【闘病】「3日に1回は動けなかった」私の全身性エリテマトーデス(2/2ページ)
闘病中の心の支えは母の存在
編集部
現在の体調や生活などの様子について教えてください。
難病daysエリさん
2017年に妊娠出産も経験しまして、目立ったSLEの悪化はありませんでした。2019年にプラケニルという新薬の投与を開始してからは、軽快状態が続いています。とにかく倦怠感を感じることが極端に少なくなったので、本当に普通の生活ができていると思います。精神症状は発病当初から2020年ごろまでひどく、1か月の間に何度も無気力状態になっていたのですが、SLEが軽快し、ステロイドが減量していくにつれ、症状がなくなっていきました。
編集部
これまでの心の支えはなんでしたか?
難病daysエリさん
母の存在です。苦手な車を運転し、病院や学校への送迎をしてくれ、毎回嫌味を言われてもめげずに学校への欠席の連絡をしてくれていました。私が留年するかもしれないときには、学校へ赴き、学年主任に直談判をして留年を阻止してくれたこともあります。学校を休むことに罪悪感を感じていた私に「今は休む勇気を持て」と言ってくれた言葉がありがたかったです。
編集部
もし昔の自分に声をかけられたら、どんな助言をしますか?
難病daysエリさん
学生生活中の自分には、とにかく無理をしないように言いたいです。病気になる前と同じ生活をしようと頑張ると、かえって遠回りになります。病気になる前の60~70%くらいのペースで、毎日同じことを継続できるようになったほうがいい。そして、好きなことをするのはストレスの発散になるので、やめないでいい。こんなところです。
編集部
あなたの病気を意識していない人に一言お願いします。
難病daysエリさん
SLEになったばかりのころは「風邪かな?」と感じる程度の症状でした。私は未成年だったので、親元にいましたが、もし大人だったら無理して仕事して、重篤な状態になっていたかもしれません。紅斑や熱の症状が続くようでしたら、すぐに病院を受診してください。
編集部
医療従事者に伝えたいことはありますか?
難病daysエリさん
不安な時に寄り添っていただき、感謝しています。看護師さんたちのおかげで、入院生活はいつも快適でした。病気になったころは、診察室で長い間、主治医に話を聞いてもらいました。検査の数値の内容も、いつも分からなくなってしまうのですが丁寧に教えてくださってありがたいです。当時はステロイドには偏見が多く「今すぐステロイドをやめたほうが良い」と民間療法を勧めてくる人もいました。今のように情報がなかった時代なので、自分の受けている標準治療が正しいかどうかも分からず、心が揺れ動きました。そういった中でも懸命に寄り添い治療をしてくださっている医師を信じることが、心の支えになりました。
編集部
最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。
難病daysエリさん
生活リズムと心を整え、薬をきちんと飲むことしか私たち患者にはできないと思います。病気になる前と比べて何%くらいの稼働率で動けているのか。これは人によって違うのですが、それを生活しながら見つけていくことが「無理をしない生活」につながると思います。私のように急に新薬で軽快状態になる場合もありますので、標準治療と医学の発展を信じて前向きな気持ちで治療に取り組んでいただきたいと思います。
編集部まとめ
全身性エリテマトーデスは、倦怠感や発熱、痛みなどによって毎日の生活の質が低下するだけでなく、命に関わるような症状も引き起こす可能性のある病気です。エリさんは難病である全身性エリテマトーデスによって通常の生活を送ることが困難であったにも関わらず、病気とうまく向き合いながら前向きに生きようとされていることが印象的でした。エリさんの病気に対する姿勢に、同じように全身性エリテマトーデスと戦っている方も励まされるのではないでしょうか。エリさんから、とにかく無理をせず、生活リズムと心を整えることが治療を受けるためのベースになること、標準治療と医学の発展を信じることの大切さを教えていただきました。