【闘病】私が疲れやすいのは「怠け」でなく重症筋無力症だった(2/2ページ)

「目に見えない病気」に苦しむ患者の心を理解してもらいたい

編集部
現在はどのような日々を過ごしているのですか?
和田さん
まだ症状は色々ありますから、とにかくストレスを少なくできるようにと考えて、引き算方式でライフスタイルを見直しているところです。自分を大切に、無理をせず、頑張りすぎないように心掛けています。
編集部
お仕事はどうされているのですか?
和田さん
今のところは症状が落ち着かないので休職中です。常に複視があることと、ちょっとしたことで脱力や息切れがするので、通勤と夕方までの8時間労働は厳しいですね。私の場合、事務職ですが、ずっと座って仕事をしていると首や腰にかなりの負担が掛かって、座っている姿勢をキープすることもできません。また、複視以外にも光を異常に眩しく感じてしまうため、冬でもサングラスは必須の状態です。仕事内容はリモートでも問題ないのですが、残念ながら職場からの許可は下りていません。まだまだ病気を抱えながら生きている人に対して、会社の理解が低い現状を痛感しています。
編集部
周囲からの理解を得にくい状況にあるのですね。
和田さん
重症筋無力症は「怠け病」と言われることもあったそうです。他人から見るとわかりづらく、元気そうに見えるかもしれませんが、本人にとってはとてもつらい病気です。重いものを代わりに持ったり、行動するときに少し手を貸してもらったりするだけでも、負担が軽減されます。見えにくい症状であっても、ちょっとした思いやりを持って接してもらいたいと思います。
編集部
医療従事者の方にメッセージはありますか?
和田さん
入院中も通院も、いつも優しく接していただいて感謝しかありません。コロナ禍もあってプライベートにも気を遣っているはずですから、かなり制限されていると思います。医療従事者の方のおかげで私も日常が送れているので、制限がなくなったら、どうか思いっきり好きなことを楽しんでほしいです。
編集部
最後に読者の方へのメッセージも頂けますか?
和田さん
私の場合は重症筋無力症でしたが、誰にどんな病気が潜んでいるかわかりません。健康診断は基本ですが、健康診断では分からない病気も沢山ありますから、不調を感じたら身近な人に相談してみることも必要です。「疲れているだけ」「そのうち治る」で済まさずに、自分の身体に向き合ってください。
編集部まとめ
和田さんは現在も治療を続けながら、体調を落ち着かせるようライフスタイルの見直しも進めていました。今後も新たな治療に臨もうとしている和田さんの話を聴き、本記事としても紹介しました。重症筋無力症は外見からは分かりにくい病気ですが、和田さんのように症状や治療の副作用で大変な思いをしている患者が大勢います。見た目だけで判断せず、まずは声を掛けて手助けが必要か尋ねてみましょう。小さな思いやりが苦しむ人の心を救うだけでなく、社会全体の優しさにも繋がっていくはずです。




