【動画付き】下肢静脈瘤の新しい治療法「グルー治療」、ほかの治療と比較して痛みが少ないって本当？‎

村山先生

下肢静脈瘤は、足の静脈がコブのようにふくらみ、目立って浮き出た状態のことを指します。通常は逆流防止弁と呼ばれるものが、静脈血が重力で逆流しないように働いています。しかし、何かしらの原因により逆流防止弁が壊れてしまうと、古い血液が下半身に溜まってしまいます。

村山先生

静脈の奇形や遺伝など、先天的なことが原因で起こることがあります。このような場合は、片足だけ発症するケースが多いようです。また、後天的な場合だと、ストレスやケガ、加齢などが原因と考えられ、両足とも下肢静脈瘤になることが多いようです。

村山先生

放置すると、足がゾウのように太くなることもあります。また、潰瘍ができて炎症や発熱が起こることに加え、血栓ができると痛みを伴います。下肢静脈瘤は悪化すればするほど再発の可能性が高まり、治療が難しくなります。できるだけ早く、最初の段階で治すことが大切です。現在、いくつかの治療法があります。

村山先生

「グルー治療」は、日本で約1年前からおこなわれるようになった、下肢静脈瘤の最先端治療です。カテーテルを使って静脈内に瞬間接着剤を注入し、圧迫することで血管を閉塞させる方法です。

村山先生

血管を焼かなくて済むため、神経やリンパ管などまわりの組織に損傷を与えず、合併症を起こさないのが最大のメリットです。また、痛みが少ない治療法のため、麻酔も軽くで済みます。さらに、曲がった部分にも治療ができ、発症した部分にピンポイントにアプローチすることも可能です。

村山先生

比較的、新しい治療法のため治療できる医師が少なく、まだまだ対応していないクリニックが多い点です。どこでも対応しているわけではありません。また、アレルギーによる副作用が起こる場合もあります。グルー治療で起こるアレルギー反応は遅発性で、2～4週間経ってから表れます。症状はじんましんで、治療を受けた人の10～20％くらいが発症しますが、内服薬を飲めば2～3週間で治るので安心してください。

村山先生

メジャーなのはレーザーや高周波を使った治療です。血管内からレーザーや高周波で静脈壁を焼いて閉塞させます。

村山先生

グルー治療と比べてメジャーな治療法のため、多くのクリニックでおこなわれている点です。先ほど副作用の話をしましたが、アレルギー体質の人には、こちらの治療法をおすすめします。デメリットはグルー治療と反対に、まわりの組織に損傷を与える可能性があることです。

村山先生

見た目がボコボコしていなくても、足が痛い、だるい、むくむなど異常を感じたら、ぜひ早めに受診してください。検査は超音波なので痛くありません。先ほども話したように早めに治療を始めれば、治りも早く、再発の可能性も低くなります。ぜひ一度相談にきてください。