男性にあらわれる梅毒特有の症状とは?梅毒の検査方法や治療についても解説します!
男性にあらわれる梅毒特有の症状を知っていますか?
本記事では、男性にあらわれる梅毒特有の症状について、下記内容を中心に徹底解説していきます!
・梅毒の感染経路
・梅毒の症状
・梅毒の検査方法
男性にあらわれる梅毒特有の症状について理解するためにも参考にしてください。
ぜひ最後までお読みください。
監修医師:
村上 知彦(薬院ひ尿器科医院)
目次 -INDEX-
そもそも梅毒とは
梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌によって引き起こされる感染症です。
この細菌は性行為を通じて人から人へと伝播します。
初期の段階では、感染部位に硬い無痛の発疹があらわれます。
その後、発熱、疲労感、関節痛、皮疹などの全身症状があらわれることがあります。
これらの症状が消えると潜伏期間となり、症状は見られなくなりますが、感染は依然として存在します。
放置すると、梅毒は最終的には心臓や脳、その他の臓器に深刻なダメージを与える可能性があります。
梅毒の感染経路
梅毒の感染経路については、以下のようなものがあります。
・皮膚や粘膜の接触:感染者と皮膚や粘膜で接触することで、細菌が侵入して感染します。
・性行為:感染する経路の多くは性行為や、それに類似した行為によるものです。
・キス:キスで感染することもありますが、稀なケースです。
・食器の共有や輸血:食器の共有や輸血などでも感染することがあります。
・母体から胎児へ:梅毒に母体が感染している場合、胎児に感染する可能性も高くなります。これは先天梅毒と呼ばれ、早産や死産、奇形などのリスクがあります。
梅毒の症状
梅毒の症状は、時間の経過とともに全身に進行します。
一時的に症状が消える期間もあり、治ったようにもみえますが、その後症状が悪化してあらわれるようになります。
梅毒の症状は、感染から以下の4期に分けてあらわれます。
・第1期:感染部位に、硬く痛みのない潰瘍(シャンクル)があらわれます。これは感染から数週間後にあらわれ、数週間で自然に治ります。
・第2期:数週間から数ヶ月後に発疹、発熱、頭痛、喉の痛み、筋肉痛などの全身症状があらわれます。これらの症状も自然に治りますが、感染は進行します。
・第3期:症状が消え、検査でしか感染を確認できない期間です。この期間は数年間続くことがあります。
・第4期:感染から数年後に重篤な症状があらわれます。これには心臓、脳、神経系の問題が含まれます。
第1期
梅毒は、感染から約3週間の潜伏期間を経て症状があらわれるようになり、最初の症状があらわれる期間は第1期と呼ばれます。
この期間には、梅毒トレポネーマが侵入した場所に、初期硬結と呼ばれる非常に小さな潰瘍があらわれます。
初期硬結は赤く腫れたように見えますが、コリコリと硬い感触があることが特徴です。
太ももの付け根辺りのリンパ節が腫れることもありますが、痛みはないことが多く、これらの症状は数週間で自然に消えるため、症状に気付きにくいとされています。
第2期
感染から約3ヶ月であらわれる症状を、第2期といいます。
この期間では、バラ疹と呼ばれるピンク色の発疹が、手のひらや足裏、顔など全身にあらわれます。
全身に症状があらわれた場合、梅毒トレポネーマの感染が全身に広がっていることを示しています。
痛みや痒みはない一方で、喉が腫れる場合もあります。
数週間で再び症状が消えますが、放置しておくと、体内には梅毒トレポネーマが潜伏した状態になります。
第3期
感染から約3年経つと症状が後期に入り、この時期を第3期と呼びます。
現在ではこの期間までに治療することがほとんどですが、放置していると腫瘍があらわれるようになります。
ゴム腫と呼ばれる腫瘍で、皮膚だけでなく骨や筋肉、内臓にまで広がります。
第4期
第4期とは、梅毒の進行段階の1つで、感染から10年以上経過した場合に起こります。
第4期では、臓器にも腫瘍が発生し、神経や血管などに障害を及ぼすため、麻痺性痴呆や脊髄症などの重篤な合併症が引き起こされる可能性があります。
第4期の梅毒は、早期の発見・治療が非常に重要です。
しかし多くの場合、第2期までの初期段階で治療を開始することが多く、第4期に到達するまでに時間がかかります。
そのため、定期的な検査や自己チェックが必要です。
梅毒による男性特有の症状
梅毒は、淋菌という細菌に感染する性感染症であり、淋菌は、性的接触や血液などで感染します。
梅毒は、尿道や精巣などの生殖器に感染すると、尿道炎や精巣炎という症状を引き起こします。
また全身に感染すると、発熱や倦怠感などの全身症状が出ることもあります。
梅毒による男性特有の症状には、以下のようなものがあります。
・尿道・精巣・子宮頸管・直腸などの生殖器に、発赤や腫れがある
・尿道から出血する、尿道から膿が出る、精液が白っぽくなる、精巣が硬くなる、精巣から膿が出る、陰茎がしびれる
・陰茎を振動させても弛まらない
これらの症状は、梅毒以外の原因でも起こりえますが、梅毒は早期に治療しないと、以下のような重篤な合併症を引き起こす可能性があります。
・淋菌性膀胱:尿道から細菌が膀胱内に移動して尿路感染を起こす
・淋菌性前立腺肥大:淋菌が前立腺内部に増殖して前立腺肥大を引き起こす
・淋菌性神経障害:淋菌が神経系に影響を与えて神経障害を引き起こす
これらの合併症は、排尿障害や勃起不全などの生殖器系の障害だけでなく、心臓や血管系の障害も引き起こす可能性があります。
また、淋菌は他人にも感染させる可能性があるため、自分だけで治そうとせずに医師に相談することが重要です。
梅毒の検査方法
梅毒の検査方法についてお伝えします。
検査①病院などの医療機関
性感染症の検査や治療を受けられる医療機関は、保健所、性感染症内科、泌尿器科、婦人科などがあります。
それぞれの機関には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
・性感染症内科:性感染症専門の診療科です。無料で受診できる場合もありますが、有料の場合もあります。待ち時間は保健所よりも短いですが、混雑することもあります。検査や治療の内容は豊富で、専門的な知識や技術を持った医師に相談できます。
・泌尿器科:男女問わず、性感染症の検査や治療をする診療科です。無料で受診できる場合もありますが、有料の場合もあります。待ち時間は保健所よりも短く、混雑することも少ないです。検査や治療の内容は泌尿器系に関連するものが多く、泌尿器系に問題を抱えている方に向いています。
・婦人科:女性向けの診療科です。無料で受診できる場合もありますが、有料の場合もあります。待ち時間は保健所よりも短く、混雑することも少ないです。検査や治療の内容は婦人系に関連するものが多く、婦人系に問題を抱えている方に向いています。
検査②保健所
保健所は、無料で性感染症の検査や治療を受けられる場所ですが、以下のような欠点もあります。
・検査や治療の内容は限られており、専門的な知識や技術を持った医師に相談することが難しい
・待ち時間が長くなったり、混雑することがある
・検査や治療の結果は、医師から直接受けられないため、医師からの指示やアドバイスを受けられない
また、検査や治療の費用において、自己負担額が高くなる場合があります。
さらに、保険証を持っていない場合や、自己負担額が一定以上の場合は、全額自己負担になります。
検査③検査キット
検査キットとは、自宅で性感染症の検査ができる便利な道具です。
検査キットには、専用の袋に入った液体や紙などが含まれており、それらを使って性器や分泌液などの検体を採取し、専用の試薬や試験紙で検査します。
検査キットは、病院や保健所で検査するよりも費用が安く、自分のペースで検査を受けられます。
しかし、検査キットには欠点もあります。
検査キットは、専門的な知識や技術を持つ医師や看護師にしか使えないため、自分で正しく採取し、解釈することは難しいです。
また、検査キットは感度が低い場合があります。
感度とは、正しく陽性だった場合に陽性と判断される確率のことです。
感度が低いと、陰性の場合でも陽性と判断される可能性があるため、感染していない方に不必要な不安や恐怖を与えることにつながります。
さらに、検査キットは結果が出るまで時間がかかる場合があり、一般的には数日から数週間かかるとされています。
その間に、症状が出たり治ったりする可能性もあります。
梅毒の治療法
梅毒の治療法は、主に抗菌薬の内服や点滴です。
抗菌薬は、感染した部位や病期に応じて医師が処方します。
一般的に、内服期間は2〜8週間程度で、点滴治療は神経梅毒などの場合に実施されます。
抗菌薬の種類や量は、血液検査で決定されます。
抗菌菌薬を服用する際は、医師の指示通りに正しく服用しましょう。
また、感染したパートナーも同じ抗菌薬を服用し、治療を受ける必要があります。
梅毒の予防と注意点
梅毒は、性的な接触によって感染する感染症です。
梅毒には、第1期〜第4期の病期があり、病期によって、症状や合併症のリスクが異なります。
早期に適切な治療を受けることで、完治する可能性がありますが、放置すると重篤な問題を引き起こすこともあります。
梅毒を予防するためには、以下の点に注意しましょう。
・不特定多数との性行為を避ける
・コンドームを正しく使用する
・性感染症の定期検診を受ける
・感染したパートナーとの性行為を控える
コンドームは、粘膜や皮膚が梅毒の病変と直接接触しないようにする効果が期待できます。
しかし、コンドーム部分以外から感染する可能性もあるため、コンドームで100%予防はできません。
性感染症の定期検診は、自分やパートナーの健康状態を把握するために重要です。
特に、性感染症は無自覚で長期間感染していることもあるため、定期的に検査を受けて早期の発見・治療を心がけましょう。
感染したパートナーとの性行為を控えることは、自分だけでなく相手を守るためにも大切です。
また、パートナーが性感染症を持っている可能性があれば、医師から指示された治療を受けてください。
まとめ
ここまで、男性にあらわれる梅毒特有の症状について解説してきました。
男性にあらわれる梅毒特有の症状についてまとめると、以下の通りです。
・梅毒の感染経路は性行為や皮膚や粘膜の接触によるものである
・梅毒は、進行すると頭痛等の症状があらわれ、さらに進行すると全身に症状が出るようになる
・梅毒の検査方法は、保健所や病院での検査、自分でできる検査キットがある。
これらの情報が皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。