リハビリの専門職ってどんな職種があるの? 「理学療法士」と「作業療法士」の違いはなに?

公開日:2021/07/30

リハビリの手伝いをおこなう職業の「理学療法士」や「作業療法士」。実際にリハビリを受けたことがある人や家族がリハビリを受けたことがある人は「理学療法士と作業療法士は、一体どう違うのか?」という疑問を抱いたことはないでしょうか。今回は、一度は気にしたことがあるこの疑問を「理学療法士」の杉浦さんに投げかけてみました。

杉浦 良介

監修理学療法士
杉浦 良介(理学療法士)

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訪問看護・訪問リハビリテーションの10年の経験を元に、全国へ訪問リハを広める活動をしている。現在は、訪問リハビリテーションや通所リハビリテーションの在宅リハビリ統括として医療法人で科長を務める。訪問リハコミュニティ「リハビリコネクト」代表。書籍「リハコネ式! 訪問リハのためのルールブック」編著・監修。訪問リハブログ「リハウルフ」管理者。訪問看護メディア「ビジケア訪問看護経営マガジン」編集長。YouTube「訪問リハ&訪問看護&介護保険【制度マニア】」管理者などで活動中。

リハビリに関する専門職は3種類

リハビリに関する専門職は3種類

編集部編集部

まず、リハビリに関する専門職には、どのような職種や資格があるのでしょうか?

杉浦 良介杉浦さん

「理学療法士」、「作業療法士」、「言語聴覚士」の3つの職種があり、全て国家資格です。理学療法(Physical Therapist)はPT、作業療法士(Occupational therapist)はOT、言語聴覚士(Speech Language Hearing Therapist)はSTと、それぞれ略されることもあります。

編集部編集部

3つの職種の共通点は、どんなことがあるのでしょうか?

杉浦 良介杉浦さん

3つの職種とも、リハビリの専門職であることに変わりはありません。リハビリを通して、対象者の生活や人生の質の向上を目指していくという目的も同じとなります。また、病院の入院や外来、通所リハビリやデイサービス、入所施設、訪問リハビリや訪問看護ステーションなど共通した働く場も多いですね。

編集部編集部

他方で3つの職種の違う点は、どのようなことがあるのでしょうか?

杉浦 良介杉浦さん

理学療法士と作業療法士は、似ている点が多い資格です。一方、言語聴覚士はほかの2つとは少し違うところが多いため、まずは言語聴覚士の説明をさせていただきます。言語聴覚士は、言語障害や音声障害、構音障害、嚥下障害などの障害を抱えている方に、リハビリのサポートをおこないます。言語聴覚士は、理学療法士や作業療法士と比べて資格保有者は少ないですが、生活していくために必要な「言葉に関する支援」と「食事に関する支援」に関わるため、重要な職種といえるのではないでしょうか。

理学療法士はマッサージなどの物理療法で身体機能の向上を目指す

理学療法士はマッサージなどの物理療法などで身体機能の向上を目指す

編集部編集部

次は理学療法士について教えてください。

杉浦 良介杉浦さん

理学療法士は、身体に障害のある人に対して、基本的動作能力の回復のサポートをする職種です。

編集部編集部

理学療法士は、具体的にどのようなリハビリをしているのでしょうか?

杉浦 良介杉浦さん

「立つ・座る・歩く」などの練習を通して、筋力をつけたり関節を柔らかくしたりする運動療法がメインです。特に、下肢や体幹の運動療法を得意としています。また、電気や温熱、マッサージなどの物理療法などを通して、患者さんの身体機能の向上を目指します。

編集部編集部

作業療法士にはない、理学療法士だけの特徴はありますか?

杉浦 良介杉浦さん

理学療法士は、スポーツ関連の現場で働いていることもあります。サッカーや野球のプロチーム、実業団や大学・高校のチームなどでも活躍しています。そこではスポーツトレーナーやコンディショニングやトレーニングのメニュー作成、怪我の予防などに関わっています。また、スポーツや整形外科クリニックにも理学療法士が多い印象です。

作業療法士は身体だけでなく心に対してのリハビリもできる

作業療法士は身体だけでなく心に対してのリハビリもできる

編集部編集部

作業療法士について詳しく教えてください。

杉浦 良介杉浦さん

作業療法士は、身体や精神に障害のある人に対してのサポートをする職業です。なお、応用的動作能力や社会的適応能力の回復を図るために、手芸や工作などの作業をおこなわせることを作業療法といいます。

編集部編集部

作業療法士は、具体的にどのようなリハビリをしているのでしょうか。

杉浦 良介杉浦さん

作業療法士は、主に「身体障害」、「発達障害」、「精神障害」の3つに対してアプローチをしています。身体障害に対しては、上肢を中心とした運動や日常生活動作を得意としています。発達障害に関しては、小児疾患に対しての運動機能や動作練習を得意としています。また、精神障害に対しては、精神や心理状態、社会生活の適応能力を改善する目的で、手芸や革細工、陶芸、園芸、将棋などの作業を通したリハビリも実施します。

編集部編集部

理学療法士にはない、作業療法士だけの特徴はありますか?

杉浦 良介杉浦さん

作業療法士は、精神科病院でのリハビリや訪問看護ステーションでの精神科訪問看護などの現場で働くこともあります。そのため、身体だけでなく、心に対してのリハビリができるのも作業療法士の特徴です。また、職業センターで対象者の職業相談などをする人もいます。そこでは、仕事に必要な技能のチェックや練習などもおこないます。働く場所が見つからない人に対して、職業復帰を手助けする大切な役割も担っています。最近では、障害者施設などで働く作業療法士も増えてきています。

編集部まとめ

リハビリの専門職は、「理学療法士」、「作業療法士」、「言語聴覚士」の国家資格があるとのことでした。理学療法士と作業療法士に関しては、共通点も多くありますが、それぞれの得意分野や特徴もあります。今後、リハビリと関わった時、こうした知識がこれからの社会を生きていく上で役に立つかもしれません。