急性低血圧ってどんな状態? どんな時に起きるの?

公開日:2022/01/07  更新日:2022/01/06

普段から、血圧が低めで体のだるさやめまいを感じている方も多いでしょう。低血圧には、大きく分けて慢性低血圧急性低血圧があります。慢性低血圧は、体質や病気によるもので、ある程度症状をコントロールすることができます。しかし、急性低血圧は急激に発症し、命に関わることもある重篤なものです。今回は、そんな急性低血圧について工藤先生にお話を伺いました。

工藤 孝文 医師

監修医師
工藤 孝文(医師)

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みやま市工藤内科 院長・糖尿病内科医・漢方医・統合医療医。福岡大学医学部を卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。現在は、福岡県みやま市の工藤内科にて、糖尿病内科・ダイエット外来・漢方治療を専門に、地域診療を行っている。NHK「ガッテン!」「あさイチ」、日本テレビ「世界一受けたい授業」などテレビ出演多数。著書は50冊以上におよび、Amazonベストセラー多数。YouTube「工藤孝文のかかりつけ医チャンネル」が現在人気を集めている。 
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会・日本東洋医学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・日本高血圧学会、日本甲状腺学会・日本遠隔医療学会・小児慢性疾病指定医。

低血圧とは?

低血圧とは?

編集部編集部

急性低血圧について伺う前に、低血圧について教えてください。

工藤 孝文 医師工藤先生

低血圧とは、最高(収縮期)血圧100mmhg以下、最低(拡張期)血圧60mmhg以下の状態を指します。低血圧は、高血圧とは異なり本人が何らかの症状を自覚して受診しない限り病気とは診断されません。そのため、自覚症状がない場合には低血圧とは診断されず、気付かない方もいらっしゃいます。しかし、血圧は体内のさまざまな臓器に酸素や血液を供給するなどの重要な役割があるため、低過ぎても体に何かしらの影響が出る場合もあります。

編集部編集部

具体的に、低血圧ではどのような症状がみられるのでしょうか?

工藤 孝文 医師工藤先生

低血圧の原因や種類にもよりますが、一般的にはめまいや立ちくらみ、体のだるさ、吐き気、動悸、息切れを生じたり、重症の場合には失神したりすることもあります。

編集部編集部

低血圧でも失神などの重症になることもあるのですね。

工藤 孝文 医師工藤先生

低血圧の状態が慢性化すると普段から体調不良になることも多く、万が一失神した場合には、骨折や頭部外傷など二次的な問題も生じる恐れがあるため、注意が必要です。

急性低血圧とは?

急性低血圧とは?

編集部編集部

では、急性低血圧について詳しく教えてください。

工藤 孝文 医師工藤先生

急性低血圧は、ワクチンや薬剤を投与された場合にアナフィラキシーショックを生じたり、急性アルコール中毒や心臓・血管の病気などが原因でショック症状を生じたりする場合に血圧が急激に低下してしまう病態です。原因にもよりますが、命に関わることもあります。

編集部編集部

急性低血圧は重篤な病態なのですね。

工藤 孝文 医師工藤先生

そうですね。慢性的な低血圧の場合には、ある程度症状をコントロールできることもあります。しかし、急性低血圧では薬剤や病気が原因で急激に生じるため、予防やコントロールを図ることが困難です。

編集部編集部

では、急性低血圧とほかの低血圧とは大きく異なるのですね。

工藤 孝文 医師工藤先生

慢性低血圧の場合にも、急激に血圧が低下すれば重篤な状態に陥る可能性はありますが、生活習慣を整えたり治療を受けたりすることで症状のコントロールを図ることができます。急性低血圧の場合には急激に血圧が低下し予測不能のため、原因によっては命に関わることもあるため、そういった点では大きく異なるといえます。

急性低血圧の原因と予防法

急性低血圧の原因と予防法

編集部編集部

急性低血圧を発症してしまった場合、どのような治療が行われるのでしょうか?

工藤 孝文 医師工藤先生

場合によっては昇圧剤などを使用し、原因となるアレルギーや病気に対する治療が行われます。ショック症状などが出現している場合には、集中治療が行われることもあります。そのため、入院や通院が必要なケースもあります。

編集部編集部

急性低血圧は、予防することは可能なのでしょうか?

工藤 孝文 医師工藤先生

急性低血圧は予測不能のため、事前に予防することは困難といえます。

編集部編集部

では、どういった対策が必要でしょうか?

工藤 孝文 医師工藤先生

ワクチン接種や薬剤によるアナフィラキシーショックは、確率は低くても誰にでも生じうるものです。そのため、実施する医療機関では投与後に経過観察を行い、そのような事態に備えます。ワクチンや造影剤などの薬剤を投与される場合には、医療機関で指定された時間は安静にし、気分の悪さや吐き気など体調に異常を感じた場合には、すぐに近くのスタッフに知らせましょう。また、急性低血圧の原因になることがある心臓や血管などの病気は、生活習慣が原因で発症することがあります。そのため、日頃の生活習慣を整えることが対策になります。脂質の摂り過ぎや運動不足、肥満を予防し、規則正しい生活習慣を心掛けることが重要です。ほかにも、空腹での飲酒や一気飲みなどの無理な飲み方をしないことも大切です。

編集部まとめ

低血圧の中でも、急性低血圧は重篤な病態であることが分かりました。ワクチンや薬剤以外にも、病気や飲酒によっても生じる恐れがあるとのことです。規則正しい生活を心がけるとともに、過剰な飲酒などはしないようにすることが大切です。