健康診断で肝機能異常を指摘されたら要注意!生活習慣病との向き合い方

健康診断で「肝機能の数値が高め」と指摘されたことはありませんか?
肝臓は“沈黙の臓器“と呼ばれ、自覚症状が出にくいため健診での異常値が見逃せないサインとなります。高血圧や脂質異常症といった生活習慣病とも深く関わっており、放置すれば肝硬変や肝臓がんへ進行するリスクが高まります。
本記事では、肝臓の役割や健康診断で見るべきポイント、生活習慣病との関連性、そして肝臓を守るための具体的な生活習慣やメディカルダイエットの位置づけについて詳しく解説します。
異常値が出た際にどう行動すべきか、どの診療科を受診すればよいのかなど、疑問をお持ちの方はぜひ参考にしてください。

監修医師:
嬉野 浩樹(うれしの外科胃腸科クリニック)
資格・専門医
日本外科学会 外科専門医
日本消化器外科学会 消化器外科専門医、消化器がん外科治療認定医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
日本肝臓学会 肝臓専門医
日本消化器病学会 消化器病専門医
目次 -INDEX-
肝臓の役割と健康診断で見るべきポイント

肝臓は体内で500種類以上もの化学反応を担う重要な臓器です。健康診断では肝機能を示すいくつかの指標が測定されますが、数値だけで判断せず、総合的に評価することが大切です。
ここでは、肝臓が担う役割と健診で見るべき項目、そして数値を正しく理解するための視点について解説します。
肝臓が担う重要な役割とは
肝臓は体内で一番大きな臓器であり、代謝・解毒・胆汁の生成という3つの主要な働きを担っています。
代謝機能では、食事から摂取した糖質やタンパク質、脂質を体内で利用できるように変換し、エネルギーを蓄えたり供給したりします。
解毒機能では、アルコールや薬剤、体内で生じた有害物質を無毒化し、尿や便として排出する準備を整えます。
胆汁の生成では、脂肪の消化吸収を助ける胆汁を作り出し、十二指腸へ送り込みます。
肝臓は予備能が高い臓器で、多少の肝障害が起きていても初期にはほとんど自覚症状が現れません。その結果、異常に気づかないまま進行してしまい、症状が出たときにはすでに病状がかなり進んでいるケースも少なくありません。
健康診断で見る肝機能の指標
健康診断では、血液検査によって肝臓の状態を調べます。代表的な検査項目として、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、ALPなどが挙げられます。
ASTとALTは肝細胞が損傷を受けると血液中に流れ出る酵素で、肝炎や脂肪肝などで数値が上昇します。γ-GTPは胆道系の異常や飲酒による影響を反映しやすく、アルコール性肝障害のスクリーニングに用いられます。ALPも胆汁の流れに関わる指標で、胆石や肝内胆汁うっ滞があると高値を示します。
さらに、アルブミンやビリルビンといった項目も肝臓の機能を評価するうえで重要です。アルブミンは肝臓で合成されるタンパク質であり、低下している場合は肝臓の合成能力が落ちている可能性があります。ビリルビンは黄疸の原因物質で、肝機能障害や胆汁の流れが悪いときに上昇します。
これらの数値を組み合わせて総合的に判断することで、肝臓がどの程度ダメージを受けているかを把握できます。
数値だけで判断しないための視点
肝機能の数値が基準値を超えているからといって、すぐに重大な病気があるとは限りません。数値は一時的な体調変化や検査前の食事内容、服用している薬剤などによって変動します。
例えば、前日に飲酒した場合や激しい運動をした後では、ASTやALTが上昇することがあります。また、サプリメントや市販薬の中には肝臓に負担をかけるものもあり、それが数値に影響を与える場合もあります。
大切なのは、異常値が出た際に放置せず、医療機関で詳しい検査を受けることです。腹部超音波検査(エコー)や血液検査の追加項目、必要に応じてCTやMRIなどの画像検査を行うことで、肝臓の形や質感、脂肪の蓄積度合いを確認できます。
また、ウイルス性肝炎の有無を調べるためにHBs抗原やHCV抗体の検査を実施することもあります。数値だけでなく、肝臓全体の状態を多角的に評価することで、適切な治療方針を立てられます。
肝臓への影響が大きい生活習慣病

肝臓は生活習慣病と密接に関わっており、高血圧や脂質異常症、脂肪肝などが肝臓に負担をかけます。これらの疾患は互いに影響し合い、放置すれば肝硬変や肝臓がんへと進行するリスクを高めます。
ここでは、生活習慣病が肝臓に与える影響について詳しく解説します。
高血圧と肝臓のつながり
高血圧と脂肪肝は、多くの場合「メタボリックシンドローム」の一環として同時に進行します。過食や運動不足によって内臓脂肪が蓄積すると、インスリンの働きが悪くなる「インスリン抵抗性」という状態に陥ります。このインスリン抵抗性が、高血圧と脂肪肝の両方を引き起こす共通の原因と考えられています。したがって、高血圧を管理することは、心臓や脳だけでなく脂肪肝の進行を防ぎ、肝臓の健康を守るためにも重要です。
脂質異常が肝臓に及ぼす影響
脂質異常症は、血液中のLDLコレステロールや中性脂肪が高い状態、あるいはHDLコレステロールが低い状態を指します。
中性脂肪が過剰になると肝臓内に脂肪が蓄積しやすくなり、脂肪肝を引き起こします。脂肪肝はアルコール性と非アルコール性に分類され、近年では食事の過剰摂取や運動不足による非アルコール性脂肪肝が増加しています。
脂質異常症が続くと肝臓内で炎症が起こり、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)へ進行することがあります。NASHは脂肪肝よりも進行性が高く、放置すると肝硬変や肝臓がんへと発展するリスクが高まります。
日本人の約3人に1人が脂肪肝であるとされており、脂質異常症の適切な管理も肝臓の健康を守るうえで欠かせません。
脂肪肝とは?原因と進行の仕組み
脂肪肝とは、肝臓内に中性脂肪が5%以上蓄積された状態を指します。原因はアルコールの過剰摂取による「アルコール性脂肪肝」と、過食や運動不足による「非アルコール性脂肪肝」に大別されます。
アルコール性脂肪肝は、男性で1日あたり30g以上、女性で20g以上のアルコールを日常的に摂取している場合に発症しやすくなります。缶ビール350mlには約14gのアルコールが含まれるため、毎日飲酒を楽しむ方は容易にこの基準に達してしまいます。
非アルコール性脂肪肝は、過剰な糖質や脂質の摂取、肥満、運動不足などが主な原因です。肝臓に蓄えられた脂肪は炎症を引き起こし、肝細胞を損傷させます。初期の脂肪肝は自覚症状がほとんどありませんが、放置すると約10〜20%が脂肪性肝炎へ進展し、そこから約20%が肝硬変へ進行するとされています。
肝臓が線維化した肝硬変へ至ると、完全に元の状態に戻ることはありません。しかし、脂肪肝や脂肪性肝炎の段階であれば、生活習慣の改善によって正常な肝臓へ戻すことが可能です。
肝臓を守る生活習慣とメディカルダイエット

肝臓の健康を維持するためには、日々の生活習慣が重要です。食事内容の見直しや適度な運動、そして必要に応じたメディカルダイエットの活用が、肝臓を守る有効な手段となります。
食事で肝臓を守るポイント
肝臓に負担をかけない食事の基本は、エネルギーの過剰摂取を避け、バランスの取れた栄養を摂ることです。塩分の摂取を1日6g以下に抑えることは、高血圧の予防だけでなく、肝臓への負担軽減にもつながります。
また、脂質の質と量に注意し、飽和脂肪酸の多い肉の脂身やバター、ラードなどの摂取を控えることが大切です。代わりに、魚類や大豆製品を積極的に取り入れることで、多価不飽和脂肪酸を摂取でき、動脈硬化の予防にも効果的です。
食物繊維は血中コレステロールを下げる働きがあり、毎食野菜や海藻、きのこ類を摂取することが推奨されます。1日350gの野菜摂取を目安にし、そのうち3分の1以上は緑黄色野菜から摂るとよいでしょう。
さらに、アルコールの摂取量は男性で1日25g以下、女性で20g以下に抑えることが望ましいです。ビールなら中瓶1本、日本酒なら1合程度が目安となります。
運動と肝臓の関係:無理なく続けるコツ
適度な運動は肝臓内の脂肪を減らし、肝機能を改善する効果があります。
中等度の強度の有酸素運動を1日30分以上、できれば毎日、少なくとも週180分以上行うことが理想的です。中等度の強度とは、楽に行える程度からややきついと感じる程度で、息が弾むくらいの運動を指します。ウォーキングやジョギング、水泳、サイクリングなどが代表的な有酸素運動です。
運動を始める際は、無理をせず徐々に強度を上げていくことが大切です。高齢の方や心疾患、脳卒中の既往がある方、関節症や腰痛、膝痛を抱えている方は、運動を始める前に主治医に相談しましょう。どのような運動が適しているか、どの程度行うべきか、どのような状態になったら中止すべきかを確認しておくことが重要です。
日常生活のなかで階段を使う、一駅分歩くなど、小さな積み重ねも効果的です。
メディカルダイエットの位置づけ
メディカルダイエットとは、医療機関で医師や管理栄養士の指導を受けながら行うダイエットのことです。
脂肪肝や肥満を改善するために、患者さんそれぞれの状態に合わせた食事療法や運動療法でサポートしてもらうことができます。医学的根拠に基づいた方法が提案されるため、リバウンドの可能性を抑えながら持続的な改善が期待できます。
メディカルダイエットでは、血液検査や腹部超音波検査などで現在の身体の状態を詳しく調べたうえで、適切なカロリー制限や栄養バランスの指導が行われます。また、必要に応じて薬物療法が併用されることもあります。
脂肪肝の患者さんにとって、メディカルダイエットは肝臓への負担を軽減し、肝機能を改善するための有力な手段となります。自己流のダイエットで失敗した経験がある方や、健康診断で異常値を指摘された方は、一度医療機関で相談してみることをおすすめします。
ただし、メディカルダイエットは一般的な医療痩身と比較すると成果を得られるまでに長い時間がかかったり、薬物を使用した場合は口渇や吐き気、頭痛、便秘、不眠などの薬による副作用が起こる場合があります。また、一部を除き自由診療となり、1ヶ月あたり20,000〜100,000円(税込)ほどかかる可能性があります。
健康診断で生活習慣病と指摘されたら

健康診断で生活習慣病や肝機能異常を指摘された場合、適切な対応をとることが重要です。異常値が出たら、どう行動してどの診療科を受診すればよいのでしょうか。
異常値が出たらまずは何をする
健康診断で肝機能の異常値を指摘されたら、まずは結果を冷静に受け止めて放置しないことが大切です。異常値が軽度であっても、自覚症状がないからといって安心せず、医療機関で精密検査を受けることが推奨されます。
また、検査前の生活習慣を振り返り、飲酒量や食事内容、運動習慣、服用しているサプリメントや薬剤などを医師に伝えることが重要です。これらの情報は、異常値の原因を特定し、適切な治療方針を立てるうえでの手がかりとなります。検査結果を持参して受診すると、診察がスムーズに進みます。
どの診療科を受診すべきか
肝機能異常や生活習慣病を指摘された場合、まずは内科を受診するのが一般的です。肝臓に関する疾患や生活習慣病は多くの内科クリニックで診療が可能なので、かかりつけ医がいればそちらに相談するとよいでしょう。
内科での初診時には、血液検査や腹部超音波検査などを通じて肝臓の状態を詳しく調べ、必要に応じて専門的な治療が行われます。
日本肝臓学会 肝臓専門医など、肝臓に関する診療を専門とする医師がいる医療機関では、肝炎ウイルスの検査や肝線維化の程度を評価する検査、脂肪肝の定量評価などが実施されます。特に、ウイルス性肝炎や自己免疫性肝炎、薬剤性肝炎などが疑われる場合は、専門の医師による詳しい診断と治療が必要です。
高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病が併存している場合は、それぞれの疾患を専門とする診療科と連携しながら総合的に治療を進めることもあります。
受診することで得られる安心感
医療機関を受診することで、自分の身体の状態を正確に把握でき、適切な治療方針を立てられます。沈黙の臓器である肝臓は自覚症状がないまま病状が進行することがありますが、定期的な検査とフォローアップによって、早期に異常を発見し対処することが可能です。また、医師や管理栄養士による生活習慣の指導を受けることで、無理なく健康的な生活を続けるための具体的な方法を学べます。
受診することで得られる安心感は、単に病気の有無を確認するだけにとどまりません。専門家のサポートを受けながら、自分の健康を守るための行動を起こせるという実感が、精神的な支えとなります。肝臓や生活習慣病に関する疑問や不安を相談できる場があることは、長期的な健康管理において大きな意味を持ちます。
生活習慣病はうれしの外科胃腸科クリニックにご相談を

肝臓は自覚症状が出にくい臓器だからこそ、数値の変化に早めに気づき、生活習慣を見直すことが大切です。
福岡県那珂川市にあるうれしの外科胃腸科クリニックは、肝臓に関するあらゆる疾患に対し、日本肝臓学会 肝臓専門医が診療を担当して早期発見と早期治療を心がけているクリニックです。ここからは、うれしの外科胃腸科クリニックの特徴と魅力を紹介します。
日本肝臓学会 肝臓専門医などの資格を持つ院長による安心感のある診療
うれしの外科胃腸科クリニックの院長は、日本肝臓学会 肝臓専門医や日本消化器病学会 消化器病専門医、日本消化器外科学会 消化器外科専門医・消化器がん外科治療認定医など、複数の資格を有しています。
肝胆膵を中心とした専門医療と高度救急医療に携わり、幅広く消化器外科の診療を行ってきた豊富な経験を活かして、患者さん一人ひとりに寄り添った診療を心がけられています。肝臓に関する疾患はもちろん、生活習慣病全般について、専門的かつ総合的な視点から診断と治療を提供できるよう努められています。
患者さん一人ひとりに合わせた治療計画と生活習慣指導

うれしの外科胃腸科クリニックは、患者さんの些細な疑問にも誠実に答え、納得して治療を受けてもらうことをモットーとされています。患者さんに「とっつきやすく、なんでも話しやすい」と感じてもらえる距離感と雰囲気づくりを心がけ、同じ目線で話すことで、患者さんが病状について相談しやすい環境を整えるよう努めているそうです。
治療においては、患者さんの満足度を一番に考え、無理強いしないよう配慮されています。例えば、高血圧や脂質異常症、脂肪肝の患者さんには管理栄養士による栄養指導を実施し、ライフスタイルに合わせた具体的なアドバイスの提供を心がけているそうです。
メディカルダイエットにも対応し、患者さんが無理なく体重を減らし、肝機能を改善できるようサポートされているので、脂肪肝や生活習慣病の改善のための食事療法や運動療法に取り組みやすいでしょう。
内科・消化器・生活習慣病を幅広く診療する地域に根差したクリニック
うれしの外科胃腸科クリニックは、内科や消化器内科、肝臓内科、外科、肛門外科といった幅広い診療科目を持ち、生活習慣病から消化器疾患まで総合的に対応されています。
胃や大腸、肝臓、胆のう、膵臓といった腹部臓器の診断と治療に精通している院長が、内視鏡検査やエコー検査を活用して、患者さんのさまざまな症状に合わせた適切な診断と治療を心がけられています。院内には先進的なエコー機器が完備され、必要に応じて脂肪肝の定量評価や肝線維化マーカーの測定、ウイルス性肝炎の検査を実施し、肝臓の状態を詳しく調べて数値で把握することで、治療効果の客観的な評価につなげているといいます。
また、患者さんの状態に合わせた適切な医療サービス提供のために、地域の中核病院や専門病院と密に連携して、専門の医師や必要な検査と治療を紹介できる体制を整えています。
脂肪肝や生活習慣病の診療に力を入れ、地域の方の健康をサポートされているので、健康診断で異常値を指摘された方や生活習慣病が心配な方、肝臓に関する不安をお持ちの方は、うれしの外科胃腸科クリニックに相談してみてはいかがでしょうか。
うれしの外科胃腸科クリニックの基本情報
アクセス・住所・診療時間
JR 博多南駅より徒歩15分
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| 9:00〜12:30 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | - | - |
| 14:00〜18:00 | ● | ● | ● | - | ● | - | - | - |
参考文献




