「年齢のせいで結婚を焦るの嫌なんです」バリキャリ女子が決意した卵子凍結という選択肢
35歳を過ぎると、女性の妊娠率は大きく低下してしまうといいます。そこで注目されているのが、その時点での健全な卵子を凍結保存し、しかるべきタイミングで使うことができる、「卵子凍結」という技術。若年がん患者の卵子凍結への費用補助が発表されるなど、医学的適用については制度が整ってきていますが、完全自費負担となる健康な女性の卵子凍結については、産婦人科医の中でも賛否が分かれるそうです。今回は、「年齢のせいで結婚を焦りたくない」という34歳バリキャリOLの田中さんに、卵子凍結を決意した経緯と、実際に手術を受ける様子を密着取材させていただきました。
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https://youtu.be/hB65irUUq_w
監修医師:
船曳 美也子(オーク銀座レディースクリニック)
被験者:
田中さん
年齢のせいで結婚を焦りたくない
編集部
今回、卵子凍結を考えたのはどうしてでしょうか?
田中さん
自分の人生の中の大切な決断である、結婚する・しないとか、子供を産む・産まないとか、そういうことを年齢のせいで左右されるのが嫌だなと考えています。加齢に伴って妊娠出産のリスクが増えることは事実なので、今の自分が未来の自分のためにできることが卵子凍結だと思いました。
卵子凍結とは、将来の体外受精を見据えて卵子を受精していない状態で凍結する技術。卵子凍結にはがんなどの患者が治療後も妊娠できる能力を保つ為に行う医学的適応と、田中さんのような健康的な女性が加齢による卵子の老化を懸念して行う社会的適応の2種類があり、社会的適応については医師の見解が分かれています。また、社会的適応の場合、保険は適用されないため、費用は受けるクリニックにより異なります。オーク銀座レディースクリニックの場合、初回の平均は8.3個を採卵、約1.8年間保存し、平均費用は合計約43万円となります。
健康な方の卵子凍結は自費診療で費用もかなり高く、手術におけるリスクもあります。それに、まだまだ批判的な意見も多いと思いますが、決断に至った理由は何でしょうか?
田中さん
卵子凍結をする前に、先に彼氏を作った方がいいんじゃないの? とか、お見合いの方がいいんじゃないの? とか、言われたりもしたんですけど、それは自分の中でしっくりこなくて……。自分の中で一番納得できる方法が卵子凍結だったので、痛かったりとか費用が高かったりとか、そういうリスクは気になりませんでした。
田中さんが卵子凍結を受けるオーク銀座レディースクリニックは、不妊治療で培った凍結技術により、日本初の凍結卵子を用いての出産に成功したクリニックとして知られています。担当医の船曳美也子先生にお話を伺いました。
編集部
こちらで卵子凍結を受けるのはどのような方が多いのでしょうか?
船曳先生
当院で卵子凍結される方は30代から40代前半の方が多いですね。2020年は前年に比べ約2倍に増えており、今現在のところ1年間で200例くらいです。
卵子凍結の流れ
カウンセリング
卵子凍結の最初のステップは医師とのカウンセリングです。ここで卵子凍結のメリットやデメリットについて患者と再確認を行い、患者一人ひとりに合った採取の方法を決めていきます。
田中さん
不安に思っていたことも凄く分かりやすく説明していただいて、早く採卵したいなと楽しみになってきました。
事前準備
効率よく卵子を採取するために、内服薬や注射などを使用し、複数の卵子を育てます。排卵誘発を全く行わず、自然に卵が育つのを待つ方法もあります。排卵誘発剤の注射は自宅でおこなうこともできます。
手術当日
※手術前後の様子、流れは是非動画をご覧ください。
手術を終えて
田中さん
手術が終わって1時間くらいで目が覚めたんですけど、手術中は麻酔がかかっていたので痛みは全く感じませんでした。手術直後は結構痛みを感じて痛み止めを追加してもらいました。今の時点では、まだ何個の卵子を凍結できるかがわからないということだったので、経過を診てもらって1個でも多く凍結できたらいいなと思っています。
後日診療
手術後はクリニックとオンライン診療で体調の確認と採卵結果の説明があり、一人ひとりのプランに合わせて、今後の卵子について確認していきます。
担当ドクターより
船曳先生
これからキャリアだったりとか勉学だったりとか、そのような事のために、なかなか妊娠が考えられない、もしくはパートナーの意向などで今現在は妊娠を考えられない、だけど将来自分の子供が欲しいという方に対して卵子凍結は非常に有効な技術だと思っていますので、ぜひメリットデメリットを調べていただいて利用していただければいいなと思います。
編集後記
女性は年齢を重ねるにつれ、妊娠できる確率が下がっていくのは確たる事実。将来の妊娠の可能性を高める為、今できる一手として、卵子凍結という手段を選択肢の一つとして考えてみるのもいいのかもしれません。
医院情報
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診療科目 | 不妊治療・体外受精・卵子凍結 |