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ミノキシジルにはどのような効果がある?外用薬・内服薬・副作用について解説

 更新日:2024/01/12
ミノキシジル 効果

AGA治療の効果が見込まれているミノキシジルミノキシジル配合を謳っている商品もいくつか存在し、その名前を耳にされる方も多いのではないでしょうか。

またミノキシジルには外用薬と内服薬が処方されており、どちらがどのように効果があるのか気になるところです。どこで購入すれば良いのかも気になるところだと思います。

今回はミノキシジルについて、その効果や服用する上での注意点などを織り交ぜながらご紹介しましょう。

坂本 好昭

監修医師
坂本 好昭(医師)

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慶應義塾大学医学部 卒業、同形成外科 入局。 フランス ネッカー小児病院留学を経て2016年より慶應義塾大学医学部 形成外科 講師

ミノキシジルにはどのような効果がある?

ミノキシジルにはどのような効果がある?
ミノキシジルは毛根を包んでいる毛包(もうほう)といわれる皮膚組織に直接作用する有効成分です。
毛包に直接作用してタンパク質の合成や細胞を増殖するなど、発毛を促す役割を担っています。
それではミノキシジルにどのような効果が期待できるのか、ご紹介していきましょう。

育毛・発毛効果が期待できる

発毛には毛周期といわれるサイクルがあるのですが、そのサイクルが上手く循環しなければ発毛が阻害されてしまいます。それがAGAの原因といわれています。
ミノキシジルは毛が生え変わる前後に毛包にあるタンパク質や細胞を増やすことによって毛根を太くし、髪の成長を促す有効成分です。
また、ミノキシジルは休止期の毛包を活性化させます。
毛周期では髪が生え変わる前に休止期があり、そこで新たな発毛の準備をします。ところがAGAですと発毛の準備が充分に行えず、毛包が退行してしまうのです。
休止期の毛包を活性化させることによって、育毛だけでなく発毛効果も期待できるでしょう。

抜け毛予防の効果が期待できる

ミノキシジルの効果は育毛・発毛にとどまりません。抜け毛の予防にも期待できます。毛包だけでなく毛根の血管を拡張する働きがありますので、抜け毛の心配は少なくなるでしょう。
なお、AGA治療においてデュタステリドやフィンペシアなど、女性には禁忌とされる成分が含まれた抜け毛予防薬があります。
しかしミノキシジルは女性でも安心してご利用いただけますし、AGA以外の脱毛症の方でも効果が期待できるでしょう。
また、同じく脱毛の抑制に作用するザガーロプロペシアといった薬もあります。
こちらは脱毛防止に特化しておりミノキシジルより効果が期待できますが、発毛においてはミノキシジルの方がより効果的とされています。

ミノキシジル外用薬の特徴

ミノキシジル外用薬の特徴
ミノキシジル配合の医薬品は、日本国内においては外用薬として販売されています。用法はいずれの製品も脱毛部に直接塗布するタイプとなっています。
外用薬の費用は月15,400円(税込)ほどになりますので参考にしてみてください。
ミノキシジル配合の外用薬は液体状となっており、小さなノズルを通して垂らすだけで塗布は完了です。
テレビCMなどで知名度もあり、入手性も良い事から代表的なAGA治療として広く導入されています。そんなミノキシジル外用薬の大きな特徴をご紹介しましょう。

厚生労働省からの認可を受けている

大きな特徴として、ミノキシジル配合の外用薬は厚生労働省の認可を得ている製品が多いです。認可を得ている製品であれば万が一副作用で重篤な症状に見舞われても、医薬品副作用救済制度の対象になります。
後ほど詳しくご紹介しますが、ミノキシジルにはいくつか副作用が報告されています。また処方に適さない方もいらっしゃいますので、購入の際には医療機関に処方してもらった方が良いでしょう。
市販薬の項でもお知らせしますが、市販のミノキシジルの含有量は100mlあたり5mgと定められています。
医師の処方であれば、より含有量を調整した外用薬を処方される場合もあります。
そのため、ミノキシジルの外用薬をお求めの場合はまずは医療機関に診てもらうのが良いでしょう。

ドラッグストアなどでも市販されている

ドラッグストアで販売されている
ミノキシジル配合の外用薬はドラッグストアでも購入できます。代表的な製品として、大正製薬のリアップが挙げられます。テレビCMでご存じの方も多いのではないでしょうか。
ドラッグストアでは外用薬100mlあたり5mgのミノキシジル配合が認められています。
ただし市販のミノキシジル配合の外用薬は第1類医薬品に定められていますので、薬剤師のいるドラッグストアでなければ購入できません。
購入の際はご注意ください。

ミノキシジル内服薬の特徴

ミノキシジル内服薬の特徴
ミノキシジル配合の医薬品にはタブレットタイプの内服薬もあります。先ほどの外用薬より発毛効果が期待できるといわれていますが、ドラッグストアで購入することはできません。
元々内服薬は高血圧の方の血圧降下剤として使われていました。血圧を下げて血管を拡張させる作用があったため、血行が良くなったのです。
すると頭皮の血行も良くなり、結果として発毛効果も期待できるといわれるようになりました。
そのため一部のクリニックで処方してもらえる可能性があります。
費用はクリニックにもよりますが内服薬で月7,700円(税込)ほどになります。
他にもいくつか注意する点がありますので、ご紹介しましょう。

厚生労働省からの認可は受けていない

まず外用薬との大きな違いは、厚生労働省の認可を受けていないという点です。そのため外用薬のような医薬品副作用救済制度は適用されません。
本来ミノキシジルの内服薬はAGA治療薬ではなく、高血圧の方向けの薬品でした。
海外では処方されているものの、その安全性・有効性は確立されたものではないことを理解したうえで使用しましょう。
日本国内でも個人輸入でミノキシジルの内服薬を購入することができますが、偽物やそれに伴った健康被害も報告されています。
そのため個人輸入はせず、医師に処方してもらって購入した方が良いでしょう。

外用薬よりも効果が高いと考えられている

厚生労働省の認可外ということでリスク・入手性についてご紹介しましたが、こと効果だけに着目すると外用薬より内服薬の方が期待は持てます。
ミノキシジルの内服薬には血管を拡張させる作用があります。それによって発毛を促すのですが、頭皮だけでなく全身の血流が良くなるというのもポイントです。
そのほか毛母細胞の活性化にも効果が見込まれますので、毛周期の循環には期待が持てるでしょう。
ただし内服薬は血管や細胞に直接働きかけることから、効果は期待できるものの、その副作用のリスクも大きくなります。
主な副作用は動悸・息切れ・頭痛などが挙げられます。

取り扱いのあるクリニックで処方してもらう必要がある

日本では未承認の薬のため、一般の方が購入する場合はクリニックの処方箋が必要です。
中には個人輸入で購入する方もいらっしゃいますが、偽物のリスク・製造工程の衛生面でのリスクなど安全が担保されておりませんので避けるようにしてください。
一部のクリニックではミノキシジルの内服薬が処方されますので、確認してみると良いでしょう。
時間の無い方向けに、オンライン診療を行っているクリニックもあります。
例えばパソコンやスマートフォンを介して医師に診察してもらい、薬を送ってもらうといった診療です。
料金は保険外診療のためまちまちですが、中には診察料無料で薬代のみ請求といったクリニックもあります。
ただし高血圧の治療中であったり薬に対してアレルギーが出たといった禁忌に触れる場合は、診察自体受け付けられない場合があるため注意が必要です。
 

ミノキシジルの副作用は?

ミノキシジルの副作用は?
副作用について説明する前に、ミノキシジルを処方できない方はどのような方かご紹介します。

  • 未成年者(20歳未満)
  • 妊娠中・授乳中の方
  • 血圧に異常のある方
  • 心疾患をお持ちの方

以上の方はミノキシジルを塗布・服用することができません。
その他、薬にアレルギー反応が出た経験のある方も注意が必要です。医師・薬剤師に処方してもらう際は必ず申し出てください。
これらの注意点を踏まえたうえで、ミノキシジルの副作用についてご紹介します。

初期脱毛

初期脱毛
ミノキシジルは塗布・服用すると一時的に脱毛するケースがあります。これを初期脱毛といいます。
なぜ初期脱毛が起こるかというと、先ほどよりご紹介しております毛周期と関係があるからです。
そもそもAGAは毛周期の成長期・退行期・休止期の中でも休止期に留まってしまう症状を指します。
休止期に留まってしまうと、新しい毛根の成長を阻害してしまうため髪が生えにくくなるのです。
つまり初期脱毛とは、成長期に向けて新しい毛根を成長させるため、古い髪が抜けるよう働きかける現象を指します。
そのため初期脱毛はミノキシジルがうまく作用している証拠なのです。

皮膚炎

ミノキシジルの主に外用薬を塗布した際に、副作用として皮膚炎が発症する場合があります。
特に頭皮が荒れていたり日焼けしていたりすると、発症リスクが高まります。塗布する際には頭皮状態に異常がないか確認が必要です。
主な症状として、発疹・かゆみ・かぶれなどが挙げられます。ただし、かゆみをおぼえる症例は全体の3%程ですので過度に心配する必要はありません。

動悸・息切れ

ミノキシジルを服用した際に動悸・息切れをおぼえる方がいらっしゃいます。原因としては血行が良くなったためと考えられるでしょう。
ミノキシジルには毛細血管を拡張させる働きがあり、全身に血液を供給しようとすると心臓の動きが必要以上に早まります。
すると動悸が起こり、酸素供給を追いつかせるために息切れも起こしやすくなります。
重症化するリスクは限りなく低く、こちらも過度の心配は必要ありません。
ただし必要以上の服用など用法・用量を守らなければ、最悪の場合命に関わるリスクもあるということだけおぼえておきましょう。

肝機能障害

ミノキシジルは肝臓で代謝される薬です。肝臓には解毒の役割があり、薬も人体に無害な成分に分解する必要があります。
薬を分解する際に肝臓には少なからず負担がかかりますので、ミノキシジルも例外なく肝臓の負担となるでしょう。
そうすると肝臓に炎症が起こり、肝機能障害になる可能性があります。
特に肝臓は沈黙の臓器と呼ばれるほど症状を自覚しにくく、放っておくと重篤な状態になりかねません。
内服薬を処方してもらった場合、クリニックで副作用が無いか血液検査をしてもらえます。早期発見できれば重篤になるケースは少ないので、定期的な検査を心がけましょう。
ちなみに外用薬では肝機能障害のリスクは少ないので、心配する必要はございません。

心疾患

心疾患
動悸の項目でもご紹介しましたが、ミノキシジルには血管を拡大させる作用があります。用量を間違えた場合過度な作用が働いて、心筋梗塞などの心疾患が発症した事例がありました。
また、動物実験で犬にミノキシジルを投与した実験が行われたこともありました。体重1kgあたり0.5mg・1mg・3mgと投与したところ、いずれも心筋梗塞を発症したのです。
人間の体重に換算しますと、それぞれ30mg・60mg・120mg投与したことになります。
内服薬では適正なミノキシジル含有量が100mlあたり5mgですので、いかに多く投与したか伺えます。
心疾患は命にかかわる病気ですので、自分がどのくらい服用しているのか把握しておきましょう。

頭痛

ミノキシジルを服用することによって頭痛を引き起こす場合があります。副作用の大半が血管の拡張により引き起こされている場合が多いのですが、頭痛も例外ではありません。
血管が拡張すれば神経を圧迫する可能性があり、それが頭痛の原因となります。
人によっては激しい頭痛に見舞われかねません。頭痛の症状が出てきたら、ミノキシジルを処方したクリニックに相談に行くと良いでしょう。
注意してほしいのが頭痛薬を常備している方です。ミノキシジルの副作用として頭痛が発症した場合、頭痛薬によってより症状が重くなるケースがあります。
まずはミノキシジルの服用を取りやめ、経過を見るよう心がけてください。

多毛症

多毛症とは髪の毛だけでなく体毛が増える病気です。
ミノキシジルは血行を良くし毛包の細胞を活性化する作用がありますので、頭髪だけでなく体毛にも影響を与える可能性があります。
特に内服薬はその作用が強いため、全身の体毛が増えたという症例も少なくありません。
多毛症は男女かかわらず現れ、男性はひげが、女性は体毛の産毛が濃くなったと報告されています。
もし多毛症を絶対に避けたい場合はミノキシジルを中断するしかありません。
ミノキシジルの服用を続ける場合は、こまめな体毛の手入れもする必要があるかもしれないと覚えておいてください。

ミノキシジルの効果が出るまでの期間はどのくらい?

ミノキシジルの効果が出るまでの期間はどのくらい?
ミノキシジルは塗布・服用いずれもやればすぐ生えるという薬ではありません。毛周期のサイクルを促す薬ですので、6ヶ月ほどで効果が発現している方が多いです。
3ヶ月ほどで違いを感じる方も多いので、個人差があることを理解したうえで、日々の成長を楽しんでみてはいかがでしょうか。

ミノキシジルとフィナステリドの違いは?

ミノキシジルとフィナステリドの違いは?
AGAの治療薬としてフィナステリドという成分もあります。同じAGA治療薬として認知されていますが、役割が異なりますので注意が必要です。
ミノキシジルは発毛効果が期待できる成分ですが、フィナステリドは抜け毛を予防しAGAの進行を遅らせるといわれています。
そのため、いずれも単体で使うのはおすすめできません。ミノキシジルフィナステリドを併用することによって、頭髪改善の効果が期待できるのです。

編集部まとめ

編集部まとめ
発毛効果が期待できるミノキシジルについてご紹介してきました。

副作用など注意すべき点はありますが、髪が生えれば見た目が変わります。見た目が変われば気分も変わり、日々の生活がプラスに働くことでしょう。

頭髪の悩みを解消するアイテムは広く世に出回っていますが、ミノキシジルをはじめとしたAGA治療薬は一気に見た目が変わるものではありません。

自然に発毛を促してくれますので、周りの目を気にせずその効果を楽しんでみてはいかがでしょうか。

この記事の監修医師