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~実録・闘病体験記~ 「余命3ヶ月の命」から4年で寛解した、私の急性リンパ性白血病

 更新日:2023/03/27
~実録・闘病体験記~ 「余命3ヶ月の命」から4年で寛解した、私の急性リンパ性白血病

闘病者・蝦名さんは、急性リンパ性白血病となり、余命3ヶ月と宣告されました。しかし、4年間の闘病生活を経て寛解することができ、現在は自らカフェを経営するまでに回復しています。そんな蝦名さんに、病気の発覚から闘病中の様子、そして未来への希望について、語ってもらいました。

蝦名さん

体験者プロフィール
蝦名 聖也

プロフィールをもっと見る

東京都葛飾区在住、1987年生まれ。2017年に急性リンパ性白血病と診断。抗がん剤治療や放射線治療、2度の移植手術など4年間の闘病生活を経て寛解。現在は、体にやさしいカフェ、CAFE&DINING【SOY LOVE U】を地元の京成立石駅前にて2021年10月1日にオープン。

村上 友太

記事監修医師
村上 友太
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。

厳しい現実に「今日だけは泣いてもいい?」

厳しい現実に「今日だけは泣いてもいい?」

編集部編集部

始めに、病気が判明した経緯について教えてください。

蝦名さん蝦名さん

白血病だとわかったのは、体にできたあざを不思議に思い、母に写真を送ったことがきっかけです。母があまりにも心配していたので、僕は「心配しすぎだろう」とたかをくくっていたのですが、検査をすることで母を安心させることも親孝行だと思って翌日に病院へ行きました。すると、そこで急性リンパ性白血病だと判明しました。

編集部編集部

どのように医師から告げられたのですか?

蝦名さん蝦名さん

先生から告げられた言葉は「白血病の末期かつ遺伝子異常もあり、多数ある白血病の中でも予後不良と言われる最も深刻な状態」でした。治療については、抗がん剤治療放射線治療を経て、移植手術をする長期間かつ過酷な治療であると伝えられました。

編集部編集部

病気が判明したときの心境について教えてください。

蝦名さん蝦名さん

大学病院にて、僕と家族全員が個室に呼び出され、さまざまな苦しい現実を突きつけられました。その日ばかりは母に「今日だけは泣いてもいい?」と言って一日中泣きましたね。本当に涙ってこんなに流れるんだなと不思議に思うほど泣き尽くしました。

編集部編集部

そんな宣告を受けた後なら、心境お察しします。

蝦名さん蝦名さん

でも次の日には、「たとえ自分がどんな姿になっても、どのような影響があったとしても、自分のための人生を生きるのではなく、自分の大好きな人たちのために生きたい」と誓い、前だけを見て進み続けようと決断しました。

つらい入院生活でも自分に言い聞かせた言霊(ことだま)

つらい入院生活でも自分に言い聞かせた言霊(ことだま)

編集部編集部

入院中にはどのような症状があったのですか?

蝦名さん蝦名さん

入院中は毎日のように発生する嘔吐、頭痛、胸焼け、腹痛、下痢、口腔内出血、高熱、血尿、腰から下の麻痺、震え、痺れ、睾丸の痛み、関節の激痛、体力低下など、自分が想像できるすべての痛みが同時に起こりました。まさに激痛のオンパレードでしたね。発症後はずっと入院生活が続きました。

編集部編集部

入院中はどのような生活だったのですか?

蝦名さん蝦名さん

あまりのつらさに精神的にダメになって、自らを傷つけてしまう人もいるようなので、自殺防止で窓が開かない無菌室というところでの治療生活でした。体力低下はあったのですが、入院中から毎日必ず歩き続けていたので、日常生活はどうにかおこなえる体力は維持できました。

編集部編集部

治療中の心の支えはなんでしたか?

蝦名さん蝦名さん

ドナーとなってくれた兄と従姉妹、家族や親戚はもちろんのこと、病院でお世話になった皆さん、献血をしてくださった皆さん、応援してくださった皆さんの温かい思いが僕の支えでした。

編集部編集部

気持ちも前向きになっていったとお伺いしました。

蝦名さん蝦名さん

はい。最終的には「未来は明るい!」と自分に言い聞かすように、声に出して言うようにしていました。「言霊(ことだま)って本当にあるんじゃないかなぁ」なんて思っています。余命3ヶ月と宣告された僕が今こうして生きているのですから。

すべてのことが経験、前向きに捉えようという気持ち

すべてのことが経験、前向きに捉えようという気持ち

編集部編集部

現在の体調や生活などの様子について教えてください。

蝦名さん蝦名さん

さまざまな治療の影響なのか、大腿骨頭壊死という股関節の骨が壊死してしまいました。右脚は全人工股関節置換術(THA)によって人工股関節になりました。左脚にも痛みはあるものの、保存療法を続けています。痛みで、荷重をかけられなかったりするのですが、大変なことのない人なんて存在しないと思いますし、つらいことも人生を楽しむためには重要な要素の1つだと考えるようになりました。

編集部編集部

病気について意識していない人々に一言お願いします。

蝦名さん蝦名さん

白血病含めさまざまな病気は、栄養・休養・適度な運動・体を温める・深呼吸・ストレスを避けること、この6つを大切に心がけることによって回避できる可能性は高くなると思っています。また、何事もやりすぎや無理をすることは禁物なので、たまには自分を甘やかしてあげて、なるべく楽しい時間を過ごせるよう、前向きに生きていきましょう!

編集部編集部

医療従事者に望むことはありますか?

蝦名さん蝦名さん

病院の方々には本当にたくさんお世話になったので望むということはありませんが、長期間入院した患者の立場から思うことはネット環境が悪いことですね。改善できたら多方面にて入院されている方々も喜ばれると思います。

編集部編集部

最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。

蝦名さん蝦名さん

僕は良いことも悪いことも、経験した分だけ経験値となり、人となりになると思っています。また、変えられない事実は、前向きに捉えた方が、幸せに生きる時間を増やせると思います。時間は有限なので、「幸せと思える時間を増やすゲーム」だと思って、そのゲームだけは一緒に勝ち続けていきましょう。きっと未来は明るい。僕はそう思って生きています。

編集部まとめ

「これからもずっと、微かな光だとしてもその光の中に入れると希望を持ち、そしてそのための努力も忘れずに、楽しく生きていきたいです」と語ってくださった蝦名さん。希望を持つことで、急性リンパ性白血病を乗り越えての今があります。もし皆さんが、つらい状況に今いるのであれば、未来は明るいことを信じ前向きに捉えた言葉を口にしてみませんか?

この記事の監修医師