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関節リウマチの治療方法|原因や症状、早期発見の重要性を解説!

 公開日:2025/02/28
関節リウマチの治療方法|原因や症状、早期発見の重要性を解説!

関節リウマチとは、関節に炎症を引き起こす自己免疫疾患です。
関節リウマチが進行すると関節が変形して日常生活に支障をきたすことがありますが、適切な治療を受ければ症状の進行抑制が期待できます。

今回の記事では、関節リウマチの患者さんによくみられる症状や、関節リウマチの原因・治療方法について解説していきます。

気になる症状がある方や、関節リウマチの治療について知りたい方は参考にしてください。

西村 暁

監修医師
西村 暁(にしむら整形外科クリニック)

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出身大学:兵庫医科大学(平成12年卒)以後 
東京女子医科大学 附属第二病院(現・東医療センター) 外科 入局
東京女子医科大学 整形外科 転局
関連病院(船橋総合病院、蓮田病院、 東京北医療センター、東名厚木病院、 国立がん研究センター、千葉県こども 病院)にて研鑽を積み
平成30年4月にしむら整形外科クリニックを開院

関節リウマチの症状

関節リウマチの症状
関節リウマチは初期症状が軽いことも多く「少し違和感があるけれど生活に支障はないから」と見逃されがちです。しかし、病気が進行すると関節のこわばりや痛みなど、特徴的な症状が現れます。ここでは、関節リウマチの患者さんが自覚する代表的な症状について紹介します。

関節のこわばり

関節リウマチの特徴的な症状は、関節のこわばりです。こわばりとは、手や指の関節が動かしにくいと感じることをいいます。
関節の炎症性疾患ではよくみられる症状で、関節リウマチの場合は特に朝方に症状が現れやすく、30分以上続くことも少なくありません。特に起床後に現れやすいといわれており、これは炎症を起こした関節を長時間動かさずにいると関節内に水分が溜まるためとされています。指を動かし始めると水分は徐々に減少し指が動かしやすくなりますが、改善は一時的なものです。

関節の痛み・腫れ

関節に炎症が起こると、痛みや腫れが生じます。ただし、関節炎自体は外傷や感染症、関節の使い過ぎなどさまざまな原因で起こる症状です。そのため、関節リウマチを疑う場合に注意したいのが痛みの場所です。関節リウマチの痛みは左右対称に現れやすく、初期には指や手首、足の小さな関節に症状がみられるケースが多いでしょう。しかし、症状が進行すると膝や肘などの大きな関節にも痛みが出てくる可能性があります。
また、関節リウマチが進行すると骨や軟骨が破壊されるため、関節の変形やぐらつきにより関節に負荷をかけたときに痛みが生じる場合もあるでしょう。

手足のしびれ・痛み

関節リウマチになると、神経が障害されたり炎症により神経が刺激を受けたりすることで、しびれや痛みを感じることがあります。前述のように関節の組織が破壊されたことによる痛みを侵害受容性疼痛(しんがいじゅようせいとうつう)と呼ぶのに対して、こうした神経への影響による痛みは神経障害性疼痛(しんけいしょうがいせいとうつう)といいます。
症状は炎症が起こっている関節よりも末端にみられ、例えば手首の炎症が強いと、手の感覚が鈍くなったり物を握りにくくなったりするケースが多いでしょう。また、神経障害性疼痛による痛みは指先がビリビリ・チクチクするような感覚といわれています。

関節の変形

関節リウマチが進行すると、軟骨や骨が破壊されて関節の変形が起こります。関節の変形が進行すると、日常生活で細かい作業が難しくなることもあるでしょう。関節リウマチによる手指の変形には、主に下記の4種類があります。

  • スワンネック変形
  • ボタン穴変形
  • 尺側偏位
  • Z変形

スワンネック変形とは、指の第一関節が曲がった状態になり、第二関節が反り返ることで指が白鳥の頭から首のような形に曲がるものをいいます。
ボタン穴変形とは、第一関節が反り返り第二関節が曲がったままになってしまう状態です。
腕の骨のうち外側(小指側)にある骨を尺骨といい、人差し指から小指が尺骨の方向(小指の方向)へ大きく曲がったものを尺側偏位といいます。これらは親指以外の変形を指し、最後のZ変形とは親指の付け根が屈曲し第一関節が反り返ることで、Zの字のように指が曲がったものです。
今回は手指の変形について紹介しましたが、変形は足の指や膝などにも起こることがあります。

全身症状

リウマチの症状は、関節だけでなく全身に現れることもあります。特によくみられる症状として挙げられるのは、倦怠感・発熱・皮疹・息切れなどです。
喉の痛みや咳などの風邪症状がないのに倦怠感や発熱が数週間続く場合は、医療機関を受診し原因を調べることをおすすめします。

関節リウマチの原因

関節リウマチの原因
関節リウマチは自己免疫性疾患とされています。自己免疫性疾患とは、通常であれば自分を守るために外部から侵入した細菌やウイルスなどを攻撃するはずの免疫細胞が、過剰にはたらいて体の組織を傷つけてしまう病気です。
免疫が自分の身体を攻撃し始める明確な原因は、まだ完全には解明されていません。しかし、発症の原因ではないかとされる要因がいくつかわかってきました。

  • 感染症
  • 遺伝
  • 喫煙
  • 歯周病

免疫細胞が活発に活動し始めるのは、細菌やウイルスによる感染症にかかったときです。このタイミングで、免疫が過剰にはたらき始めるのではないかと考えられます。また、血縁者に関節リウマチの患者さんがいる方は関節リウマチを発症するリスクが高く、発症には遺伝が関連しているという説もあります。
その他、関節リウマチの発症や悪化のリスクを高めるとされるのが喫煙と歯周病です。喫煙や歯周病は関節リウマチの発症に関与するだけでなく、症状の悪化にも影響する可能性があると考えられるため注意が必要です。

関節リウマチの治療方法

関節リウマチの治療方法
関節リウマチは進行性の病気で、症状が悪化すると日常生活にも支障が出る場合があります。そのため、治療の主な目的は、症状の進行を抑えて生活の質を向上させることです。
関節リウマチの治療方法は大きく薬物治療と物理療法・理学療法に分けられます。ここからは、それぞれどのような方法なのか解説します。

薬物治療

関節リウマチの基本的な治療法は薬物療法で、主に下記の薬が使用されます。

  • 抗リウマチ薬(DMARDs)
  • 副腎皮質ステロイド
  • 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)

抗リウマチ薬は、免疫系の異常を抑えて関節の破壊を防ぐための薬です。頻繁に使用される抗リウマチ薬としては、メトトレキサートが挙げられます。
一方、副腎皮質ステロイドと非ステロイド性抗炎症薬は、炎症を抑える効果が期待できる薬です。治療の初期や炎症による痛みが強い場合に使用することがありますが、組織の破壊を抑制する目的の薬ではないため、あくまで対症療法的な薬と考えましょう。
その他、膝の痛みのように痛みの範囲が狭い場合には、関節へのヒアルロン酸注射や湿布薬などを行うこともあります。

物理療法・理学療法

関節リウマチの治療は薬物治療が中心となりますが、症状がなるべく生活の支障にならないように、関節の機能を維持することも重要です。関節の動きを保ったり痛みを軽減したりするためには、薬物治療と並行して物理療法・理学療法を行う場合があります。主な物理療法・理学療法は、下記が挙げられます。

温熱療法とは、ホットパックやパラフィン浴により患部を温めることで血流を促し、痛みを和らげたり筋肉をほぐしてリハビリをしやすくしたりするものです。運動療法では、医師の指示のもとで理学療法士が関節の可動域を維持するためのストレッチやリハビリを行います。いずれも、炎症を起こしているタイミングでは症状を悪化させる可能性があるため、関節の炎症が落ち着いているタイミングで行うことが重要です。
さらに、関節の変形によりすでに日常生活に支障が出ている場合は、症状に合わせて装具を使用する場合があります。装具とは、今ある身体機能で日常的な動作を行えるように、機能障害や身体の負担を軽減する補助器具のことです。具体的には、手の指が変形してボタンをかけるのが難しくなった場合に補助具を使用することがあります。
また、関節に負荷をかけないためにぐらつきのある関節を支える装具を使用したりする場合もあるでしょう。その他、足の指が変形して市販されている靴での歩行が難しくなった場合に、足に合わせた靴を作成する場合もあります。

関節リウマチの早期発見の重要性

関節リウマチの早期発見の重要性
関節リウマチは、進行とともに骨や軟骨などの組織が破壊されていく病気です。そのため、組織が大きく破壊される前に治療を開始することで、症状が軽いうちに進行を抑制できる可能性があります。また、初期段階で治療を行えば、関節が変形するリスクを下げるだけでなく炎症による痛みをはじめとした症状もコントロールしやすくなるでしょう。
なお、前述のとおりリウマチは関節だけでなく全身に影響を及ぼす病気です。特に、血管にまで炎症が広がると血管の狭窄や血栓症の原因となり、重大な心血管疾患につながる可能性があるとされています。こうした合併症も、早期に適切な治療を受けることでリスクを減らせるでしょう。
関節リウマチは完治が難しい病気とされていますが、早期診断・治療を行うことで関節リウマチと上手に付き合いながら生活しやすくなります。関節の痛みやこわばりのほか、気になる症状があれば早めに医療機関を受診することが大切です。

リウマチでお悩みならにしむら整形外科クリニックにご相談を

にしむら整形外科クリニック
この記事では、関節リウマチの概要や原因、主な治療方法について解説してきました。リウマチで受診できる病院を探している方に向けて、東京都新宿区高田馬場にあるにしむら整形外科クリニックを紹介します。
にしむら整形外科クリニックは、患者さんが納得できる診療を心がけているクリニックです。ここからは、にしむら整形外科クリニックの特徴を紹介します。

リウマチの治療に特化したリウマチ科で専門性の高い治療を提供

リウマチの診察は内科や整形外科でも行っている場合がありますが、リウマチ科を標榜している医療機関の受診をおすすめします。
にしむら整形外科クリニックの院長は日本整形外科学会 認定リウマチ医であり、一般的な整形外科のほかにリウマチ科を設けるなど専門的な治療を提供しています。
また、リハビリテーション科もありリハビリのための施設を備えているため、薬物治療だけでなく温熱療法運動療法も行えます。
こうした環境のなかで、リウマチにお悩みの患者さんに専門性の高い治療を提供しています。

ロコモティブ・シンドロームの予防に注力

にしむら整形外科クリニック
にしむら整形外科クリニックでは、物理療法・外来リハビリテーションを通じたロコモティブ・シンドロームの予防にも力を入れています。
ロコモティブ・シンドロームとは、骨や筋肉など運動器の機能が低下することで介護が必要となるリスクが高いことをいいます。一般的に高齢になるにつれて、ロコモティブ・シンドロームのリスクは高くなる傾向です。
リウマチの患者さんは、健康な人よりも若いうちからロコモティブ・シンドロームのリスクが高く、有病率も高いことがわかっています。
ロコモティブ・シンドロームのリスクも視野に入れながら、専門性の高いリウマチ治療を行える医療機関に通うことで、将来的な生活の質を保つことにもつながるのではないでしょうか。

患者さんに向き合ったわかりやすい説明と丁寧な診察

にしむら整形外科クリニックでは、患者さんにわかりやすい説明や、患者さんと向き合った丁寧な診察を心がけています。
このような点は、どのような医療機関でも大切なことですが、リウマチは生活機能にも直接関わる疾患で慢性的な痛みに悩まされることもあるでしょう。だからこそ、患者さんに寄り添った診療を心がける医療機関を選ぶことで、安心感をもって治療を続けられる可能性が高まるはずです。

リウマチかどうかわからないけれども気になる症状がある方や安心感を持てる診療を受けたい方は、にしむら整形外科クリニックを受診してみてはいかがでしょうか。

にしむら整形外科クリニックの基本情報

アクセス・住所・診療時間

東京メトロ副都心線 西早稲田駅 徒歩1分

東京都新宿区高田馬場1-1-1 メトロシティ西早稲田1F

診療時間
8:45~13:00
15:15~18:30

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