【漫画付き】子どもが喘息に…日常生活で気をつけることは?
子どもが喘息になってしまうと、体調管理や通院など大変なことが多いですよね。すぐに治る病気でないのが、喘息の辛いところです。少しでも子どもの負担を軽減するために、日常生活で気をつけられることはないのでしょうか? 葛西小児科の久保政勝先生にお話を聞いてきました。
監修医師:
久保 政勝(葛西小児科 院長)
東京慈恵会医科大学卒業。東京慈恵会医科大学附属柏病院の名誉院長、小児科客員教授を務める。その後、2011年葛西小児科の院長に就任。大学病院で長年培ってきた診療経験を活かし、町のお医者さんとして地域の子どもたちの健康を守る。
多要素が重なって引き起こされるのが喘息
編集部
喘息とはどのようなことが原因で起こる病気ですか?
久保先生
喘息になる原因は大きく分けて3つです。①自身、または家族の方がアトピー性皮膚炎や乾燥型湿疹などのアレルギー体質である、②鼻や気管支が過敏になっている、③ダニやハウスダストのある環境にいることです。
編集部
1つでも当てはまると、喘息になるのですか?
久保先生
そうではありません。アレルギー体質だから喘息を引き起こすわけではなく、アレルギー体質などにより過敏になった気管にハウスダストなどが入ると発症するのです。上記の3つの要素+αなど、多要素が重なり喘息を発症すると考えられています。
編集部
では日常生活の中で、その原因を取り除くことが大切なのですね。
久保先生
はい。気圧の変化など、人によって影響がするものが異なるものもありますが、日常生活の中でできることもありますよ。
家の中からとにかくダニを除去
編集部
では具体的になにをすればよいのでしょうか?
久保先生
喘息の8~9割はダニやハウスダストが原因と言われています。そのため生活環境の中から、原因となる物質を取り除くことが大事です。日本は気候的にダニが生息しやすく、完全に取り除くのは難しいのですが、ダニは紫外線に弱いので家の中に太陽の光を入れて布団を干すなど、基本的なことですが行うとよいでしょう。
編集部
自宅で他にできることはありますか?
久保先生
畳やじゅうたんはダニが生息しやすいので、こまめに掃除機をかけたり、壁なども時々掃除するといいでしょう。観葉植物もなるべく置かない方がいいでしょう。また洗えるものはなんでも洗ってください。
編集部
例えばどんなものですか?
久保先生
子どもが大好きなぬいぐるみも、ダニがつきやすいです。ダニは生きているものだけでなく、死骸や糞も喘息の原因になります。マメに掃除を行うなど、生活環境を整えることが効果的だと思います。
体力がつくと子どもの喘息は治る傾向に
編集部
子どもの頃に喘息にかかると、なかなか治らないのでしょうか?
久保先生
子どもの喘息は、成長と共に治る傾向にあります。小学校中学年になると、少しずつ体力がついてきます。そうすると免疫力が高くなり、風邪も引きにくくなってくるためですね。思春期の頃までには自然治癒する人が多いですよ。
編集部
大人になるまで喘息が続くこともあるのですか?
久保先生
そうですね。中にはそういう方もいます。ただ昔に比べて生活環境が良くなり、治療法も進化したため、成長につれて治って行く人が増えましたよ。
編集部
一度治ると、再び喘息になることはないですか?
久保先生
ホルモンバランスの乱れが喘息を引き起こすこともあるため、女性は初潮や出産後に再び喘息になることがあります。その場合は生活環境や体調管理などの見直しをしていくことが重要となるので、お医者さんに相談してみてください。
編集部まとめ
アトピー性皮膚炎や過敏な気管支、ダニなど、さまざまな原因によって引き起こされる子どもの喘息。すぐに治すことは難しいですが、家の中を清潔に保ちダニやハウスダストを減らせば、症状を改善させることができます。
子どもの喘息は体力がつく小学校中学年になると、治る傾向があります。キレイな環境の中で生活すれば、症状も軽くなっていくでしょう。
医院情報
所在地 | 〒134-0084 東京都江戸川区東葛西6-23-17 |
アクセス | 東京メトロ東西線「葛西」駅より徒歩7分 |
診療科目 | 一般小児科・小児アレルギー科 |