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子どもの熱中症予防は何に気をつければいい? 気を付けるポイントを教えて!

公開日:2022/06/01

夏が近づくと熱中症が心配になってきます。特に子どもは、周りの大人が注意してあげる必要があります。今回は、子どもの熱中症予防と注意するポイントについて「看護師」の吉村さんに話を伺いました。

吉村真佐美さん

監修
吉村 真佐美(看護師)

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神奈川県立衛生短期大学卒業後、県立こども医療センターに就職。結婚後は産婦人科クリニックでの勤務や産業看護師として企業の健康管理業務に従事。現在は看護師として働きながら、医療ライターとしても活動中。

外気の影響を受けやすい子どもは熱中症になりやすい

外気の影響を受けやすい子どもは熱中症になりやすい

編集部編集部

そもそも熱中症とは、どのような状態ですか?

吉村真佐美さん吉村さん

暑さによって体温が調節できなくなり、体内に熱がこもってしまう状態を熱中症と言います。重症になると脳や内臓がダメージを受けることもあり、大変危険です。気温や湿度の上昇、無風状態、激しい運動などが引き金になります。

編集部編集部

子どもは熱中症になりやすいと聞きましたが、なぜでしょうか?

吉村真佐美さん吉村さん

子どもは体重あたりの体表面積が大きいので、気温の影響を受けやすい傾向があるためです。そのうえ、体温調節が未熟で、汗をかく能力が大人より低いため、体内の温度が上昇しやすくなります。また、子どもは自分で体調管理が難しかったり、地面からの距離が短いため熱の影響を受けやすかったりすることなども影響します。

編集部編集部

寝ている間にも熱中症になる危険性はありますか?

吉村真佐美さん吉村さん

日中に比べると可能性は低いですが、睡眠中も熱中症になる危険性はあります。寝る前の水分補給や、室内の温度調節が大切です。空調機の温度を高めに設定して、扇風機で空気を循環させるといいでしょう。その際、風や冷気が体に直接当たらないようにする必要があります。

子どもの熱中症予防は、こまめな水分補給がポイント

子どもの熱中症予防は、こまめな水分補給がポイント

編集部編集部

どのタイミングで、どれぐらい水分補給をすればいいのでしょうか?

吉村真佐美さん吉村さん

子どもは夢中になって遊んでいると、水分補給を忘れてしまいがちです。喉が渇いたと感じる時点ですでに脱水は始まっているので、渇く前に補給することを心がけてください。食事のとき、出かける前、おやつを食べるタイミングなど、時間を決めて補給するのがおすすめです。必要な水分量は年齢によって違いますが、幼児なら1回100ml程度を少しずつ補給するといいでしょう。

編集部編集部

経口補水液が必要なのはどんな時でしょうか?

吉村真佐美さん吉村さん

経口補水液を飲ませた方がいい場面は、熱中症が疑われるとき、体調不良で食事を食べられていないとき、真夏に屋外で長時間運動をするときなどです。糖尿病、腎臓疾患などの持病があって、ブドウ糖、塩分、カリウム制限のあるお子さんは経口補水液を飲ませない方がいい場合があるので、医師に相談しましょう。基本的には食事がしっかり摂れていれば、麦茶や水でも大丈夫です。夏で暑いからといってスポーツドリンクや経口補水液を習慣的に飲んでいると、糖分の摂りすぎに繋がります。授乳中の赤ちゃんも、普段はミルクや冷ましたお湯で大丈夫です。

編集部編集部

ほかに注意が必要なポイントはありますか?

吉村真佐美さん吉村さん

一番大切なのは、子どもの様子に常に注意を配り一人にしないことです。屋外で遊ぶときは、涼しい時間帯を選び、時々休憩をしましょう。こまめな水分補給や衣服の着脱など親が声かけするといいでしょう。また、ベビーカーに乗ったお子さんは、熱反射を受けやすいので特に注意が必要です。

子どもの熱中症の症状は? 風邪との見分け方や受診の目安について

子どもの熱中症の症状は? 風邪との見分け方や受診の目安について

編集部編集部

乳幼児や子どもの熱中症の症状にはどんな特徴がありますか?

吉村真佐美さん吉村さん

軽度のものでは、めまいやたちくらみ、筋肉痛、こむらがえりがみられます。子どもが顔を真っ赤にして大量に汗をかいていたら、深部の体温が上昇している可能性があります。中等度では、頭痛や嘔吐、倦怠感、体に力が入らないなどです。重度では、体温が高い、けいれん、質問に答えないなどの意識障害の症状が現れます。言葉をしゃべれない乳児では、皮膚が乾燥している、元気がない、尿の量が少ない、目を合わせられない、不機嫌、その他いつもと様子が違う場合は熱中症を疑ってください。また、重度になると後遺症が残ることもあるため、予防が何よりも大切です。

編集部編集部

熱中症と風邪との違いや見分け方はありますか?

吉村真佐美さん吉村さん

暑い場所で過ごした後に熱中症の症状があれば、熱中症を疑います。それでも、風邪やほかの病気と熱中症の症状の区別は難しいので、前後の経過をみて判断が必要です。一般的には、軽度の熱中症では適切な処置をすれば症状は消失しますが、風邪などのほかの疾患の時には、症状が続きます。また、風邪などの場合は、喉の痛みや鼻汁、咳など熱中症以外の症状があります。

編集部編集部

熱中症になったときの応急処置を教えてください。

吉村真佐美さん吉村さん

とにかく冷やすこと、水分を補給することが大切です。冷房のある部屋や風通しのよい木陰などに避難します。冷えたペットボトルを体に当てる、水を浴びる、保冷剤などをタオルで巻いて当てる、冷たいおしぼりで拭く、扇風機やうちわであおぐなどもあわせて行います。冷やす場所は、おでこより、太い血管のある首の下、腋の下、足の付け根が効果的です。水分補給は意識がもうろうとしている時に無理に飲ませると、誤嚥の危険性があるため注意が必要です。

編集部編集部

受診や救急車を呼ぶ目安ってありますか?

吉村真佐美さん吉村さん

意識障害がある、まっすぐ走れない、歩けない時にはすぐ救急車を呼び、待つ間に応急処置をします。意識障害は、呼びかけに答えないだけでなく、言っていることがおかしい、視点があわない、もうろうとしている状態も含みます。朝は元気だったのに、暑いところで過ごした後に頭痛や嘔吐の症状があるようでしたら中等度の危険があります。応急処置をして早期に受診、または救急車を呼んでください。

編集部まとめ

子どもは暑さの影響を受けやすく、大人が感じているよりも熱中症になりやすいことが分かりました。普段からそばにいる大人が気を配り、小さな変化も見逃さず、応急処置の知識も身に着けておく必要がありそうです。