【闘病】「3日に1回は動けなかった」私の全身性エリテマトーデス(1/2ページ)
※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2021年8月取材。
体験者プロフィール:
難病daysエリさん(仮称)
愛媛県在住、1982年生まれ。夫と娘と三人暮らし。診断時は高校2年生。1999年に全身性エリテマトーデス(SLE)を発症し、プレドニゾロン30mg投与で治療開始。10年の間に再燃を繰り返し10回程度入院。その後軽快し、2017年出産。2019年よりプラケニル投与を開始し、2022年現在プレドニゾロン5mgまで減量。現在は家事育児に専念しつつ、難病の啓発活動をしている。
記事監修医師:
村上 友太(東京予防クリニック)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。
風邪だと思っていたら全身性エリテマトーデスだった
編集部
病気が判明した経緯について教えてください。
難病daysエリさん
14歳のときに、風邪で血液検査をしたときに、白血球の数値が異常に低い(1500/μL程度)ことがわかったのです。大きな病院に行くと「再生不良性貧血」と診断されました。そのころは自覚症状がなく、普通の中学生活を送っていましたね。
編集部
そこから変化があるのは?
難病daysエリさん
17歳のときです。学校から帰ると、全身に赤い斑点ができていました。翌日、近所の内科を受診すると、皮膚科に行くように言われ、さらにそのあと大学病院を紹介されました。大学病院の皮膚科を受診すると、すぐに入院となりました。39度ほどの熱が出て関節が痛く、和式トイレで用を足すこともままなりません。熱が高いときは、テレビも見ていられず、横になっていました。夜は紅斑がかゆくて眠れません。なかなか告知をしてもらえなかったので自分では風邪だと思っていましたが、入院して2ヶ月経ったころに、「あなたは再生不良性貧血ではなく、全身性エリテマトーデスという病気だよ」と説明を受けました。
編集部
病気や治療、今後について医師からどのような説明がありましたか?
難病daysエリさん
「ステロイドというお薬を、ずっと飲み続けることになります。病気自体は治ることがないので、うまく付き合っていかなければいけません。でも、退院すれば普通の暮らしはできます」と言われました。ほかにも、「日常生活で無理をすると悪化してしまうので、絶対に無理をしないように。ストレスもこの病気を悪化させるので、ストレスを溜めてはいけない。海水浴やスキーなど日光に当たるようなことをしてはいけない。登山やマラソンなど、疲れる競技をしてはいけません」と説明されました。
編集部
病気が判明したときの心境について教えてください。
難病daysエリさん
私は病気や障害とは無縁だと思っていたので、ドラマの登場人物のような、どこか別の違う人の話のように聞こえました。けれど、薬を飲むだけで普通の生活ができるなら、どうってことはない、とにかく治療を頑張って早く退院したい、頑張ろうと前向きにとらえていました。
編集部
全身性エリテマトーデスを発症後、生活に変化はありましたか?
難病daysエリさん
今までの普通の生活とは程遠いものでした。とにかく疲れやすく、学校に行くのは2日連続が限界で、2日行けば1日は休まなければならないほどです。月曜日、火曜日に学校に行くと水曜日には倦怠感で起き上がることができない。倦怠感が出ると、強烈な眠気と、3歳の子供が2人くらい乗っているような強烈な体の重さを感じました。何度も何度も学校を休まなければならなかったので、休んだ日は「みんなは頑張っているのに」という罪悪感と「自分が怠けているだけじゃないだろうか。本当は学校に行けたんじゃないか」という情けなさで、一日中泣いていました。
編集部
そのような状態がずっと続いたのですか?
難病daysエリさん
「普通の生活をできる日はいつ来るのだろう?」とずっと思っていましたが、大学を卒業しても、「普通の生活だ」と自分が思える日はついに来ませんでした。人生の半分は倦怠感で寝込んでいるし、少し学校の取り組みを頑張るとすぐ入院してしまう。そのような状況では、就職活動もできませんでした。
難病と共に歩む日々:SLE患者が語る治療と支え、そして未来への希望