。スリムな体型なのに「自分はとても太っている」「もっとダイエットしなければいけない」と思い込んでしまうのです。だからこそ、周りのひとたちからはなかなか理解を得るのがむずかしい疾患だといえます。小針さんの「摂食障害の方を優しく見守ってあげてほしい」という言葉は、摂食障害を経験した小針さんだからこそ伝えられる、貴重なメッセージです。摂食障害の方の言動をあたまごなしに否定するのではなく、当事者に寄り添った対応を心がけることが望まれます。






