【闘病】クローン病治療を続けながら、看護師になりました(2/2ページ)

病名だけでなく、何に困っているのかを理解してもらいたい

編集部
現在の体調や生活などの様子について教えてください。
竹藪さん
高校3年生でクローン病と診断された後、看護学校へ進学し、現在は看護師として働いています。今年の春には北海道から上京し慣れない一人暮らしを始めました。仕事のストレスなどもあり、食生活がやや崩れてしまうこともありますが、暴飲暴食を控え、スポーツなどで身体を動かし体調を整えています。仕事上勉強することがたくさんあり大変ですが、まずこの1年は何事もなく乗り切れるようにと思いながら生活しています。
編集部
あなたの病気を意識していない人に一言お願いします。
竹藪さん
IBDの症状は外からはわかりにくく、一見すると健常者と思われがちです。病気を一から理解して欲しいとは言いませんが、健康に見えても実は病気と闘っているのだということを理解してもらいたいです。また、IBD患者以外にも社会には病気を抱えながら生活している方がたくさんいます。症状も人それぞれです。外見だけでその人がどういった人なのか判断しないでもらいたいと思います。
編集部
同じ疾患の方にメッセージはありますか?
竹藪さん
家族や医療従事者に頼ることも病気と共存していくのに大切なことだと思います。あと、私は、同じ境遇の方に少しでも元気や勇気を持ってもらえるように、生活の一部を発信していますし、同じIBD患者さんがどのような生活をしているのか気になっています。みなさんも、もっと自分の病気について発信してみてはどうでしょうか。こういうものは食べられて、これはだめだとか、IBDを知らない人に伝えられることはたくさんあります。
編集部
医療従事者に望むことはありますか?
竹藪さん
私自身も今では看護師として医療に従事する一員でありますが、患者がどんな生活をしていて、何に困っているのかなどにも目を向けてアドバイスをして欲しいと感じましたし、そうしていこうと思いました。
編集部
最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。
竹藪さん
IBDは芸能人や著名な政治家などにも罹患者がおり、以前に比べ多少は世間にも知られてきているようですが、具体的にどんな症状で、どのようなことに気をつけて生活しなければならないのかを分かっている人はまだまだ少ないと思います。見た目は普通でも、体調によって出来ることと出来ないことがあり、それを理解してもらえないのはけっこうなストレスです。もっと罹患者のその時々の症状や体調を見て理解して欲しいと思います。また、あなた自身の体調にももっと敏感になって、不調を感じたら放置せず、すぐに受診してもらいたいと思います。
編集部まとめ
病気であることや病名を知ってもらいたいのではなく、どんな生活をしていて、何に困っているのかを理解してもらう必要がある、とのメッセージをいただきました。「もっと知ってもらいたい」「理解されないことがストレス」「周りに頼ることも大切」と、患者として、医療従事者として、どんな社会にしていきたいか明確なビジョンを話してくれました。竹藪さん、ありがとうございました。




