目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 医科TOP
  3. コラム(医科)
  4. 【闘病】「ピロリ菌検査を受けて」 胃がんで子育て、仕事真っ盛りの入院・治療生活

【闘病】「ピロリ菌検査を受けて」 胃がんで子育て、仕事真っ盛りの入院・治療生活(1/2ページ)

 更新日:2025/05/13
胃のあたりを手で押さえる女性

30代女性の胃がんは珍しいものではありません。闘病者の川田さんは、胃がんの告知を受けた時、小学1年生と4歳の子どもがいました。そんな時期に過ごした闘病生活。子育てが大変な時期に、家族と共に乗り越えた経験や当時の心境などについて、話を聞かせてもらいました。

※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2021年11月取材。

川田さん

体験者プロフィール
川田さん

プロフィールをもっと見る

岐阜県在住、1985年生まれ。夫、息子、娘の4人家族。診断時は歯科衛生士として総合病院勤務。2020年10月、職員健診にてピロリ菌の陽性が判明し、同年11月に勤務先にて胃カメラを受ける。検査時の生検で、胃がん発覚。その後大学病院へ紹介される。幽門側胃切除術を受けた後、2週間の療養を経て、仕事復帰。子育て中であることもあり、時短勤務。現在は薬の服用はなく、半年に1度受診し、採血と造影CTの撮影をおこなっている。

今村 英利

記事監修医師
今村 英利(いずみホームケアクリニック)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。

いざ自分がなってみると死がよぎりました

いざ自分がなってみると死がよぎりました

編集部編集部

病気が判明した経緯について教えてください。

川田さん川田さん

2020年11月に職場の健康診断で、ピロリ菌の陽性が判明し、胃カメラを受けました。また、生検も受けた結果、胃がんが発覚し、その後大学病院を紹介されました。そこで大腸カメラ、バリウム検査をおこない、術前検査も経て、12月にESD(内視鏡的粘膜下層はく離術)の治療を受けました。その後の病理結果から、大きさが3cm以上の低分化腺がん(悪性度の高いがん)だと判明したので、消化器外科にて幽門側(ゆうもんそく)胃切除術を受けました。

編集部編集部

どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか?

川田さん川田さん

胃カメラを受けた消化器内科の医師からは、外科的手術をするしかないと言われました。

編集部編集部

病気が判明したときの心境について教えてください。

川田さん川田さん

医療現場で働いていたので、がんがすぐに命に関わる病気ではないことは知っていました。でも、いざ自分がなってみると、一番に死が頭をよぎり、子どもを残して死にたくないと思いました。

AYA世代のがん患者さんとの交流

AYA世代のがん患者さんとの交流

編集部編集部

発症後、生活にどのような変化がありましたか?

川田さん川田さん

自覚症状は特になかったので、生活に変わりはありませんでした。ただ精神的ショックが大きかったです。ネットでひたすら胃がん患者の体験記を探して読みました。Instagramにも闘病用アカウントを作り、AYA世代(Adolescent and Young Adult/思春期~30代ぐらいの世代)のがん患者さんとの交流を開始しました。

編集部編集部

どのような交流をSNSでされたのですか?

川田さん川田さん

とにかく病気に関しての情報がほしかったので、「#胃がん、#幽門側胃切除」などのハッシュタグを使って検索しました。検索することで、同世代に胃がんの方がたくさんいることを知りました。ほかにも、同じ手術をした方数名にメッセージを送ったこともあります。皆さん親切に術後のことを教えてくださり、不安な気持ちに共感していただき、救われました。

編集部編集部

SNSでつながった仲間が励ましだったんですね

川田さん川田さん

そうですね。手術前の不安な気持ちを投稿したときも、励ましのコメントをいただき、前向きな気持ちになれました。先に手術された方が投稿された術後の経過を読んで、「自分も何日後かには元気になれる」と見通しを持てたのもよかったです。私もほかの方の役立てればと、自分の術後経過も投稿しました。ただ、メッセージをやりとりした方が亡くなられたときは落ち込みました。

編集部編集部

治療中の心の支えはなんでしたか?

川田さん川田さん

家族です。子どもたちはまだ幼いのですが、入院が長期にわたるため、病気の説明をしました。コロナ禍で、入院中は一度も面会できませんでしたが、夫や両親の助けもあり、子どもたちは学校にもいつもどおり行くことができました。子どもたちの頑張る姿に励まされ、早く会いたくてリハビリを頑張りました。両親は、がん封じの御守りをいくつも用意してくれました。心配をかけていることを申し訳なく感じ、絶対元気にならなければと思いましたね。

忙しい世代でもがん検診を受けてください

この記事の監修医師