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パーキンソン病の初期症状は?治療法・早期発見する方法についても解説

 更新日:2024/03/18
パーキンソン病の初期症状は?治療法・早期発見する方法についても解説

パーキンソン病は国の指定難病の一つとなっている疾患です。難病と聞くと、どのような病気なのか不安に思う方もいるでしょう。名称は聞いたことがあっても、症状・治療法を知らなければ不安は増すばかりです。そこでこの記事では、パーキンソン病の初期症状について解説します。

効果的な治療法・早期発見の方法もあわせて紹介しますので、ご自分またはご家族の疑問を解消するためにぜひお役立てください。

霜田 里絵

監修医師
霜田 里絵(銀座内科・神経内科クリニック)

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順天堂大学医学部卒業、順天堂大学大学院神経学修了。順天堂大学医学部附属順天堂医院などで臨床経験を積んだ後の2005年、東京都中央区に「銀座内科・神経内科クリニック」開院。神経内科に特化した医療を提供している。日本神経学会認定専門医、日本内科学会認定医、日本抗加齢医学会認定専門医、日本医師会認定産業医。

パーキンソン病とは

パーキンソン病とは
パーキンソン病とは、大脳の下に位置する中脳の黒質にあるドパミン神経細胞が減少することにより発症する神経変性疾患です。
ドパミンは年齢とともに減少しますが、パーキンソン病患者さんは通常よりも早いスピードで減少します。αシヌクレインというタンパク質が凝集し、神経細胞死を誘発していることが原因です。
パーキンソン病は主に60歳以上の高齢者に多く見られ、100人に1人の割合で発症します。高齢化に伴い、患者数が増えているのが現状です。
稀に40歳以下で発症するケースもあり、その場合には若年性パーキンソン病と呼ばれます。国が定めた指定難病の中でも、特に患者数の多い疾患です。し高齢化に伴い国内の患者数は明らかに増えている印象です。

パーキンソン病の初期症状

パーキンソン病の初期症状
パーキンソン病の症状として多く見られるのは、身体の動きに関わる運動症状です。主に7つの初期症状が確認されます。
具体的にどのような症状なのか、それぞれの点を詳しく解説します。ご自分またはご家族にこのような症状がないかチェックしてみてください。

手足の震え

初期症状で最も多いのが手足の震え(振戦)です。初期に見られる諸症状の内約60%が震えであり、パーキンソン病診断に欠かせない症状であるといえます。
この震えは、何もせずリラックスしている静止時に起こるのが特徴です。また、右か左の片側から始まることが多いです。無意識の内に突然手指もしくは足が震え始め、意識を向けると震えが消えることがあります。頻度は1秒間に4〜6回と規則的です。
一般的に緊張時・動作時に手足が震える方もいますが、これらの場合は本態性振戦・老人性振戦の可能性が高いです。心身ともにリラックスしているときに起こる点が、見分けるポイントとなります。

動作に時間がかかる

ドパミンは運動調節に関連する機能を担っています。そのため、減少すると神経伝達に障害が生じ、震え以外に身体全体の動作が鈍くなるのも特徴です。
たとえば、寝ている状態から起き上がるのに時間がかかります。
また歩幅が狭くなっていくので歩行がゆっくりとなり、他人から遅れやすくなるでしょう。このような大きな動作は遅くなりますが、全体的に動きが小さくなることにより、手を捻って行う回内・回外運動のような小さな動作は早くなる傾向にあります。

身体が固くなる

筋肉が強張ったまま力が抜けず、スムーズに動かせなくなる筋固縮が多く見られます。
簡単にいえば身体が固くなる状態ですが、初期段階では日常生活で支障が出るほどの症状は見られません。ただし、ゴルフのように巧緻性が求められる運動はしにくくなるでしょう。
さらに、前傾姿勢で歩くようになったことからパーキンソン病が発覚するケースもあります。進行するにつれて筋固縮が顕著になり、典型的な前屈姿勢が見られるようになります。

転びやすい

健常者であれば、体勢が崩れて身体が傾いた時には重心を移動しバランスを保つものです。それでも耐えられない場合には足を踏み出して転倒を防ぎますが、パーキンソン病になるとこれらの動作に障害が起きて転倒しやすくなります。
これを姿勢反射障害と呼びます。起立・方向転換などの動作時にバランスを崩しやすいのも特徴です。
動作が小さくなっているため、段差につまずいて転ぶことも多くなるでしょう。さらに転倒の恐怖から活動性が低下していくことも、転倒頻度が高くなる要因です。

無表情になる

身体と同様に顔の表情筋が固縮することにより、仮面を被ったように表情が乏しくなる仮面様顔貌もパーキンソン病特有の症状です。
意識的に表情筋を動かして表情を変えることは可能ですが、感情に伴う自然な表情の変化はあまり見られなくなります。症状の進行によって程度が増していくため、初期段階では気づかれにくいです。
また、パーキンソン病患者さんは劣等感・自信喪失などマイナス思考に陥りやすく、精神面の変化も表情を失わせる要因になっていると考えられています。

字を書くと字が小さくなってしまう

字を書くと徐々に小さくなっていく小字症は、パーキンソン病患者さんの10〜15%ほどで見られます。健常者であっても文章を書いている内に字の大きさが変化することはありますが、小字症の場合は縮小度が顕著です。
特に同じ文字を10回書くよりも、文章を書くときの方が字が小さくなるという研究結果が出ています。これは、書いている途中で字を大きく切り替えられなくなるためです。さらに、通常よりも字を書く速度が遅くなる傾向もあります。

嗅覚の低下

これは運動症状に先行して起きていることが多いですが、意外と自覚していないことが多いです。診療の際に確認すると「そういえば…」ということがよくあります。

パーキンソン病の治療法

パーキンソン病の治療法
パーキンソン病は未だ研究が続けられている指定難病であり、根治療法は見つかっていません。そのため、症状を軽減する治療を行います。
患者さんのQOL(生活の質)を維持・改善するのに有効な治療法についてご紹介します。

薬物療法

パーキンソン病で生じる運動症状への主な治療法は薬物療法です。目的は、減少しているドパミンを増加させることにあります。
パーキンソン病と診断されてから3〜5年のハネムーン期は、薬物療法でほぼ1日中症状を安定させられるため、薬物療法は早期治療の要です。
L-ドパ(レボドパ)製剤、もしくはドパミンと同様の作用を持つドパミンアゴニストが投与されます。
また、ドパミンを分解する物質を阻害するMAO-B阻害薬他、多くの種類の薬剤があります。
患者さんの症状に合わせ、適切な薬剤を組み合わせて治療を進めます。
症状の度合い、ご年齢、生活状況などにより、どのような薬剤を使っていくのがよいか経験の多い医師とよく相談してみてください。

手術療法

薬物療法の効果が不十分もしくは低下してくると、外科治療として手術療法を行います。
普及している方法は、脳の深部に電極を挿入し高頻度の電気刺激を持続的に与える脳深部刺激療法(DBS)です。全世界で行われている手術で、日本では2000年4月より保険適用となり、7,000人を超える患者さんに実施されています。
主に視床下核・淡蒼球といった特定の箇所を刺激し、それぞれ視床下核刺激術(STN-DBS)、淡蒼球刺激術(GPi-DBS)と呼ばれています。薬物療法を組み合わせることで効果を高められ、ハネムーン期を過ぎてからも症状を安定させることが可能です。

リハビリテーション

早期のリハビリテーションが推奨されており、とても重要です。転倒予防を目的に歩行訓練や筋力維持を積極的に行いましょう。
症状の進行に伴い全身が動かしにくくなっていきますが、動かないままでいると運動機能の低下を加速させる可能性が高いです。
その方のレベルによって、どのようなリハビリテーションを進めていくかは異なります。医師とよく相談しましょう。

パーキンソン病を早期発見する方法は?

パーキンソン病を早期発見する方法は?
パーキンソン病はゆっくりと進行していきますが、放置していると日常生活に支障をきたしてしまいます。そこで、患者さんご自身またはご家族がなるべく早く変化に気づくことが大切です。
早期発見の方法とはセルフチェックです。前述した初期症状の中でも、とりわけ静止時振戦・動作の遅さ・嗅覚障害の有無に注目しましょう。
また、初期段階では症状の左右差が顕著に表れます。片方の手足が無意識に震える、立ち上がったり歩いたりする動きが鈍くなっている場合は、パーキンソン病を疑ってください。そしてこのような気になる症状があれば加齢のせいと決めつけず、早めに医療機関を受診し相談することも心がけましょう。

パーキンソン病は専門の医師の治療を受けることが大事

パーキンソン病は専門の医師の治療を受けることが大事
根治できないパーキンソン病は、発症から生涯の付き合いとなります。長期的に治療を続けていくうえで、主治医の選択は非常に重要です。
この点で、専門の医師の治療を受けるかどうかで患者さんのQOLは大きく変わるでしょう。なぜなら、パーキンソン病は一般的な検査で発覚せず、運動症状の程度が小さいと見過ごされやすいからです。
患者さん本人も気づいていない症状が出ている場合もあるため、注意深く診断する必要があります。専門の医師であればより適切な診断・治療を期待でき、これまでの生活を維持しながら安心して治療に励めるでしょう。

パーキンソン病でお悩みなら銀座内科・神経内科クリニックにご相談を

銀座内科・神経内科クリニック待合室
ここまでパーキンソン病の初期症状を解説しましたが、気になる症状がある方は銀座内科・神経内科クリニックへ相談してみてはいかがでしょうか。

銀座内科・神経内科クリニックの特徴をご紹介します。

パーキンソン病を研究してきた院長による診断

銀座内科・神経内科クリニック院長
銀座内科・神経内科クリニックの院長である霜田里絵先生は、順天堂大学病院在籍中に研究テーマとしてパーキンソン病を専攻していました。パーキンソン病の豊富な知識と経験があるため、患者さんに応じた診断・治療を行ってもらえます。

「一人でも多くのパーキンソン病患者さんに触れることが私の喜び」と語る霜田先生なら、小さな不安の解消にも力を貸してくれることでしょう。

順天堂医院 脳神経内科との医療連携

出身大学である順天堂大学脳神経内科とは常に密な連携体制があり、検査や薬剤調節、入院等の段取りや連絡をスムーズに行います。
順天堂大学脳神経内科はパーキンソン病について臨床・研究とも国内外で多くの業績がある脳神経内科として知られています。その他、聖路加国際病院、東京逓信病院とも連携体制が充実しています。

リハビリテーションへの誘導

医療保険、介護保険を利用したリハビリテーションへの積極的なアドバイス、誘導はもちろんのことクリニックなら徒歩1分のppit(パーキンソン病に特化したリハビリスタジオ)とも密接連携し、通院と併行して行うリハビリや、定期的状態評価チェックも行っております。

通院に時間がかかる方のためのオンライン診療

銀座内科・神経内科クリニックでは、遠方の患者さんも受診しやすいようにオンライン診療のサービスを設けています。
ご自身で通院することが難しい高齢患者さんや、仕事が忙しくてなかなか通院できない若年パーキンソン病患者さんも診療を受けやすいサービスです。ご家族も安心してサポートできるでしょう。

来院は3〜4ヶ月に一度であり、通院を理由にご家族と銀座に来られることを喜んでおられる患者さんも多いそうです。

社会的支援の活用についての相談にも対応

パーキンソン病は保険診療で受けられるため、治療費は3割負担です。難病医療助成・身体障害認定などが認められると、医療費の助成を受けられます。

パーキンソン病患者さんは、特定疾患の特定を受けているかどうかで治療費の自己負担額が大きく変わります。

また重症と認定された場合には自己負担額が全額公費負担されるため、このような社会的支援は必ず受けるべきです。しかし、詳しく知らない方も多いでしょう。銀座内科・神経内科クリニックでは、社会的支援の活用についての相談にも積極的に対応しています。

パーキンソン病は、長期的に治療を続けていくと費用面の負担が大きくなります。1人で悩まず、ぜひ気軽に相談してみてください。

銀座内科・神経内科クリニックの基本情報

アクセス・住所・診療時間

東京メトロ日比谷線 東銀座駅 徒歩3分
東京メトロ銀座線・東京メトロ丸ノ内線・東京メトロ日比谷線 銀座駅A3出口 徒歩4分

東京都中央区銀座6丁目12-10 銀座龍岡ビル2階

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診療時間
10:30〜13:30
15:00〜18:00

休診日:第2〜5水曜午後・日曜・祝日
▲:第1水曜午後・土曜のみ予約優先
※初診は午前診は13:00まで、午後診は18:00までの受付です。
※初診は予約が必要です。

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