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【不妊治療】不妊原因の半分は男性側!? 常日頃の○○が左右するとは…

 更新日:2023/03/27

副編集長の佐藤あやが、20~30代女性の気になる医療情報を専門医に聞く対談企画の第2弾。2022年4月から不妊治療が保険適用されることで話題の今、産婦人科専門医・菊地盤先生に改めて不妊の原因や男性不妊について解説してもらいました。

菊地 盤医師

監修医師
菊地 盤(メディカルパーク横浜 院長)

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順天堂大学医学部卒業。順天堂大学医学部附属病院の産婦人科での勤務を経て、2019年から現職。これまで多くの婦人科腹腔鏡手術を経験し、婦人科内視鏡手術のガイドライン策定にも携わっている日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本がん・生殖医療学会理事、日本不妊カウンセリング学会評議員 、ベストドクターズ2018~2019。

佐藤あやさん

佐藤あや(「Medical DOC」副編集長)

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モデル。最新医療に関心が高く、2021年8月から「Medical DOC」副編集長に。YouTubeチャンネル『教えてドクター・Medical DOC』でMCとして活動。一児の母としての目線にも注目。

男性不妊について

男性不妊について

佐藤あやさん佐藤あや

不妊って女性だけじゃなくもちろん男性にも理由がありますよね?

菊地 盤医師菊地先生

一般男性も年齢によって妊娠能力が落ちるので、半分は男性側に不妊の原因があるといえます。精液検査は手軽にできるので、なるべく早い段階でお受けになった方がいいかと思いますね。女性はどうしても通院が必要だったり、ご負担の大きな検査になったりしますから、まずは男性からという感じでもいいのではないかと思います。

佐藤あやさん佐藤あや

どうしても女性の方がすごい気にしてクリニックに通うイメージがあるんですけど、男性の方が簡単にできるのであれば積極的に行ってほしいですよね。

菊地 盤医師菊地先生

最近は私のクリニックでも夫婦でご来院される方も多くなってきました。いまだに男性が「俺のせいじゃない」って思い込んでしまっている方もいらっしゃるようです。どうしてもクリニックに行きたくないとか、病院は行きたくないという方の場合は、最近はスマホを用いて検査キットみたいなもので簡便な精液検査ができるものもあります。

佐藤あやさん佐藤あや

自分でできるのですか?

菊地 盤医師菊地先生

自分でできる検査は射精して精子を入れるだけなので、そういったこと手軽にやってみるのがいいでしょう。もし異常があったら、クリニック受診してみようかなというような考え方もいいと思いますね。

佐藤あやさん佐藤あや

普段から男性が頑張れるというか、気をつけた方がいいことはありますか?

菊地 盤医師菊地先生

大事なのは射精の頻度を上げておくことだと思います。すごく溜め込んだ方がいい精子が出るとおっしゃる方もいらっしゃいますが、実際には精子というのは毎日作られています。作る能力を上げるためには筋トレなどと同じで、普段から射精をある程度2、3日に1回ぐらいは射精があった方がいいとされていますね。

佐藤あやさん佐藤あや

頻繁に射精することで精液が薄まることはないのですか?

菊地 盤医師菊地先生

一時的に減るかもしれませんけど作る能力も上がってくるわけですから、射精がちゃんとあった方がいいということになりますね。常日頃からが大事です。

病院選びのポイント

病院選びのポイント

佐藤あやさん佐藤あや

不妊治療のクリニックに行きたいなと思っても敷居が高いと思う人も多いのではないかと思いますが、どうやってクリニックを選ぶのがいいですか?

菊地 盤医師菊地先生

不妊のクリニックって例えば都内だとたくさんありますよね。でも地方だと少ないんですよ。地方だとそもそも不妊のクリニックは、ここしかないみたいなところもあります。やはり通いやすさというのはひとつ重要になってくると思います。通院がどうしても必要ですからね。

佐藤あやさん佐藤あや

通いやすさの他にもクリニック選びのポイントがあれば教えてください。

菊地 盤医師菊地先生

不妊治療といっても人工授精までしかやっていないところもあります。体外受精は不妊治療の最後の砦ですから、やはり体外受精までやっているというのは、ひとつ重要なポイントだと思いますね。そこに培養士さんがいらっしゃったり、ある程度のところまで対応ができたりするということになります。保険適用にも繋がりますけど、タイミング法や人工授精だけでダラダラと不妊治療を続けると、年齢が上がってしまい、体外受精ができなくなるケースもあります。「もう少し早く行けば体外受精で妊娠できたのに」と思うことだけは避けたいので、うまく考えていただくといいと思います。

スピリチュアルな診療

スピリチュアルな診療

佐藤あやさん佐藤あや

妊娠だけじゃなく出産もそうだと思うんですけど、スピリチュアルなことを取り入れているクリニックもあると思うのですが、いかがですか?

菊地 盤医師菊地先生

出産自体は自費診療ですから、それぞれのクリニックで様々な取り組みをされていますよね。すべてがエビデンスで片付けられるものではないですが、今回の保険適用である程度エビデンスのあるものは保険適用になりますよ。エビデンスが高くないものは先進医療とか、もしくは自費診療になってしまいます。新しい情報が厚生労働省から出てくると思うので厚生労働省のホームページを見ていただくといいでしょう。あまりエビデンスがないものをいっぱいやってしまうのは危険だと思うのでしっかりと見極めたほうがいいと思いますね。

佐藤あやさん佐藤あや

2022年4月から体外受精などの保険適用も可能ですし、これからは保険適用をうまく利用して不妊治療に取り組んでいきたいところですよね。

菊地 盤医師菊地先生

なるべく早めに体外受精を含めて治療に入っていただければいいと思いますね。

佐藤あやさん佐藤あや

気軽にクリニックに行けるようになるといいですよね。

菊地 盤医師菊地先生

一部には安易な体外受精が行われてしまうのではないか、というような意見もありますが、そもそも安易に不妊治療する人はいらっしゃらないと思います。ご夫婦で考えてのことなので、それであればしっかりとやれる時にやるというのがいいんじゃないかと思います。

この記事の監修医師