鼻副鼻腔炎の症状チェック|慢性化する前に知っておきたい治療と検査の流れ

鼻づまりや黄色い鼻水が長引いている場合、それは単なる風邪ではなく鼻副鼻腔炎かもしれません。鼻副鼻腔炎は放置すると慢性化し、日常生活に支障をきたす可能性があるので、お顔の痛みや頭痛、嗅覚の低下といった症状が続くときは早めの診断と適切な治療が重要です。
この記事では、鼻副鼻腔炎の主な症状や原因、診断方法、治療の選択肢について詳しく解説します。気になる症状がある方は、慢性化を防ぐためにも早期受診を検討しましょう。
監修医師:
冨岡 亮太(中野富士見町耳鼻咽喉科)
平成25年 東京医科大学病院卒後臨床研修センター臨床研修医
平成27年 東京医科大学病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野後期臨床研修医
平成28年 戸田中央総合病院耳鼻咽喉科医員
平成29年 東京医科大学病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野臨床研究医
令和2年 東京医科大学病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野助教
令和4年 三愛病院耳鼻咽喉科部長
令和5年 東京医科大学病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野講師
令和8年 東京医科大学病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野准教授
令和8年 中野富士見町耳鼻咽喉科院長
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鼻副鼻腔炎の主な症状は?風邪との違いに注意

鼻副鼻腔炎は鼻の奥にある副鼻腔という空洞に炎症が起こる病気です。風邪の症状と似ているため見過ごされがちですが、いくつかの特徴的な症状があります。
鼻づまり・黄色い鼻水が長引く
鼻副鼻腔炎でよくみられるのが、粘り気のある黄色や緑色の鼻水です。風邪では透明でさらさらした鼻水が出ることが多いのに対し、鼻副鼻腔炎では細菌感染によって膿を含んだ鼻水が出るのが特徴です。
鼻水が副鼻腔のなかに溜まることで、鼻づまりが長引きやすくなります。鼻づまりが続くと口呼吸が増え、のどの乾燥やいびき、睡眠の質の低下につながることもあるでしょう。また、片側だけの鼻づまりが長期間続く場合や、鼻水に血が混じる場合は、別の病気が隠れている可能性もあるため注意が必要です。
顔の痛み・頭痛・頬の圧迫感
副鼻腔はお顔の骨の内部にある空洞のため、炎症が起こると顔面に痛みや圧迫感が現れます。特に頬や目の奥、おでこ周辺に重だるい痛みを感じることが多く、前かがみになったときや頭を動かしたときに症状が強くなることがあります。
これは副鼻腔内に膿が溜まり、内部の圧力が高まることで起こると考えられています。頭痛を伴うこともあり、偏頭痛や緊張型頭痛と区別がつきにくい場合もあります。痛みの位置が副鼻腔の場所と重なる場合は、鼻副鼻腔炎の可能性を疑う必要があるでしょう。
匂いがわかりにくい・後鼻漏
炎症が続くと鼻の通りが悪くなるだけでなく、嗅覚を感じる細胞の働きが妨げられることで嗅覚が低下し、匂いがわかりにくくなることがあります。食事の味を感じにくく、食欲が落ちることもあるでしょう。
また、副鼻腔に溜まった鼻水がのどの奥へ流れ落ちる“後鼻漏(こうびろう)”が起こることもあります。のどの違和感や咳、痰が絡むような症状が続き、横になると悪化するケースもみられます。このような状態が長引く場合は、鼻副鼻腔炎の可能性を考えて受診を検討することが大切です。
急性鼻副鼻腔炎と慢性鼻副鼻腔炎の違い
鼻副鼻腔炎は、発症からの期間によって急性と慢性に分けられます。
急性鼻副鼻腔炎は風邪などの感染をきっかけに起こり、数週間程度で改善することが多い病気です。発熱や強い顔面痛を伴うこともありますが、適切な治療によって回復が期待できます。
一方、慢性鼻副鼻腔炎は症状が3ヶ月以上続く状態を指します。鼻づまりや鼻水、嗅覚障害、後鼻漏などが長期間続き、生活の質に影響を及ぼすこともあります。
急性鼻副鼻腔炎の治療が不十分だった場合や、アレルギー性鼻炎などがある場合には慢性化しやすくなるため、早めの対応が重要です。
なぜ鼻副鼻腔炎になるの?原因と悪化要因

鼻副鼻腔炎の原因はさまざまですが、多くの場合は風邪などの感染をきっかけに発症します。また、鼻の構造やアレルギー体質なども発症リスクを高める要因です。
風邪やウイルス感染がきっかけに
鼻副鼻腔炎は、風邪などのウイルス感染をきっかけに発症することが多い病気です。ウイルスによって鼻の粘膜に炎症が起こると、副鼻腔と鼻腔をつなぐ通り道が腫れて狭くなります。その結果、副鼻腔のなかの空気の入れ替えや粘液の排出がうまく行われなくなり、細菌が繁殖しやすい環境が整ってしまうのです。
そこへ細菌感染が加わると、副鼻腔内に膿が溜まり、鼻づまりや顔の痛みといった典型的な症状が現れます。風邪の後に鼻水の色が黄色や緑色に変化したり、頬や額に痛みが出てきたりした場合は、急性鼻副鼻腔炎へ移行している可能性を考える必要があるでしょう。
アレルギーや鼻の構造異常
アレルギー性鼻炎がある方は、鼻副鼻腔炎を発症しやすい傾向があります。これは、アレルギーによって鼻粘膜が慢性的に腫れた状態になると副鼻腔の換気や排泄の働きが低下し、炎症が起こりやすくなるためだと考えられています。花粉症やダニなどのアレルギー症状が長く続く場合は、鼻の状態を早めに整えることが大切です。
また、左右の鼻の穴を分ける壁(鼻中隔)が曲がっている鼻中隔弯曲症などの構造的な問題も、空気の流れが偏ることで鼻副鼻腔炎の原因となることがあります。さらに鼻茸(ポリープ)ができると通気性が悪化し、症状が長引く要因となることもあるので注意が必要です。
免疫力低下や生活習慣
身体の免疫力が低下している状態では、ウイルスや細菌への抵抗力が弱まり、鼻副鼻腔炎を発症しやすくなります。睡眠不足やストレス、栄養バランスの偏りといった生活習慣の乱れは、免疫機能に影響を与える要因の一つです。
また、喫煙は鼻粘膜を刺激し、粘液を外へ運ぶ繊毛の働きを低下させるため、鼻副鼻腔炎を繰り返す原因になることがあります。糖尿病などの基礎疾患がある場合も感染症が長引きやすいため、全身の健康管理とあわせた対策が重要だといえるでしょう。
鼻副鼻腔炎はどう診断する?CT検査と好酸球性鼻副鼻腔炎の見極め

鼻副鼻腔炎の診断には、問診や視診に加えて、内視鏡検査やCT検査などが用いられます。特にCT検査は副鼻腔の状態を詳しく把握するために重要な役割を果たします。また、近年注目されている好酸球性鼻副鼻腔炎という特殊なタイプに対する診断も、適切な治療方針を立てるうえで欠かせません。
問診と内視鏡検査でわかること
鼻副鼻腔炎が疑われる場合は、まず症状の経過や鼻水の性状、痛みの部位などについて詳しく問診が行われます。風邪をひいた時期やアレルギーの有無、これまでの治療歴なども重要な手がかりになるでしょう。
続いて行われるのが内視鏡検査です。細いカメラを鼻から挿入し、鼻腔内の粘膜の腫れや鼻水の状態、鼻茸の有無などを直接観察します。これにより、炎症の程度や急性・慢性の可能性を判断し、必要な検査や治療方針が検討されるという流れです。
CT検査で見える副鼻腔の状態
鼻副鼻腔炎の診断では、副鼻腔のなかに膿や粘液が溜まっているか、どの範囲に炎症が広がっているかを立体的に確認できるため、CT検査が重要な役割を果たします。
慢性鼻副鼻腔炎では複数の副鼻腔に炎症が及ぶことも多く、CT画像では白い陰影として確認されます。鼻中隔の形態や鼻茸の広がりなども評価できるので、治療方法を決めるうえで欠かせない検査といえるでしょう。
なぜCTが重要なのか
副鼻腔はお顔の骨の内部に位置しているため、外からの診察だけでは状態を十分に把握できません。レントゲン検査でも情報は得られますが、CT検査ではより詳細で立体的な画像が得られます。
特に慢性鼻副鼻腔炎や手術を検討する場合には、副鼻腔の形や周囲の重要な構造との位置関係を確認することが大切です。また、真菌性鼻副鼻腔炎や腫瘍など、見逃してはいけない病気の鑑別にも役立ちます。
好酸球性鼻副鼻腔炎の診断基準
好酸球性鼻副鼻腔炎は、白血球の一種である好酸球が関与する特殊な鼻副鼻腔炎です。成人発症が多く、喘息を合併しやすい特徴があります。
両側の副鼻腔、特に篩骨洞(しこつどう)と呼ばれる両目の間、鼻の奥にあるハチの巣状に細かく分かれた骨の空洞に炎症が広がる傾向がみられ、鼻茸が多発するケースもあります。CT検査だけでなく、血液検査で好酸球の増加があるかを確認することも診断の手がかりです。
確定診断には、手術で採取した組織を調べる病理検査が必要になることがあります。好酸球性鼻副鼻腔炎は再発しやすい病気のため、的確な診断と適切な治療選択が重要です。
鼻副鼻腔炎の治し方|症状に合わせた治療法

鼻副鼻腔炎の治療は症状の程度や病態によって異なります。急性鼻副鼻腔炎では薬物療法が中心となり、慢性化した場合や薬物療法で改善しない場合には手術も選択肢となるでしょう。
薬物療法(抗菌薬・去痰薬・点鼻薬)
急性鼻副鼻腔炎では、細菌感染が疑われる場合に抗菌薬が処方されます。適切な薬を決められた期間服用することで多くのケースで症状の改善が期待でき、慢性化の予防も期待できますが、自己判断で服用を中断したり乱用したりすると耐性菌の原因となるため医師の指示に従うことが大切です。
また、副鼻腔の通気が改善すると炎症の回復が促されるので、痰や鼻水を出しやすくする薬や、粘膜の腫れを抑える点鼻薬が併用されることもあります。
アレルギー性鼻炎が背景にある場合は抗アレルギー薬を併用することもあるでしょう。鼻洗浄によって分泌物を洗い流すことが症状の軽減につながる場合もあるため、検討されることもあります。
慢性鼻副鼻腔炎と手術治療
慢性鼻副鼻腔炎では、マクロライド系抗菌薬を少量で長期間使用する治療が行われることがあります。抗菌作用に加えて炎症を抑える効果が期待され、数ヶ月継続することで、鼻水や鼻づまりの改善が期待できる治療方法です。
保存的治療で十分な改善がみられない場合や鼻茸が多発している場合、真菌感染が疑われる場合などには手術が検討されます。現在主流となっているのは内視鏡を用いた副鼻腔手術で、鼻のなかから行うためお顔に傷が残りにくく、身体への負担も抑えられるのが特徴です。
手術では、副鼻腔と鼻腔の通路を広げて換気や排泄を改善し、炎症が起こりにくい環境を整えます。ただし再発の可能性もあるため、術後も継続的な通院とケアが重要です。
好酸球性鼻副鼻腔炎の治療
好酸球性副鼻腔炎は難治性で再発しやすい特徴があり、抗菌薬が十分な効果を示さないこともあるため、通常の慢性鼻副鼻腔炎とは異なる治療が求められます。
保存的治療ではステロイドを使用することもあります。手術が行われることもありますが、術後に再発するケースも少なくありません。術後も点鼻薬や内服薬による継続的な管理が重要とされていますが、再発時には生物学的製剤も選択肢になります。
生物学的製剤という新しい治療選択肢
近年、鼻茸を伴う慢性鼻副鼻腔炎に対して生物学的製剤という新しい治療が登場しました。炎症に関わる物質の働きを抑える注射薬で、従来の治療で改善が難しかった方にも効果が期待されています。
症状の大きな改善や再発抑制が報告されている一方、導入には条件があり、定期的な注射や費用面の負担についても理解しておく必要があります。治療の適応については医師と十分に相談することが大切です。
早期受診が慢性化を防ぐ
鼻副鼻腔炎は早期に治療を開始することで慢性化を防ぎやすい病気です。風邪が長引いて黄色い鼻水が続く、お顔の痛みがある、匂いがわかりにくいといった症状があれば、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
特に子どもは鼻副鼻腔炎を起こしやすいため、鼻づまりや鼻水が長く続く場合には注意が必要です。適切な診断と治療によって症状の改善だけでなく、生活の質の向上も期待できます。
鼻副鼻腔炎は中野富士見町耳鼻咽喉科にご相談を
鼻副鼻腔炎は適切な診断と治療により症状の改善が期待できる病気ですが、見逃されやすく慢性化しやすいという側面もあるため、専門的な検査と経験豊富な医師による診療が重要です。
中野区弥生町の中野富士見町耳鼻咽喉科は、鼻副鼻腔炎の診療に力を入れ、患者さん一人ひとりの症状に合わせた治療を提供されています。ここからは、中野富士見町耳鼻咽喉科の特長を紹介します。
鼻副鼻腔炎の状態を詳細に把握!CTによる精密な診断体制
中野富士見町耳鼻咽喉科は、2026年4月開院の新しいクリニックで、院内に慢性鼻副鼻腔炎や鼻骨顔面骨骨折、慢性中耳炎の診断に有効な耳鼻科用CTが導入されています。身体への負担を考慮した検査のために、短時間で三次元撮影が可能で被ばく量が少ないモデルを選定されたそうです。CT検査により、どの副鼻腔に病変があるか、粘膜の腫れの程度はどうか、骨の変化はあるかなどを的確に把握してより適切な治療方針立案に努めているといいます。また、好酸球性鼻副鼻腔炎のような特殊な病態も、CT画像を活用して早期に的確な診断を行うことで慢性化を防ぎ、より効果的な治療につなげられるよう心がけているそうです。
副鼻腔の詳細な状態をその場で確認できるため、診断までの時間を短縮でき、患者さんにとって負担の少ない診療体制が整っているといえるでしょう。
内視鏡を用いた診察で鼻副鼻腔炎の原因を丁寧に説明
中野富士見町耳鼻咽喉科では、鼻腔ファイバー検査を用いて鼻腔内の状態を詳しく観察し、内視鏡による検査で鼻水の性状や色、鼻茸の有無、粘膜の腫れ具合などを直接確認するなど、丁寧な診察に努められています。必要に応じて聴力検査や血液検査なども実施し、総合的に病態を評価するよう心がけているそうです。好酸球性鼻副鼻腔炎が疑われる場合には、血液検査で好酸球の数値を確認したり、病理組織学的検査を行ったりすることで確定診断を目指すといいます。
また、中野富士見町耳鼻咽喉科では丁寧なコミュニケーションを重視し、診断後はなぜ鼻副鼻腔炎になったのか、どのような治療が適しているのかなど、わかりやすく説明するよう心がけられているそうです。画面を見ながらわかりやすく説明するよう心がけられているので、患者さん自身が自分の状態を理解しやすいでしょう。
患者さんの症状に応じて幅広い治療を提案
患者さんの症状や病態に合わせて治療計画を提案できるよう、中野富士見町耳鼻咽喉科では、幅広い治療の選択肢が用意されています。真菌性鼻副鼻腔炎や歯性上顎洞炎などで、歯が原因と考えられる場合は、原因に応じた治療のために必要に応じて歯科との連携も図りながら治療を進めるそうです。
保存的療法で改善が認められない場合には連携病院への紹介が可能など、患者さんがよりよい医療を受けられるようにサポートされています。
院長は主に耳疾患を中心に幅広い分野の診療経験を積まれてきた耳鼻咽喉科のスペシャリストです。豊富な臨床経験を活かした的確な診断と治療を心がけられており、子どもから高齢の方まで安心して相談できる耳鼻咽喉科として、地域の方の健康と笑顔を支えられるような診療を目指しているといいます。
手術をしてもなかなかスッキリしない、何回も再発を繰り返して諦めかけているなど、鼻副鼻腔炎の症状でお悩みの方は、中野富士見町耳鼻咽喉科に相談してみてはいかがでしょうか?
中野富士見町耳鼻咽喉科の基本情報
アクセス・住所・診療時間
東京メトロ 中野富士見町駅より徒歩1分
東京都中野区弥生町5-27-4クレストコート中野富士見町2階
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