【闘病】私の生理不順や不正出血は「子宮体がん」によるものでした(2/2ページ)

普段から自分の状態を意識することの大切さ

編集部
治療中は何を心の支えにしていましたか?
山中さん
病気になる少し前に生まれた孫の存在です。子どもたちには苦労を沢山かけてきましたが、これからは子どもたちや孫のサポートをしたり、楽しく過ごす時間が持てたりするかなと思った矢先の病気発覚。ドクターからの説明では、がんの状態はそれほど軽いものではありませんでした。でもそのときに私の中で湧いてきたのは、不思議と病状に対するショックよりも、「何としてでも生きて、孫が成人するのを見届けたい」という強い気持ちでした。この希望があったから、私の心は折れることなく前を向くことができたのだと思います。
編集部
まわりのご友人の反応はどうでしたか?
山中さん
更年期世代の女性にとって、不正出血と、閉経に伴う生理不順は見分けがつきません。私の場合も迷いに迷いましたが、「何かいつもと違う」感覚が、受診への背中を押してくれました。本当にラッキーだったと思います。後日、同年代の友人たちにこのことを話すと、皆一様に「違いがわからない。よく病院に行ったね」と言っていたほどです。このように、更年期世代は不正出血に気付きにくいわけですが、子宮体がんの好発年齢はまさにこの更年期世代に始まり60代までがピークと言われているそうです。
編集部
子宮体がんを意識していない人に一言お願いします。
山中さん
「子宮頸がん」の検診はメジャーですが、子宮体がんの検診はそうではありません。私自身もこれまで子宮頸がんの検診しか受けたことがありませんでした。子宮体がんの検診は人によってはだいぶ痛みを伴うこともあるそうなので、そのせいもあるのか、あまり普及していないのかもしれませんね。なので誰でもやみくもに受けたほうが良いとは言えないのですが、何か「いつもの自分と違う」と感じることがあったら、勇気を出して受けてみてほしいと思います。
編集部
医療従事者に望むことはありますか?
山中さん
今のところドクター達とは、あまり関係性を築けていないのが本当のところです。先生方は皆さんいつもとてもお忙しそうで、聞きたいことや話したいことがあってもためらってしまうこともしばしばありました。手術など直接自分の体を預けることになるドクターと、もう少しゆったりとした信頼できる関係性が持てるような診療体制があるとうれしいと思います。
編集部
最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。
山中さん
決して自分の命に対する「決断」を、自分以外の誰かに委ねることのないようにしてください。病気を治療するには、さまざまな病院、ドクター、治療法、薬があって選択肢が次々と出てきます。自分ではとても決められないと思うようなこともあって、家族や友人に相談したり、本やネットの情報を集めたりすることもあるでしょう。でも最後は、ご自分が納得して自分の命に責任を持って決めてほしいと思います。担当医には聞きたいことを聞いて、説明に納得し、信頼があるのなら、その治療に身を委ねるという決断はもちろん有りです。しかし、誰かに気兼ねしたり、何かの意見に引っ張られたり、自分の命に対する大切な決断を、自分でし損ねることがないようにしていただきたいと思います。
編集部まとめ
「いつもの自分と違うことに気付くという感覚が大切です」と、何度も取材の中で語ってくださいました。また、自分の命に対する決断に対する熱い思いを受け取りました。自分の体の異変は自分が一番感じることができます。この記事を読んでいる方に伝えたい思い、「いつもと違う違和感があれば、まずは病院に行きませんか?」。山中さんの取材から早期発見への啓蒙につながるメッセージをいただきました。





