シミの治療に効く薬は?おすすめの薬・服用上の注意点・シミの防ぎ方を解説
年齢とともにお肌にできたシミが気になる方もいるでしょう。クリニックなどに行くと、シミの治療には薬が良く処方されます。
また、手軽に自分でシミの治療をしたい場合には、薬局やドラッグストアで薬を購入する方法もあります。シミの治療にはさまざまな薬があるので、どの薬が効くのか分からない方も多いでしょう。
この記事では、シミの治療に効くおすすめの薬をご紹介します。また、薬を服用する際の注意点やシミの防ぎ方なども解説します。
シミに効く薬を探している方やシミを防ぎたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
監修医師:
金 仁星(医師)
化粧品検定2級、英語発音指導士® 所有
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シミの治療には薬が効く?
シミの治療や対策としてサプリ・化粧品・医薬部外品などを使用してセルフケアを行っている方もいるでしょう。ただし、セルフケアでシミをきれいに消すのは難しいです。
シミ治療の一つとして薬があります。薬には美白有効成分が含まれているため、使用を継続することにより、シミの緩和が期待できるでしょう。
また、シミの原因になるメラニンの発生をブロックする成分も含まれているので、シミの予防としてもおすすめです。
この記事では、シミの治療薬としておすすめの内服薬・外用薬・市販薬をご紹介します。
シミの治療に効く内服薬
シミの原因になるメラニン色素は、体の内側にあるメラノサイトで生成されています。そのため、シミの治療ではメラノサイトへ体の内側からアプローチする内服薬が良く処方されるでしょう。
シミの治療に効く内服薬には次のようなものがあります。
- ハイチオール
- シナール
- トラネキサム酸
- ユベラ
それぞれの薬の特徴について詳しく解説します。
ハイチオール
ハイチオールに含まれている有効成分は、L‐システインと呼ばれるアミノ酸です。L‐システインには次のような働きがあります。
- ターンオーバーの正常化
- 代謝促進
- 抗酸化作用
L‐システインは皮膚・髪の毛・爪などに多く存在する成分で、タンパク質を合成する働きをしています。
また、皮膚の色素沈着の原因になるメラニン色素を抑えたり、ターンオーバーを促進したりする働きもあります。したがって、シミを予防したり、今あるシミを改善したりする効果が期待できるでしょう。
ハイチオールはL‐システインの含有量によって、「ハイチオール錠80」と「ハイチオール錠40」の2種類に分けられます。いずれの薬も1錠ずつ1日に2〜3回に分けて服用します。
L‐システインは毎日の食事だけで十分な量を摂取するのは難しいため、ハイチオールで摂取しましょう。
ハイチオールは皮膚のターンオーバーのサイクルに合わせて最低でも1か月ほどは服用し続けるのが重要です。
シナール
シナールはビタミンCの一種であるアスコルビン酸を主成分とする内服薬で、パントテン酸カルシウムも配合されています。
アスコルビン酸にはメラニン色素を還元して無色にする働きがあり、できてしまったシミを目立ちにくくする効果が期待できるでしょう。
またアスコルビン酸には抗酸化作用もあるため、紫外線や摩擦などのダメージからお肌を守り、シミが悪化するのも防ぎます。
アスコルビン酸とともに配合されているパントテン酸カルシウムはビタミンB5の一種で、アスコルビン酸の作用を高める働きをします。
シナールには錠剤と顆粒の2種類があり、錠剤の場合は1回1〜3錠、また顆粒の場合は1回1〜3gを1日1〜3回に分けて服用する形になるでしょう。
トラネキサム酸
トラネキサム酸は、必須アミノ酸のリシンを元にして人工的に作られたアミノ酸の一種です。抗プラスミン作用を持っていることが特徴です。
プラスミンは血液中でのフィブリン血栓の分解に関わる酵素の名前で、トラネキサム酸はこの働きを抑えることによりシミを薄くします。
またトラネキサム酸には抗炎症作用もあり、シミや肝斑などの色素沈着を改善し、透明感のあるお肌に導きます。
トラネキサム酸は、元々はのどの痛みや止血などに使用されていた薬剤です。美白やシミの改善に有効なことが分かり、最近は美容目的で多く使用されています。
トラネキサム酸を服用する際は、1日3〜8錠を3〜4回に分けて服用する形になるでしょう。
ユベラ
ユベラはビタミンEの一種であるトコフェロール酢酸エステルを主成分とする内服薬です。ビタミンEには次のような効果があります。
- 抗酸化作用
- ターンオーバーの促進
- 血流改善
皮膚の代謝を高めることによりターンオーバーを促進する薬です。ターンオーバーで皮膚表皮の内側にあるメラニン色素を表面に排出してシミのできにくいお肌を作ります。
ユベラには錠剤と顆粒の2種類のタイプがあります。1日1〜2錠を2〜3回に分けて服用する形になるでしょう。
ユベラに含まれているビタミンEは脂溶性ビタミンで水に溶けにくい性質があります。大量に摂取すると過剰摂取になってしまうため注意が必要です。
シミの治療に効く外用薬
シミの治療では、内服薬に加えて外用薬(塗り薬)も併用されるケースが多いです。体の内側と外側からシミにアプローチすることにより、さらに効果を高められます。
外用薬には具体的に次のような薬があります。
それぞれの薬の特徴を解説します。
ハイドロキノン
ハイドロキノンは、イチゴ・麦芽・コーヒーなどに含まれている天然の化合物です。シミの原因になるメラニン色素の生成を阻害する働きがあります。
顔やシミの気になる箇所に1日1〜2回塗ります。お肌の赤みなどの副作用が出る場合もあるため、治療中はお肌の状態に注意しましょう。
ハイドロキノンは市販のものもありますが、濃度に保証はありません。化粧品への配合は2%以下と決まっており、それ以上の場合は医師の診察が必要となっています。刺激が強いと炎症や白斑などの副作用が起きる可能性もあります。
できるだけクリニックで処方してもらって使用するようにしましょう。
ハイドロキノンは次に紹介するトレチノインと併用することで、さらに効果を高めることができます。
トレチノイン
トレチノインはビタミンA誘導体の一つです。皮膚のターンオーバーを促進して皮膚細胞の分裂や増殖を早めたりする効果があります。
皮膚の細胞を生まれ変わらせてメラニンの排出を促し、シミを改善する仕組みです。
また、トレチノインにはコラーゲンの生成を促して、お肌の弾力を高める効果もあります。シミ以外にもシワや毛穴などお肌のトラブルを改善する効果も期待できるでしょう。
トレチノインは強力な作用があり、使用すると皮膚が赤くなったり、角質がポロポロと取れたりする場合があります。これは薬の効果によるものです。
このような症状が適度な範囲なら心配する必要はありませんので、皮が自然にはがれるのを待ちましょう。
シミの治療におすすめの市販薬
シミの治療には、ドラッグストアや薬局などで購入できて、手軽に使用できる市販薬もおすすめです。皮膚科に行く前に試してみても良いでしょう。
具体的には、次のような市販薬がおすすめです。
- チョコラBBルーセントC
- ハイチオールCホワイティア
- トランシーノホワイトCクリア
市販薬についても、それぞれの特徴をご紹介します。
チョコラBBルーセントC
チョコラBBルーセントCの主な成分として、L-システイン240mgとビタミンC600mgが配合されています(成人1日量6錠あたり)。
還元力があるため、表皮の下からメラニンを無色化することで、きれいなお肌を維持するサポートをするでしょう。
また、ビタミンB2・B6・ビタミンEといった成分も含まれています。お肌のターンオーバーを正常化したり、黒色メラニンの排出を促進したりするでしょう。
チョコラBBルーセントCは、1回につき2錠、1日に3回に分けて服用します。
ハイチオールCホワイティア
ハイチオールCホワイティアには、L-システイン・ビタミンC・パントテン酸カルシウムが配合されています。
お肌の生まれ変わりをサポートして、体の内側からシミを治療する薬です。シミ・そばかす・日焼けのみでなく、二日酔い・全身倦怠感にも効果が期待できるでしょう。
同様の商品にハイチオールCプラス2があります。ハイチオールCホワイティアの方がパントテン酸カルシウムが多く配合されているのが特徴です。
ハイチオールCホワイティアは、1回2錠を1日2回服用します。
トランシーノホワイトCクリア
トランシーノホワイトCクリアには、L-システインが240mg、ビタミンCが1000mg配合されています(4錠中の成分)。
お肌のターンオーバーを正常化することによって、シミやそばかすを緩和する効果が期待できるでしょう。
また、ビタミンCが生成された黒色メラニンを無色化する働きもあります。お肌を健やかに導く4種類のビタミン(E・B2・B6・B3)が配合されているのも特徴です。
15歳以上の成人の場合、1回2錠を1日2回服用します。
シミの治療薬を服用する際の注意点
シミの治療薬を服用する際の注意点としては次の2点が挙げられます。
- 薬によっては副作用がある
- 用法・用量を必ず守る
それぞれの注意点について解説します。
薬によっては副作用がある
一つ目の注意点として、薬によっては副作用が出る可能性があることです。
例えば、この記事でもご紹介したトラネキサム酸は基本的に副作用はほとんどありませんが、人によっては副作用が出る可能性があります。
具体的には吐き気・食欲不振・下痢・胸焼け・過敏症・発疹といった副作用が現れる場合があるでしょう。もし、薬を服用してこうした副作用が出た場合は服用を中止しましょう。
用法・用量を必ず守る
別の注意点として、薬の用法・用量を必ず守ることも大切です。早くシミを治療したいからといって薬を服用する量や回数を増すことは厳禁です。
用法・容量を守らないと期待される効果や安全性に悪い影響が出る場合があります。また、治療が長引いたり、回復が遅れたりすることもあるでしょう。
用法・用量とともに使用期限を守るのも重要です。処方薬の場合は薬袋の日数内に使い、市販薬は外箱に記載されている使用期限を守りましょう。
シミの防ぎ方は?
シミを予防するためには薬の服用以外にもできることがあります。具体的には、次のような方法があります。
- 紫外線対策をする
- 日頃から自分に合ったスキンケアを行う
- バランスの良い食事を心がける
シミの防ぎ方を一つずつ解説します。
紫外線対策をする
シミの原因となるのは黒色メラニンです。そして、皮膚で黒色メラニンが生成される一番の要因は紫外線です。
したがって、紫外線対策をするのがシミ予防になります。できるだけ紫外線を浴びないようにしましょう。
具体的には、次のような対策ができるでしょう。
- 外出時に日焼け止めを塗る
- UV効果のある化粧品を使用する
- 帽子・日傘・アームカバーを使用する
洗濯や買い物をするときに浴びる紫外線にも注意しましょう。
また、紫外線は春先から夏にかけてが強いイメージがありますが、基本的には一年中注意する必要があります。常に対策を怠らないようにしましょう。
日頃から自分に合ったスキンケアを行う
お肌が乾燥しているとバリア機能が働かなくなり、紫外線の影響を受けやすくなります。そのため、日頃から自分に合ったスキンケアを行うのも重要です。
洗顔したあとはすぐに保湿しましょう。保湿成分のセラミドなどが配合されているローションや美容液などを使用すると良いでしょう。
また、洗顔や体を洗う際にはお肌をゴシゴシと擦らないようにするのも大切です。石けんや洗顔材を良く泡立ててからやさしくマッサージするように洗い、ぬるま湯で洗い流しましょう。
洗ったあとに拭くときもタオルでお肌をやさしく押さえるようにして拭きましょう。また、すぐにローションなどを塗るのも大切です。
バランスの良い食事を心がける
お肌を健康な状態に保つには、バランスの良い食事を心がけるのも重要です。お肌に良い栄養素が含まれた食材や食事をとるようにしましょう。
お肌に良い栄養素にはビタミンEやビタミンCがあります。ビタミンEには血行促進や抗酸化作用があり、ビタミンCにはメラニン色素の生成を抑える働きがあるからです。
ビタミンEが豊富に含まれた食品には次のようなものがあります。
- 卵
- 落花生
- 西洋かぼちゃ
- ほうれん草
- アーモンド
また、ビタミンCが豊富に含まれた食品は次の通りです。
- アセロラ
- ゆず
- キウイフルーツ
- レモン
- かき
ほかにも、ビタミンAやL-システインが含まれた食品などもおすすめです。
編集部まとめ
この記事では、シミの治療に効くおすすめの薬をご紹介しました。できるだけ効果の高い薬が良い場合は、美容クリニックや皮膚科などで薬を処方してもらいましょう。
クリニックに行く前に、手軽にお肌をケアしたい方は市販薬を試しても良いでしょう。ただし、有効成分はクリニックで処方してもらう薬より少ないです。
薬を服用する場合は副作用が現れる場合もあるため、良く観察しながら使用しましょう。また、用量・用法を守るのも重要です。
シミを防ぐには薬の服用も有効ですが、紫外線対策・スキンケア・栄養バランスのとれた食事なども大切です。
薬やセルフケアなどを組み合わせてシミ治療・シミ予防を行っていきましょう。