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性病は何科を受診すべき?感染した際の症状や検査方法も併せて解説

 公開日:2024/06/13
性病 何科

性病は排尿時痛・発疹・陰部からの膿状の分泌物など症状はさまざまです。そのため、どの診療科を受診すべきか迷うこともあるでしょう。

また、症状が出たからといってそれが性病によるものなのかもわからないことがあるため、その症状に応じた診療科をまずは受診してみましょう。

症状が軽くても、体内では炎症が進行している可能性もあります。放置せずに早期に受診することが大切です。

早めに受診につなげることができるように、今回は性病の症状や検査方法を解説します。

澤田 樹佳

監修医師
澤田 樹佳(富山県のさわだクリニック)

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経歴
20022金沢大学卒 / 2014年金沢大学大学院卒 / 現在は、富山県のさわだクリニック院長 / 専門は泌尿器科、在宅、緩和医療、東洋医学
保有免許・資格
泌尿器科専門医、指導医
医師へのコミュニケーションスキルトレーナー

性病は何科を受診すべき?

下腹部痛 女性
性病は自分たちでも気付かない間に感染しているため、性病の症状が出現したからといってすぐに性病専門の医師を受診するのは難しいでしょう。
そのため、出現した症状に関連した診療科を受診するしかありません。症状が排尿時痛の場合は泌尿器科、皮疹が出現したときは皮膚科などです。
ここで受診するうえで一点注意すべきポイントがあります。それは、地域や性病の種類によって受診可能な診療科が異なる点です。
そのため、受診前に受診予定のクリニックや保健所への問い合わせをおすすめします。そして、ここからは性病の症状に応じてどの診療科を受診すべきなのかを深堀していきます。
自分が性病とわかった場合はパートナーも感染していることが考えられるので、受診するようにすすめてください。
自分だけ治った後、再度パートナーと性行為を行った場合再び感染が起こることもあります。

性感染症内科(性病科)

性感染症内科は全性病に関して検査や治療が可能な診療科です。HIVなど一般的に知られている性病以外にも、マイコプラズマやトリコモナスなどのあまり知られていない性感染症もすべてです。
ただし、保険診療ではなく自由診療の病院やクリニックもあるので、受診する前にホームページなどで調べておきましょう。

泌尿器科・メンズクリニック

男性マーク
排尿時痛や尿道口から膿が出ているようなら、病原菌が尿道の粘膜に感染して尿道周辺で炎症が進行していることが原因です。このような感染症状は放置していて改善することがほとんどなく、早急に泌尿器科を受診した方がよいでしょう。
尿道炎の原因は性行為が原因の一つとされ、性行為をした数日~数週の潜伏期を経て膿が出現するようになります。また、潜伏期は性病の種類によって違いがあり、性行為を行ってから症状が出現するまでの日数のみでは診断を下すことはできません。
性病の種類を判定するためには、尿道口から分泌されている膿を採取し培養やPCR検査をする必要があります。
治療は抗菌薬の投与が行われますが、性病の種類によって効果のある抗菌薬の種類に差があるため、検査しないまま治療に移行することはできないでしょう。

婦人科

妊娠中の女性
女性が性病になったときの症状として、不正出血・下腹部痛・陰部のただれなどが起きることがあります。
不正出血や下腹部痛は日常のホルモンの加減で、起こることもあるでしょう。こうした日常でも起こりうる症状があるが故に、受診が遅れてしまう場合があります。
また梅毒のように、全身の発疹など明らかに異常だとわかるような症状が発生しても、数週間~数ヵ月で改善してしまう性病もあります。
一旦消失してしまうが故に安心感が生まれてしまい、受診しなくても大丈夫と考えてしまうこともあるでしょう。
梅毒の病期が最終段階になってくると、心臓や神経など生命に関わる重要な部分に影響を及ぼし、後遺症を残してしまうこともあります。
このように性病は放置してもよいことはありません。早期に治療を行わないと不妊の原因になってしまうでしょう。
また、性病に感染している状態で出産すれば産道感染により、新生児にも感染してしまう可能性もあります。新生児に感染してしまった場合、先天性の障害を抱えてしまうことにもつながるでしょう。
自分だけでなく、自身のお子さんにまで影響を与えてしまうのが性病です。放置していてもよいことはありません。
自身が性病に感染している場合は、パートナーも感染している可能性が高いです。性病を疑うような症状がある場合は、パートナーと一緒に一度受診した方がよいでしょう。

耳鼻咽喉科・皮膚科

性病のなかで梅毒が顕著に皮膚症状が出現します。症状の出現はさまざまで、ただれや発疹などです。
これらの症状は性器や口腔内、手足を含む体中にまで出現するとされており、このような症状が出現した際は耳鼻咽喉科や皮膚科にまずは受診してみましょう。
放置すると心臓や血管など複数の臓器に障害をもたらすとされており、上記のような症状が出現した場合は早急な受診が大切です。
一見このようなわかりやすい症状であれば、受診が遅れることはないだろうと思われるかもしれません。
しかし、これらの症状は出現してもいったん消失してしまうため、治ったと勘違いしてしまい受診が遅れることがあります。
症状が出現しても、一度は受診するようにしましょう。

受診すべき性病の症状

医師と性病患者
性病は自覚症状が乏しい疾患で、初期症状は日常で起こりやすい症状があり、性病と気付いて受診するケースは少ないかもしれません。
そのため、あらかじめ性病特有の症状を頭にいれておき、自分が感染したときに早急に対応できるようにしておくとよいでしょう。
ここでは、性病の特徴的な症状を解説します。

性器のかゆみ・かぶれ

性病のなかでカンジダ症やトリコモナス症などでは外陰部に痒みを伴うとされています。性病の痒みは蒸れて痒い程度のものではなく、かなり激しい痒みとされ、自分でも異常だと感じることもあるのではないでしょうか。
また、膣トリコモナスはタオルの共用やお風呂などでも感染するといわれています。性行為をしていないから大丈夫と思って放置していると、どんどん酷くなってくるので注意しましょう。
性病の痒みはかなり激しいとされています。症状を自覚した場合は、早急に受診しましょう。

発疹が体にみられる

痒み 女性
発疹がみられる性病の種類は梅毒です。梅毒年単位で徐々に進行していき、病期として4つに分類されます。
そのうち、発疹が見られるのは第一期の最初の段階です。発疹の出初めは外陰部近辺に出現し、進行し第二期になると全身に発疹が広がります。
第二期では発疹以外に脱毛や発熱といった症状が出現します。ここまでくると自分でも異常だと気付く方もいるでしょう。
梅毒を放置し進行してくると心血管系や神経に異常をきたし、命に関わるような事態にも陥りかねません。自分でも異常だと思った場合は、まずは受診してみましょう。

精巣の腫れ

淋菌に感染した場合、精巣のあたりが腫れて熱がでることがあります。これは淋菌が尿道炎を起こし、精巣上体まで広がっていることを意味しています。
精巣上体炎は徐々に痛みを増していき、放置すると陰嚢全体に膿がたまり陰嚢全体にまで痛みが広がってくるでしょう。
初期の段階で治療を行えば抗菌薬で回復しますが、放置してしまうと精巣上体の摘出が必要となるケースもあります。
また、淋菌などの性病によって男性でも不妊になる可能性があるでしょう。不妊は女性だけの問題ではなく、男性でも起こります。
放置せずにまずは受診し、医師に相談しましょう。

不正出血

腹痛 女性
性病のなかで不正出血を起こす疾患は、クラミジア・淋菌・トリコモナスなどです。
不正出血はホルモン異常でも起こり、日常の生活のなかで特段珍しい症状ではありません。しかし、不正出血の裏側には性病だけでなく、悪性腫瘍などの疾患が隠れている場合があります。
不正出血を自覚した際は、放置せず早めに受診した方がよいでしょう。

性感染症内科(性病科)と性感染症専門外の医療機関での検査の違い

チェック 聴診器 検査
性感染症内科は自由診療のため、性感染症内科以外で行われる保険診療内の検査よりも幅広い検査を受けることができます。
保険対象外であるマイコプラズマ・ウレアプラズマなどの検査が行いたい場合は、最初から自由診療である性感染症内科を受診するのも一つです。
自由診療でお金はかかりますが、保険対象外のため保険証を掲示しなくてもよいので、誰にも受診していることを知られたくない方にとってはよいかもしれません。

性感染症内科(性病科)は幅広い性病全般の検査が可能

性感染症内科では保険対象外の性病の検査もできるので、保険診療内の検査よりも性病全般の検査を行うことができます。
保険診療では定期検査など予防としての検査はできませんが、自由診療であれば検査を受けることができるのも魅力の一つです。
また、性病は性器だけでなく咽頭にまで感染する場合があり、保険診療内での検査ではこの二つの部位の検査を同日に受けることができません。
咽頭と性器の両方に症状が出ている方は、感染症内科にて受診した方がよいかもしれません。

性感染症専門外の医療機関は病症の出ている箇所での検査が可能

性感染症専門外の医療機関では、症状が出ていないと検査や治療を受けることはできません。そのため症状はないが心配だから検査したいなどの理由では、保険診療の対象にはならないでしょう。

性病の症状が現れたら?

マスク 女性

  • 性器から膿が出る
  • 排尿時に痛みや違和感がある
  • 性器周辺に水ぶくれやただれがある

このような症状がある方は早急に受診しましょう。性病は放置していても悪化するばかりで改善はしていきません。
上記のような症状以外にも性病の症状は幅広いです。インターネットで自分の症状を検索し、当てはまる症状があるようなら早めに受診した方がよいでしょう。

性感染症内科(性病科)を受診する

性感染症内科では自由診療ですが、幅広い性病の種類を網羅的に検査できます。保険診療と違い、症状がないものまで検査できるのも魅力の一つです。
一度に複数の性病にかかっている場合もあるので、お金に余裕があるようなら性感染症内科を受診するのもよいかもしれません。
受診する際には、性病に感染した時期も重要な情報になるので、いつ性交を行ったのかを整理しておきましょう。

匿名の検査キットで調べる

妊娠検査キット
検査キットはネットで購入でき郵送で届くため、誰にも知られたくない方にはおすすめです。
検査物を採取し返送した後は、ネットで検査結果が確認できます。検査キットには種類がいくつかあり、検査できる項目も異なります。自分に合った検査キットを購入できるのも魅力の一つでしょう。

編集部まとめ

笑顔 夫婦
今回は、性病の種類から症状を解説しました。性病は性行為経験がある方であれば、誰でも感染する可能性があります。

恥ずかしくてなかなか受診できない方は、検査キットを利用するのも一つです。

保健所では匿名で性病に関する相談窓口があるので、そのようなサービスを利用するのもよいでしょう。

一人で悩まずに誰かに相談することが大切です。

この記事の監修医師