「顔面けいれんが止まらない」メカニズムや対策を医師が解説！

山王先生

治せます。顔面けいれんは疲れているときに出やすいので、ストレスをためないことが大切です。睡眠を良くとるようにしましょう。それでも収まらなかったら、のみ薬や注射、手術による治療を検討します。

山王先生

耳の近くの場所で、「顔面神経」と「動脈」が接しているからです。耳の後ろ奥にある脳幹部から出た顔面神経の出口が脳動脈に圧迫されると、けいれんを起こします。疲れているときは、ことさら神経が敏感になっていますので、症状として現れやすいですね。

山王先生

軽度な場合は、精神安定剤で様子をみます。それでも治らなかったら、薄めたボツリヌス毒素を注射します。ボツリヌス毒素には筋肉をマヒさせる働きがあるからです。なお、手術で「顔面神経」と「動脈」を離すこともできますが、あくまで最終手段になります。とくにご高齢者は手術リスクが高まりますので、早めに治療を開始してください。

山王先生

「顔面神経」と「動脈」の位置関係が、左右両側で、厳密に同じではないからです。両目の周囲が同時にけいれんする場合、むしろ顔面けいれんとは別の病気かもしれません。部分的な要因ではなく、全身疾患の可能性が考えられます。

山王先生

けいれんの範囲が顎の付近まで広がり、けいれんしている時間そのものも長くなってくるでしょう。また、目と口が一緒に動く「病的共同運動」に至る場合もあります。怖いのは、動脈瘤（りゅう）によって「顔面神経」の圧迫が起きているケースです。くも膜下出血や脳梗塞などになりかねませんので、一度、検査を受けてみてください。

山王先生

「眼瞼（がんけん）けいれん」といって、下まぶたがピクピク動く病気もありますが、仕組みとしては同じです。眼精疲労によって「顔面神経」が敏感になり、動脈の脈拍による影響を受けやすくなっているのでしょう。

山王先生

十分な睡眠と、ストレスを減らすことが大切です。また、動脈硬化や高血圧につながるような習慣は、なるべく減らすようにしてください。具体的には、偏食や生活リズムの乱れなどですね。「生活習慣病対策が、顔面けいれん対策である」とも言えるでしょう。

山王先生

電気刺激などの療法は、神経にストレスを与えるだけですので控えましょう。後遺症や病的共同運動に発展しかねません。

山王先生

顔面けいれんをきっかけに、高血圧が発覚することも十分にありえます。また、先ほどお話しした動脈瘤の可能性も考えられますので、専門の先生に診ていただいてはいかがでしょうか。

山王先生

脳が関わっていますから、脳神経外科を受診してください。眼科では対応しきれずに、脳神経外科を紹介されることもあります。脳神経外科に心当たりがなかったら、最寄りのクリニックで紹介してもらいましょう。

山王先生

何か普段とは違う異常がみられたら、「体から危険サインが送られている」と思いましょう。そして、民間療法などに頼らず、きちんとした検査を受けてください。もちろん、顔面けいれんに限らないことです。せっかく警告を出してくれているわけですから、きちんと受け止めることが重要です。