【漫画付き】お母さん必見! 子どもの夏風邪(手足口病・プール熱・ヘルパンギーナ)の原因と予防法について教えて!
今年も酷暑が続いていますね。この季節になるとよく耳にする「夏風邪」というワード。夏風邪はなかなか治りづらく、長引いてしまうというイメージの方も多いでしょう。冬の風邪となにが違うの? 子どもの夏風邪は大人にもうつるの? などの疑問を、葛西小児科の久保政勝先生に聞いてきました。
監修医師:
久保 政勝(葛西小児科 院長)
東京慈恵会医科大学卒業。東京慈恵会医科大学附属柏病院の名誉院長、小児科客員教授を務める。その後、2011年葛西小児科の院長に就任。大学病院で長年培ってきた診療経験を活かし、町のお医者さんとして地域の子どもたちの健康を守る。
子どもの3大夏風邪に要注意!
編集部
子どもの夏風邪は、冬の風邪となにが違うのですか?
久保先生
冬の風邪は咳や鼻水、発熱などの症状が一般的です。また、これらの症状を伴うインフルエンザも流行するのは冬ですね。一方、夏風邪も発熱は同じですが、咳や鼻水の症状はほとんどありません。咽頭炎や発疹、目やになどが、主な症状となります。
編集部
夏風邪に具体的に病名などはあるのですか?
久保先生
子どもがよくかかる3大夏風邪と呼ばれるものがあります。「手足口病」「プール熱」「ヘルパンギーナ」です。これらはすべてウイルス感染により、発症する風邪です。
編集部
それぞれの夏風邪について、詳しく教えてください。
久保先生
では、夏風邪で一番罹患率が高い手足口病から説明します。手足や口腔内、鼠蹊部(そけいぶ)、大腿部、臀部などに3〜7mm程度の丘疹、水疱疹が現れます。また、口腔内に口内炎が多発することがあります。発熱はほぼ出ないです。
編集部
なにが原因でかかるのでしょうか?
久保先生
飛沫や接触などで感染したエンテロウイルスやコクサッキーA16、エンテロウイルス71などが腸で増殖して、発症します。保育園など集団生活でもらってくることが多いのではないでしょうか。
編集部
どのように治療を行いますか?
久保先生
特効薬はなく、痛みなどがあれば鎮痛剤などを処方します。潜伏期間が3~6日あるので、熱が下がってもすぐに集団生活に戻らないようにしましょう。特によだれがひどい時の登園・登校はやめましょう。
ヘルパンギーナはよだれが重篤化のサイン
編集部
プール熱はどのような風邪ですか?
久保先生
正式名称を「咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)」と言います。アデノウイルスが水を介して人から人へうつることがあるので、プール熱とも呼ばれています。
編集部
どのような症状ですか?
久保先生
高熱が出るのが特徴です。他にも喉が痛い、目やに涙が出るなどの症状があります。咽頭炎のみであれば、2~3日で収まることが多いでしょう。こちらも特効薬はないので、対症療法で薬などを出すことがほとんどです。
編集部
ヘルパンギーナはどのような風邪ですか?
久保先生
発熱、喉の痛みが主な症状です。よだれが出てくると、食べ物を飲みこめないくらい喉が痛くなっている重症化のサインなので注意しましょう。低年齢の子どもほど、熱が高くなる傾向です。口の中に2~4mmの水泡や潰瘍ができることもあります。
編集部
こちらもウイルス感染が原因ですか?
久保先生
そうですね。飛沫や接触により、エンテロウイルス 、主にコクサッキーA群ウイルスに感染したことが原因です。熱は1~2日で、すべての症状も1週間以内に収まります。治療も症状に対する対症療法のみで、合併症を起こすなど重篤にあることはほとんどありません。
手洗いうがいが夏風邪の最大の予防
編集部
夏風邪になった際の注意事項について教えてください。
久保先生
喉に痛みがあるので、オレンジジュースのような刺激のある飲みものは避け、喉ごしの良い少し冷たい飲みものを与えるのがおすすめです。
編集部
大人でも子どもの夏風邪にはかかりますか?
久保先生
手足口病は大人でもかかることがあります。子どもよりも重症化することが多く、ひどいと髄膜炎(ずいまくえん)になることも。重症化しなければ1週間以内には治りますが、お腹の症状が長引く傾向にあります。お子さんからもらうことが多いため予防は難しいですが、異変を感じたら早めに受診をしてください。
編集部
最後に読者の方へメッセージをお願いします。
久保先生
すべてウイルス感染ですので、基本的なことになりますが、手洗いうがいが最大の予防です。保育園や幼稚園など集団生活で感染することが多いので、帰宅後に必ず手洗いをする習慣をつけましょう。
編集部まとめ
子どもが夏にかかる風邪は「手足口病」「プール熱」「ヘルパンギーナ」の3つがメイン。それぞれ飛沫や接触によるウイルス感染が原因で、保育園など集団生活でもらってくることが多いようです。
夏風邪は1週間以内で治るものがほとんど。手洗いうがいが最大の予防なので、帰宅後にする習慣をしっかりつけましょう。
医院情報
所在地 | 〒134-0084 東京都江戸川区東葛西6-23-17 |
アクセス | 東京メトロ東西線「葛西」駅より徒歩7分 |
診療科目 | 一般小児科・小児アレルギー科 |