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尿検査でわかること|検査結果の見方・検査時のポイントを解説

 公開日:2024/02/01
尿検査で分かること

尿検査といえば、職場で行われる健康のための診断や病院を受診して行う人間ドックなどでみなさん一度は経験したことがある検査ではないでしょうか。

尿の検査は、とても簡単な検査であることをご存じでしょうか。尿の検査の方法は、決められた時間に自分で尿を採るだけで体に潜んでいる病気を調べることができます。

痛みのない検査であるため、誰でも気軽にできる検査ではないでしょうか。

しかし、この尿検査の結果の見方がよくわからない……という方も多いと思います。

こちらでは、尿検査でわかることや検査結果の見方・検査時のポイントついて紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

久高 将太

監修医師
久高 将太(琉球大学病院内分泌代謝内科)

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琉球大学医学部卒業。琉球大学病院内分泌代謝内科所属。市中病院で初期研修を修了後、予防医学と関連の深い内分泌代謝科を専攻し、琉球大学病院で内科専攻医プログラム修了。今後は公衆衛生学も並行して学び、幅広い視野で予防医学を追求する。日本専門医機構認定内科専門医、日本医師会認定産業医。

尿検査でわかること

尿検査で分かること
尿検査から、どのようなことがわかるのでしょうか。
尿は毎日体から排出されており、体内の状況や環境によって常に変化しています。
病気によってはかなり症状が進んでいても、おしっこを見ただけでは変化に気付けないこともあるでしょう。
自分のおしっこのセルフチェックはしていますか。毎日、何度も体から排出するおしっこを意識してチェックしている方は、少ないのではないでしょうか。
チェックをしている場合でも、それだけでは体の異常を見逃してしまうのです。
だからこそ、気軽に検査できる尿検査を行うことで病気の早期発見が可能となるでしょう。
尿検査をすることで、尿に直接関係する病気である腎臓や膀胱、尿管や尿道の病気について調べることができます。
それだけではなく、血液の病気や心臓の病気・肝臓の病気・膵臓の病気・ストレスなど精神からくる病気の一部についても調べることができるのです。
女性の場合は、赤ちゃんを授かっているかどうかも尿の検査を行えば知ることができます。病院で行われる妊婦検診でも、尿の検査が実施されています。
ここに挙げただけでも、多くの病気を発見できる検査であることがわかるでしょう。

検査結果の見方

検査結果の見方
尿検査の結果を見ると、数多くの項目に数字や記号が書かれています。医療知識がない方にとっては、どこをどう見たらいいのかわからないでしょう。
さらに検査結果を見ただけでは、異常があるのかないのかわからないこともあると思います。
こちらでは、項目ごとの検査結果の見方について見ていきましょう。

尿蛋白

尿蛋白
尿蛋白の項目が陰性(-)となっている場合は正常で、腎盂腎炎・ネフローゼ症候群など腎臓疾患や膀胱炎・尿道炎などの尿路に異常がないかを知ることができるのです。
また、発熱している時にも異常な値が出てしまいます。
女性の場合は月経の前後や激しい運動をした後、ストレスを受けていると、健康な人でも異常値が出ることがあるでしょう。また、お風呂に入った後に採尿した場合は、たんぱくが検出されやすいとされています。
ほかにも、子どもから20代ぐらいまでは健康な人でもたんぱくを多く含む尿が出やすい場合があるといわれています。ちなみにそれは、腎臓のある場所が関係しています。

尿糖

尿糖の項目が陰性(-)であれば、正常です。異常がある場合、まず糖尿病が疑われるでしょう。
お腹に赤ちゃんがいる女性や高年齢層の方は糖の反応が出やすい傾向があり、若い人でも疲れているとき・ストレスを感じている場合に糖の反応があります。

尿潜血

尿潜血の項目が陰性(-)であれば、正常です。異常がある場合は、以下の病気が考えられるでしょう。

  • 腎臓病
  • 尿管の病気
  • 尿道の病気

女性では月経の前後に検査すると陽性と出ることがあり、一時的な潜血は男女問わず起こりやすいです。
一過性なら問題はありませんが、もう一度尿の検査を受けることもあります。

尿ウロビリノーゲン

尿ウロビリノーゲン
尿ウロビリノーゲンの項目が(±)、または「正常」と記載されていれば、問題ありません。「陽性」なら肝炎・肝硬変・肝がんなど、「陰性」の場合は総胆管閉塞が疑われます。
仕事の付き合いによる連日の飲酒や肉を食べたあとは異常値が出ることがあります。また、体を激しく動かした運動の直後や疲れを感じている時、便が出ていないときも異常値が出やすい傾向です。

尿ビリルビン

尿ビリルビンの項目が陰性(-)なら、正常です。
異常がある場合、肝炎・肝硬変などの肝臓のトラブルや胆石症などの可能性があります。

尿ケトン体

尿ケトン体
尿ケトン体の項目が陰性(-)なら、正常です。
異常がある場合は、下痢・嘔吐など胃腸の消化や吸収でトラブルが起きている時に出ることがあり、糖尿病・甲状腺の病気が疑われるでしょう。
また、いつもより熱がある時や妊娠している時、ストレスや過剰なダイエットをしていると異常値が出ることがあります。

尿比重

尿比重の項目で比重が1.010~1.030であれば、正常です。
この範囲以外の数値になった場合、腎機能のトラブルが起こっていると考えられるでしょう。
糖尿病・ネフローゼ症候群の場合は数値が高く出ることがありますが、水分をたくさんとった後や利尿剤を飲んでいる時は低い数値が出ます。
下痢や嘔吐などによって水分が不足する脱水の症状になっている時には、高く出やすくなるでしょう。

尿白血球

尿白血球の項目が陰性(-)であれば、正常です。
異常がある場合は、尿の中に白血球が多く、腎臓や尿路に炎症の可能性が考えられます。
尿を採るときは手などを清潔にして、最初の尿ではなく少し後からでる尿を採るようにしましょう。特に女性の場合、清潔な状態で尿を採らなかったことが原因で尿の検査の結果が異常となることがあります。

尿のpH

尿のpHの項目がpH4.8~7.5であれば、正常です。尿が酸性(pH4.5)やアルカリ性(pH8)のどちらかに偏っていてもよくありません。
しかし、食べたものの影響で一時的な異常が出やすい項目です。アルカリ性の反応がずっと続く場合は、膀胱炎などの尿路の感染症が考えられるでしょう。
酸性の場合は、糖尿病・痛風などの病気が考えられます。ほかにも、発熱や下痢のときや野菜が不足している人の尿は酸性になりやすいです。

亜硝酸塩

亜硝酸塩の項目が陰性(-)であれば、正常です。
尿を採ってからしばらく放置してしまった場合は、異常な値が結果に出ることがあるでしょう。
異常の場合は、腎臓や尿路が尿の中でたくさん増えてしまった細菌によって感染してしまいます。
自覚症状がないことから、検査結果が異常となっているのに放置してしまうと腎盂腎炎・膀胱炎などのトラブルのもとになります。

尿検査時のポイント

尿検査時のポイント
尿の検査では、基本的に自分で採尿を行います。
採る尿の量は、病院から渡される採尿コップの1/3ほどあれば充分でしょう。自宅で尿を採る場合は、紙コップの尿をスピッツに移してしっかりと蓋をするのが重要となります。そうすることで、持ち運ぶときに尿が漏れないようにできるでしょう。
それでは、自分で尿を採る時のポイントについてさらに詳しく確認しておきましょう。

中間の尿を採る

尿検査
自分で尿を採るときは、最初と終わりの部分ではなく中間の尿を採りましょう。
なぜ、最初の尿ではダメなのでしょうか。
最初の尿には、尿路系以外からの混入物を多く含んでおり、検査結果に影響を及ぼすことがあるからです。
出始めの尿ではなく中間の尿を採ることで、女性では膣や外陰部からの細胞や細菌・分泌物、男性では精液などに由来する精子や分泌物などを含まない尿で検査をすることができ、検査の精度を高めることができます。
また、尿をする前に温水洗浄便座で尿道口を洗浄し、ペーパーで拭くことでばい菌などのない尿を採るようにしましょう。
自分で尿を採らないといけないのに、尿がどうしても出ない……なんてこともあると思います。
少ししか尿が出ない場合も、一度病院に提出してみてください。足りなければ、病院で再度取り直しをする場合もあります。

前日はビタミンCの入ったものを服用しない

前日はビタミンCの入ったものを服用しない
尿の検査の前日には、ビタミンCの入ったものを服用しないようにしましょう。
医師の指示がない限り、食事や飲み物は自由です。
ただし、ビタミン剤・ビタミンが入っている風邪薬やドリンク剤などは摂取しないように気をつけましょう。
ペットボトル飲料の清涼飲料水やジュースにも、ビタミンが含まれる場合があるので注意するようにしましょう。
理由としては、ビタミンCを摂取してしまうと尿の成分に影響が出てしまうため結果が判定しにくかったり、誤った判定になったりするためです。

尿検査と尿沈渣の違いは?

尿検査と尿沈渣の違いは?
尿の検査は、健康診断や人間ドックなどで検査したことがある方も多いと思います。
尿沈渣は、聞いたことがない方もいるのではないでしょうか。
読み方は、「にょうちんさ」です。
こちらでは、尿検査と尿沈渣の違いについて紹介します。

尿検査

尿の検査は、尿試験紙を浸すことで、試験紙の変色の度合いから陽性・疑陽性・陰性を確認する検査です。
検査方法はとても簡単で、決められた時間におしっこを採って提出するだけです。採血のような痛みも何もありません。そのため、もっとも手軽な健康チェックといわれています。
しかし、尿の検査は単純で原理・化学的なものが多く、尿の中の物質や尿の成分変化によって偽反応(血尿がないのにあると判断される等)を起こすことがあります。

尿沈渣

尿沈渣は顕微鏡で、尿中に存在する赤血球や白血球などを観察する検査です。
出現する赤血球に変形がある場合や腎臓が原因で起こる血尿・変形などがないときは、腎臓ではない場所の病気を疑います。
白血球の場合、尿路感染症を引き起こしていないかを疑います。
尿の検査は、前述したとおり偽反応を起こすことがあるのです。
そのため、本当に血尿があるのかどうか、血尿がある場合はその原因を確認するために引き続き尿沈渣をすることになるでしょう。
また、この検査は腎臓・尿路の診断が主な目的としていますが、泌尿器以外の疾患が影響することもあります。

月経中でも尿検査は可能?

月経中でも尿検査は可能?
女性の場合、月経中でも尿の検査ができるかどうか気になる方も多いのではないでしょうか。
「職場の健康診断の日や人間ドックの予約日に限って、月経になってしまった……」なんてことは、女性にとってはよくある話です。
そのようなときは、どうしたらいいのでしょうか。
これについては、病院によって対応が異なる場合があります。
尿検査では尿の中に含まれる蛋白質・糖・赤血球などを測定し、腎臓や尿管・膀胱・尿道などの病気を調べることが目的です。
しかし、月経中に尿を採った場合、尿に血が混ざる可能性があるでしょう。そうすると、尿潜血や尿蛋白が陽性となってしまい、正確な結果を出すことができなくなります。
月経による影響で潜血が陽性になったのか、病気によって異常値が出たのか、区別がつけられないということが発生してしまいます。その場合、再検査が必要になることもあるのです。
そのため、病院側から検査日程の変更を勧められる場合があるでしょう。
自分で予約して尿検査を受ける場合は、あらかじめ月経予定日を外すようにしましょう。
もし月経中に尿の検査をすることになる場合は、尿を採る前にまずは職場や病院に相談するようにしましょう。

尿検査で異常ありといわれたら?

尿検査で異常ありといわれたら?
尿検査で異常があるといわれた場合、どうしたらいいのでしょうか。
検査結果に異常があるといわれても、自覚症状がなければ検査結果をスルーする方もいるでしょう。
しかし、それは厳禁です。自覚できる症状がなくても検査結果で異常がある場合は、医師の指示のもとでさらに詳しい検査を受けることが重要です。
例えば、腎臓の病気の診断には、尿の検査で分かるタンパク尿や血尿、血液検査で分かるクレアチニンといったものが必要とされています。
腎臓の機能が衰えてきても、なかなか症状が現れないことが多いです。腎不全(腎臓のはたらきが30%以下まで衰えた状態)に進行するまで気づかれないことも多いといわれています。
浮腫みなどの自分で自覚できる気になる症状が出てくる頃には、透析による治療が必要となる直前の状態となっているなんてこともあります。
せっかく尿検査をして異常があることを早期に知っていたのに、それを放置してしまうと見えない病気はどんどん進行してしまうのです。
ほかにも、尿の検査により泌尿器疾患(腎臓や尿管・膀胱・前立腺の癌など)の発見につながることもあります。
さらに尿の検査は、慢性腎臓病の早期発見だけでなく、これらの治療がうまくいっているかどうかの判断にも使われています。
「あのとき、もっと詳しく検査をしていれば……」と悔しい思いをしないように、尿の検査で異常があるといわれた場合は、医師の指示に従って詳しい検査を行うとともに、治療も自己判断で途中で辞めないようにしましょう。

編集部まとめ

まとめ
尿の検査について、理解を深めていただくことはできましたでしょうか。

尿の検査では、尿に直接関係する病気である腎臓病や膀胱・尿管・尿道の病気はもちろん、血液の病気や心臓病・肝臓病・膵臓病・ストレスなど精神神経科の病気の一部についても調べることができます。

尿の検査方法は、中間尿を採取するだけでとても簡単で痛みもありません。こんなに簡単な検査で、多くの病気を早期に発見できる可能性があります。

自分で尿を採るときは、最初ではなく中間の尿を採るようにしましょう。さらに、尿を採る前には尿道口付近をペーパーで拭き取り、清潔な状態にします。そうすることで、より正確な尿の検査結果を調べることができるのです。

こちらの記事を参考にしていただき、ご自身の尿検査の結果を見直してみてはいかがでしょうか。今の自分の生活習慣を見直すだけで、改善できる項目があるかも知れません。

もし尿の検査で異常が出た場合は、医師の指示のもとで詳しい検査をするようにしましょう。せっかく尿の検査で早期発見できた病気を悪化させることなく、適切な治療を受けることが重要です。

後悔しないためにも、定期的に健康診断や人間ドックなどで尿検査を行うことをおすすめします。

この記事の監修医師